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天気の子 公開に向けて

攻めるとか 違うんだけど。

万人受けするものを作る人だけがヒットすると思わないで。

前作がヒットしたら置きに行くのが人の心だって?

きっと、そんな単純な気持ちで作っていないわ。

久々にゆっくりと朝のワイドショーを目にする私が、ぶつぶつ文句を言った相手は、日本でも人気アナウンサーランキング常連の一人。

影響力のある人であれば、きちんと見解を知った上で話してほしい。

「いや、あのラストに関して新海監督と最初から決めていました。今回の作品は、希望で終わりたいと。」


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「天気の子」公開1か月を切ってまだ完成していないという、だから今回は試写会なしで行くという。

そんなわがままも前作の成功によって許される雰囲気が生み出されたんでしょうね。

一般的に映画は興行スケジュールもシビアで、キャンペーンも相当打たないとペイできないと言われている。

だからこそ、シネコンではどこも興行成績の良さそうな同じ映画ばかり上映されるのが常。

そんなことばかり言っても仕方が無いので、好きな監督作品は応援の意味も込めて公開初日やその週末に観に行くようにしている。

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前作「君の名は」の大ヒットで知られる新海誠監督作品がこの夏公開される。



私の新海作品との出会いは、もちろん秒速5センチメートル

この映画を知ったのは山崎まさよしファンクラブの会報誌だった。

主題歌 山崎まさよし「One more time, One more chance」と書かれたその映画はアニメだという。

「One more time, One more chance」を主題歌に据えるってそんな馬鹿な話はない、しかも主題歌として使われた映画から大して時が経っていない。

篠原哲夫監督「月とキャベツ」に思い入れの強すぎる私は、同じ歌を主題歌にするなんてと勝手にぷんぷん怒っていた。

しかも当時アニメにあまり良い印象を抱いていなかった私、多少の先入観もあり、世界観を崩されるのではないかと山崎まさよしの一ファンとしての怒りを覚えていた。

それでもそんな度胸があるのならアニメだろうと観てみようと、妙な敵対心を持ちながら映画を観ることに。

そこで私の概念がガラガラと音を立てて崩れたのを覚えている。妙に媚びた声の美少女が出てきて、というイメージしか持ち得なかった当時の私。世界が狭すぎたことを恥じている。

映像の緻密さ、色合いの美しさ、まるで目の前に景色が現れたかのような、いやいや実物よりももっと美しい情景、恐らくあそこだよねと実在の場所が見えるにもかかわらず、本物よりも本物らしい、クリアになった世界。

私が画面に吸い込まれたような感じ。

そして鮮やかな描写と相対し控えめな言葉。ギャップがたまらない。しかもどうしてこんなに切ないのだろう。

あまりにも切なすぎる、繊細で心の揺れが、ざわざわが痛いほどに伝わってくる。

新海監督ごめんなさい、アニメを馬鹿にしていた私が間違っていました。

そして、もちろん月とキャベツとは違うけれど

秒速5センチメートルの世界は

まさしく「One more time, One more chance」

だった。

ハッピーエンドや一件落着、〇〇バンザイ的なすっきりとした最後を期待している人にとっては何ともやりきれない思いを持たれるだろう。

私は観終えた後、その映画と対峙することを好む。

自問自答、どこで、どうしたら世界が変わっていたのだろうと生き方を考える人にはたまらないのではないか。

アニメなんて、と言っていた了見の狭い私が、何事も垣根を取っ払うことが大事だと一気にファンになってしまった。

今回の「天気の子」も誰もが喜ぶ映画ではない、賛否分かれると言われているが、元々そういう監督だったのだから。

秒速5センチメートル、

言の葉の庭


はたまた、ほしのこえ しかり



そういえば、言の葉の庭 主題歌は 秦基博さん

元々は大江千里さんの歌をカバーしたもの。秦さんの透明感のある歌と映画のリンクが絶妙。

オフィスオーガスタ所属アーティストと新海誠監督は同じ世界観を持っているということかも。

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新海誠監督には

あるべきものは変わらず、答えが一つだけではない世界をこれからも作りだしてほしい。

あー、公開が楽しみ。




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