警察は怖くない in イギリス

アフリカの警察汚職事情に触れた投稿はこちら。

ほんとに? 留置所に入っても犯罪歴はつかない?
強制労働はないの?
警察官の好き嫌いで拘置所から出れたり出られなかったりするんじゃないの? 出るためにはお金は払うよね? 
警察官は暴力振るう?

難民となって母国を逃れた人たちの多くが、政府からの暴力を経験している中で「警察」という存在が「恐怖の対象」だというこということがある。イギリスで、自分が事件に巻き込まれたり目撃したりしても警察が「恐怖の対象」のままであれば、誰も警察に相談に来ない。そして社会的に不安定な彼らが犯罪に巻き込まれるリスクは、普通よりも高いかもしれない。言語が違う。システムがわからない。こわい。ちょっとしたことも警察へのアクセスの障害になり得る。実際「拘置所(custody)について何か質問ある?」という問いに、彼らから出た言葉が上の質問だった。

私がボランティアしている施設では、難民の人たちに無償で英語学習や栄養満点のおいしい夕食を提供している。そんな中、警察官2名がこの施設を訪れ、「留置所」についての説明をした。

難民と警察官。なんとも気まずい感じがする、と思っていたのはたぶん私だけで、イギリスの警察官はとてもさわやかに話し出した。

もし何かトラブルに巻き込まれて留置所に呼ばれることがあるかもしれません。留置所って言っても、ただ質問をするだけなんです。セキュリティが保障された安全な場所。私たち警察官は皆さんの尊厳を重視します。必要なら通訳も準備するし、弁護士をつけたい場合は相談にも乗ります。質問をするときも、就職面接みたいにフォーマルで、皆さんを怯えさせるようなことは一切ありません。お金も取らないし、持ち物もすべてお返しします。ただあなたが何も悪いことしてないことを確認したいだけなんです。留置所は警察官の行動もすべて監視カメラに残ります。警察が暴力をふるったり不当な扱いをすれば、警察も一般市民と同様に裁かれる存在なんです。通常なら6~9時間で解放されます。僕たちは、留置所に行くことが恥辱だという風潮を変えたいんです。

そんなの当たり前だ。先進国からしたらそうかもしれない。
でも、警察が市民を守らない/傷つける国がたくさんあることも私は難民の友人たちから知った。

婦人警官の方に、個別にいくつか相談を投げて帰ってきた答えも驚きだった。

私たちがいることで安全だと思ってほしいし、もし何かの過程で難民申請中の方が不法滞在やオーバーステイだとわかっても、警察が取り締まることはしません。難民に関することは内務省の別の部署管轄で、警察は管轄外だからです。内務省に報告もしません。

まじですか。(逆にどうやって不法滞在者取り締まっているんだろう…)

一人の難民の方が手を挙げて発言した。
「毎日大変なお仕事、本当にご苦労様です。私たち、この街の為に尽力されていることを感謝します。God bless you.」

警察官
「こんなに温かい言葉をかけてもらったのはいつぶりだろう。あなた方は本当に素敵な人たちだ・・・!」

ほっこり ♡

こういう人間的な、血の通った人同士の対話が世界中で起きたなら、世界はもっと優しくなれるんじゃないかと強く思う。平和を求めてここまで来た彼らだもの。平和を愛する気持ちは、人一倍強い。難民っていう肩書なんてなくて、人としての彼らの優しさと思いやりを、もっといろんな人が感じられる場所があればいいな。。。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?