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やっぱり「デザイン」が必要だよねという話

こんにちは。村暮らしのライター ふみぐら社です。

突然ですが、ふみぐら社には「デザイン室」があります。主に妻が担当。Webデザインというより紙をベースにしたデザイン。小冊子だとかチラシ、名刺やショップカード、商品ラベル、POPなどを手がけてます。

Webデザインもやらなくはないけれど、妻は基本的に「紙」という素材が好きなんです。その気持ちは僕もわかる。

紙の話をしはじめると別の方向にどんどん掘ってしまうので、今回は置いておきます。

デザイン室で引き受ける案件は、お客さん(クライアント)から直に話を伺うものがほとんど。いわゆるクライアントワークですね。それも、これまであまりデザイナーとかデザイン事務所とのお付き合いがなかったというケース。

すごく極端に言えば、「これまでショップカードも名刺もなくてもお店をやってこれた」「とくに集客とかマーケティングとか考えたこともない」という個人やお店から、なぜか「はじめてのもの」を頼まれるわけです。

当然だけど、チラシひとつつくる場合でも「何を考えたり準備しないといけないのか」「できあがるまでにどんなステップを踏むのか」「できたチラシをどう活用するのか」というところも真っさら。

なので、きちんとそこから話をしていきます。

同時に、大事なのはただチラシをつくるためのヒアリングをするだけじゃなく、「お店やお店を運営している人が、これからどうなりたいのか」をイメージと言語化して共有すること。

これが地味に大変といえば大変。なぜなら、お客さん(クライアント)も、これまで、そんなふうに「考えたことがない」ことが多いから。

もちろん漠然とは思っている部分もあるけど、じゃあ「目指す最初のゴールはどこで」「そのためにやるべきことは何で、何からやって」「どうなれば幸せな状態」なのかの地図を描いたことってないわけです。

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チラシに限らず、どんな制作物を頼まれたときでも、ただ「頼まれたものをデザインします」だけがデザイナーの仕事ではないって、うちでは考えるんですね。

言葉をデザインしていく点ではライターの僕もやることは同じ。実際、デザイン室案件で協働することもあります。

お客さん(クライアント)が、その制作物があることでどんなふうに、お店の運営にプラスの変化が生まれるのか、ユーザーさんとどんなコミュニケーションの機会が発生すれば、クライアントが「こうなれればいいな」とズレないのか。そこの筋道をデザインすることも大事なデザイン。

素材を用意してもらって、お客さん(クライアント)の好みの感じにデザインしますよ、という仕事もデザインなのだけど、それだけだと浅い。その前後もデザインすると、お客さんにとっても仕事を請けるデザイナーにとっても、いろんな広がりが生まれます。

もちろん、中にはデザインを頼む側も「そんな面倒くさいこといいから、早くコストも抑えてやってよ」「とにかく目立つのがいい。うまくデザインして」という人だっていますよね。目的や状況によっては、そういうのも必要かもしれない。つくる側も「仕事だから」とやっていく。

そこをあえてズラして「そこまでデザインするんだ」を少しずつでもいいから、やっていくと(ちょっと大きな話ですが)生き方をデザインしていくことにもつなげられる。

お店も自分の仕事も生き方もやっぱり「なんでこうなんだろう」より、自分で「こうなれればいいな」ってデザインしていけるほうが単純に楽しいじゃないですか。

意匠的な意味でのデザインだけではない「大きい意味でのデザイン」をもっと、いろんなところでみんな考えるようになると、きっと世の中の楽しいも増えるんじゃないのかな。そんなことも地道に考えてやってます。