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転校生経験値の需要ってあるのだろうか?

小学校の思い出がない。いや、ありますよ断片的には。

だけど、6割ぐらいの人が持ってるであろう「小学校の入学式→卒業式」のリニアな母校の思い出がないのだ。

なぜなら家の事情で小学校を転校しまくってるから。

そもそもが入学するはずだった新設の小学校の工事が新学期に間に合わず(そんなことあるんだ)、近くの小学校を借りての入学式というところから、なんていうかふつうではなくなっている。

子供ごころに、まあまあ混乱したところからの小学校生活スタートだったのだ。

ようやく一応の校舎の設備工事が終わったというので4月半ばぐらいの雨の日に、本来の校舎に移ったのだけど、塗装が乾いてないので(ペンキ塗りたて)、着ていたレインコートにべっちょりとペンキが迷彩模様で転写されて凹んだ記憶がある。

そこから小学校2年のときに最初の転校をして、あとはもう何回どこの小学校に転校したのかちゃんと覚えてない。

転校中にその小学校が分裂して、君たち新学期からこっちの学校に通いなさいみたいなこともあったし、盛大にお別れして転校して出て行った学校に出戻りもあった(これって、結構微妙な空気になる)。

なので同じ学年の自分の通知表が違う学校名で3つあったり、もうわけがわからない。

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そういう小学校生活を送ってると、転校慣れするんじゃない? と思うでしょ。僕も思う。だけど、まあこれが慣れない。

正確に言えば、転校という出来事そのものには慣れて、べつにショックを受けることもないのだけど、転校先でどのパターンを選択するかは毎回面倒くさいのだ。

だいたい僕が経験した転校先でのパターンは5つに分類できる。

1)転校生そのものが珍しくて、なんやかんやかまわれて、いきなり人気者になるパターン。漫画みたいだけどある。
2)転校生に、いろいろ洗礼を浴びせてそこをクリアしたら仲間に入れてあげるパターン。これもふつうにある。
3)なぜか転校生というだけで敵対視されて、紹介が終わった最初の休み時間開始早々にバトルロイヤル。これも何回かある。
4)転校生来ないでください的な空気でガン無視派多数。少数が対角線上にひそひそ。これもわりとある。
5)何人かが転校生に興味を示して、あとはとくに快でも不快でもない感じで先生もクラスもさらっとしてる。いちばん多い。


転校慣れすると、クラスに入った瞬間にこのパターンを察知できる。で、それぞれのパターンで対応するモードに入るのだけど、パターン5以外は正直どれも面倒くさいのだ。

まあだけど転校生は完全アウェーなので、自分がいくら「僕はこうなんだよ」と態度で示そうが言葉にしようがあまり意味がない。転校先の受け入れ方に合せるしかないのだ。

なので毎回パターンに合わせて対応する。転校生なので、基本は「よろしくお願いします」だ。

とはいえ小学生だからクラスの入り方のパターンは違っても、基本的には「クラスの遊び」に付き合えば、一応いつの間にか馴染める。

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大人になっても実は、こういうのはあまり変わってないのかなとも思う。

ツイッタランドのツイッタラーさんたちの中に入るのだって同じ。基本的には世の中はどこへ行っても転校生なのだ。

その割には自分が転校生経験値を生かせてないのはなんでだろう。生かそうという気がないのかもしれないし、その発想がなかったのかもしれない。

こういう経験値の需要ってあるのかな。