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日本の若い起業家コミュニティをより強くするためにD4Vが今考えている、Startup Makeathonとはなにか

現在、私がキャピタリストをしているD4Vでは、投資後のサポートやセミナー等を実施しています。また、近年では大学卒業前や卒業後すぐに起業する起業家も増えてきており、今後の日本を支えるであろう若い人材を含む起業家コミュニティの活性化の必要性は日に日に高まっていると考えています。そのような背景を受け、この度D4VではU25の起業家/スタートアップを目指す若者のコミュニティ作りに資するべく、Startup Makeathon(メイカソン)を開催することにしました。Makeathonという言葉はあまり日本では一般的ではないと思いますので、今回のnoteではStartup Makeathonの内容や意図について概要を記載します。

その前に、そもそもD4Vって??という方はこちらのリンクを御覧ください。

Startup Makeathonに参加することのメリット

今回のMakeathonでは参加者に以下のメリットがあります。

• D4V/IDEOのファシリテーションのもと、デザインシンキングとベンチャーデザインについて学ぶことができます
• テーマにそって新しいスタートアップのアイディアをプロトタイピングできます
• 日本の若い起業マインドの仲間と交流できます

デザインシンキングはもうご存知の方も多いと思いますが、人間中心デザインともいわれ、「世の中がどうなるのか」を予測するのではなく、「どんな世の中をつくっていきたいのか」を起点とし、関わる人すべての視点と考えを活かすアプローチです。詳細は下記のリンクを御覧ください。

Makeathonは異なるバックグラウンドの人と協力し、議論し、プロトタイプを具現化するという試み

Makeathonとはそもそも何でしょうか。まだあまり日本では一般的ではないかもしれませんが、ハッカソンやアイディアソンという言葉はご存知なのではないでしょうか。Makeathonも同じような思想に基づいており、他のメンバーとチームを組んで、様々な課題に対して実際にプロダクトのプロトタイプを作る取り組みです。

ハッカソンと異なる点は様々なバックグラウンドの人と協力し、実際に簡易的なプロトタイプを作る部分にあります。近年のスタートアップや社会課題を見ればわかるように、なにか一つの知識や経験だけではソリューションが見つからず、様々なバックグラウンドを持つ人のアイディアや能力を結集することによってしか解決できない課題が大多数です。Mekeathonでは特にエンジニア、デザイナー、ビジネス等の様々なバックグラウンドを持つ人が協力して解決策を模索し、議論し、実際にその効果を試せるような初期プロトタイプを作成します。

また、実際にプロトタイプを作るという点もポイントです。具体例は追って示しますが、Makeathonではイベントの多くの時間を実際のプロトタイプづくりに使います。絵、写真、コーディング、ダンボールなど身の回りにあるもの、自分が簡単に作れるものを用いて、実際にその体験を再現できるプロトタイプを具現化するということが非常に重要です。これはデザイン思考の中でもよく議論されることですが、実際にプロトタイプを具現化することで得られる気付きや具体的なディスカッションはその後のプロダクト作成において、非常に有意義なものになります。

このように、Makeathonは異なるバックグラウンドの人と協力し、議論し、プロトタイプを具現化するという試みです。

Makeathonによって日本の若い起業家のコミュニティづくりに貢献したい

Makeathonの概要については上に述べたとおりですが、なぜ我々が今回Makeathonを実施しようと思ったのかを簡単に説明します。

起業には様々な要素が必要です。ビジョン、チーム、資金、テクノロジー…その中でも良いチームを組成できるかどうかというのは非常に重要な要素です。また、チームでなかったとしても、同じ悩みを相談できるような仲間が周りにいることは様々な形で支えとなります。近年、日本でも学生による起業が年々増え、起業が身近になっています。これからの時代を作るような若い力がより互いに協力しあい、互いの良さを活かして日本のスタートアップコミュニティの中でさらなる化学反応を起こすことが日本の、ひいては世界のスタートアップ、経済を活性化します。

このような考えのもと、今回はMakeathonを通じて、普段はなかなか接点を持てないような若い力同士が互いに協力することで、将来のチームメイトや同じコミュニティで支え会える仲間を作る場を提供できればと思います。ここでのターゲットは、CEOになりたい人だけでなく、コアメンバーとして自身の強みを活かし、新たな価値をチームと一緒に作り出す気持ちを持った人材です。また、将来的に何回もMakeathonを開催することによりOBOGを含めた強いコミュニティにしていければと夢見ています。

当日は、それぞれのチームメンバーの特技を活かしながら、短期間で実現可能なプロトタイプを協力して具現化する

Makeathon当日の流れは以下のようなものを考えています。

当日の流れのイメージ
・アイスブレイク
・テーマをうけて、課題の詳細を設定する
・ユーザージャーニーを描写する
・アイディアを出す
・実際にプロトタイプを作成する(ここがメイン)
・参加メンバーやキャピタリストからのフィードバック

実際にプロトタイプを作成する部分が特に重要になるので、アウトプットのイメージができるようにIDEOのCoLabがサンフランシスコで実施しているMakeathonの実際の例をいくつか示します。

こちらの例では、サステイナブルな社会を実現するため、「一般に開放されているキッチンを利用してどのように個人宅の食材の無駄を削減できるか」というテーマに対して、「スマート冷蔵庫を利用した近隣住民とのマッチングプラットフォーム」を考えました。プロトタイプでは、紙で簡易的に冷蔵庫を作成し、アプリで食材を読み取ると近隣住民とマッチングを行います。その結果、食材を合わせてどのようなメニューが作れるのかが表示されます。すべてが自動化されているわけではありませんが、実際の冷蔵庫や画面のイメージが具現化されており、実際の体験がかなりイメージできるのではないでしょうか。

また、こちらの例では、「自動運転が実用化されるとき、自動運転車の存在とその行動を周りの人とどのようにコミュニケーションすればよいのか」というテーマに対して、「フロントガラスの部分に認知している周囲の人の動き(人が渡っていることを車が認識していること)をアイコンで表示し音を出すことでコミュニケーションする」ことを考えました。実際に車のボードを持って動かすことで、実際の体験を再現しています。

これ以外にも、スマホをかざすと3Dグラフィックが出てくる次世代決済サービスや、ATMのような見た目の職業適性判断サービス等、オンラインとオフラインを混ぜ合わせた様々なプロトタイプを想定しています。

繰り返しになりますが、ここで重要な点はそれぞれのチームメンバーの特技を活かしながら、短期間で実現可能なプロトタイプを協力して具現化するという過程です。

対象は25歳以下の学生及び社会人。バックグラウンドは異なるが興味対象が似ている人同士を集めてチームを作る

Makeathonの対象者についてはチーム内でも様々意見が分かれましたが、特に若い人材のコミュニティづくりに資するという観点から、初回は25歳以下の方を対象に実施します。大学生や専門学校生、社会人の方で自身のビジネスを作る能力を活かしてみてはいかがでしょうか。

また、現状では以下のような領域をテーマとして考えています。これらの領域でもう少し詳細なテーマを特技は違うが興味は近い3−4人ずつのチームに割り当て、プロトタイプを作ります。

学生向けの就職サービス
オリンピック関連サービス
出会い系サービス
SNSサービス
ファッションサービス
ファイナンスサービス
社会貢献サービス
シェアリングエコノミー
メディアサービス

さいごに

いかがだったでしょうか。私達の取り組みも今回が初めてですので、このプログラム自体がプロトタイプです。質問があれば、何なりとメールやコメントでお送りいただけると幸いです。

D4Vでは6月にStartup Makeathonの1回目を開催予定です。ぜひ周りの仲間も誘ってご応募ください!



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