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ホットコーヒーと苦い記憶(2024年1月29日の日記)

平日、早朝のファミレスで朝食を食べる。
約4年前、会社員時代の最後の1年ほどで私がよく行っていたことだった。
冬場ならまだ日も昇らないほどの早朝である。
そんなに早朝に家を出る必要など全く無かったので、今思うと不思議なことをしていたものだ。

しかし、それは「会社以外のどこか」に自分の居場所が欲しかったことの現れだったのかもしれない。

当時は鬱病による2度目の休職明けだったが、精神的には相当不安定だった。
2度の休職を経て、自分が会社にいる理由が全く分からなくなっていた。
それでも毎日会社の往復を繰り返す日々でしかなく、それゆえに会社以外のどこかに自分の居場所が欲しかったのかもしれない。

そして今日、私はあの頃と同じようにファミレスで朝食を食べている。
既に会社は辞めているので、当然ながらあの頃とは別のファミレスだ。
当時は豪勢にもフレンチトーストなんて食べていたが、今は収入が寂しいのでドリンクバー付きの安いライトモーニングである。

今の私は居場所を探すためではなく、美味しいご飯をたべるためにここに来ている。
ご飯を食べて「美味しい」と素直に思える日々。それを取り戻すまでに約10年もの時間がかかってしまった。
ホットコーヒーの苦味がそんな昔の苦い記憶を思い出させたのかもしれない。

これからも、ご飯を美味しいと思えるような日々を大事に守っていきたいと思う。

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