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久々の富士山

久しぶりの実家帰省。飛行機を予約する時は富士山の見える席を押さえるのが常。

さあ、今日は見えるだろうか。

朝早い便に乗り込むと、睡魔に襲われ、クラシックチャンネルのアヴェ・マリアを聴きながらウトウトと眠りに落ちる。

ムスメとの帰省も随分と楽になったものだ。まだ小さな頃はいくら疲れていても、気が張って目が冴えていたが、もう今は旅の相棒といった存在。

以前、日の出の見える飛行機ってどうやって乗るんだろうねと聞かれた事があったが、お正月の初日の出フライトじゃないのって伝えていた。

今日は乗ってしばらくしたところで、ムスメに起こされる。

何と美しい日の出

真っ赤に染まるお日様と、空を分けるような水色や淡いピンクのグラデーション。

私は思わず、あそこの色が好きと指差して伝えた。ムスメは、私はその上の水色のラインと答える。

性格は全く違うにも関わらず、色のトーンについての好みは話が合う。

不思議なもので、やはり親子は何かしら似たようなところがあるのかと思い知らされた。

ひとしきり空を眺めると、またアヴェ・マリアが回ってきて、先程と同じく眠りにつく。

しばし睡眠を取ると、

富士山見えてきた!

興奮気味のムスメに再び起こされる。

それにしても久しぶりに見る富士山は神々しい。

昔、いつでも見られる場所に住んでいた頃は見えて当たり前の光景であったが、見られなくなると心から何か大事なものをえぐり取られたような感情を抱いていた。

左側に富士山が見えるとCAからアナウンスが入ると、みな一斉に窓の方を見る。

やはり、一目でも見ておきたい存在なのだと実感する。

これからあと何度富士山を見ることができるだろうか。

こころの故郷でもある富士山の姿を目に焼き付けながら考える。

そして、故郷や老親の今後に想いを馳せ、またひとつ乗り越えなければならない壁を目の当たりにする。

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