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☆note365日更新続けても何も変わらなかった話

noteのボーナスステージは終わった。

この記事を読んで悲しい気分になる人もいるかもしれないけど、あまり書いてる人もいないので書いておきたい。

もちろんこれは僕個人の、それも影響力「スダチ3個分」程度のただのライターごときが「そう思って」「そう感じた」だけなので読み飛ばしてもらっても全然構わないのだけど。

一時期noteを毎日更新続ける勢がなんかフォーカスされてるというのがあった。

365日更新してたらデビューできたとか、猫が寄って来てモテモテになったとか、そういう話がキラキラとタイムラインにも流れてたし編集部のおすすめにもよく載ってた。

べつに僕はそこに影響されたわけじゃなく、本当にそうなのかな? と純粋に掘ってみたくなったのだ。たぶん取材する感覚と同じだ。自分で一次情報にあたってみないと本当のところはわからない。

だけどそんなよくわからない理由で365日更新してる人に話を聞かせてもらうのもあれなので、じゃあ自分でやってみて自分に取材すればいいと考えた。で、以下のインタビューは自分で自分に聞いたサマリーです。


Q なんで毎日更新を?
A さっき言いました

Q やったら何か変わった?
A とくにないかも


noteがグロースする直前のタイミングでは、まだ書き手ユーザー(創作は書くだけじゃないけど)も少なかったので僕クラスでも、結構おすすめに取り上げてもらったりしてた。感覚的には3回に1回くらい。いま思えば成長期だったんだと思う。僕がではなくnoteが。

なんで成長期にはピックアップボーナスがあるのか。

僕は基本「自然が先生」だと思っていて、なんでも自然に当てはめてフレームワークで考えるのだけど。

植物、野菜なんかの成長は栄養生長生殖生長にわけられる。あ、難しい話ではないので。 

栄養生長はとにかく植物自体の根や茎、葉っぱを大きく強くする時期。そこでは窒素、リン酸なんかの養分もすごく吸い上げる。で、植物自体が育ったら子孫を残すための生殖生長に移る。種や実をつけるわけだ。(キュウリみたいに栄養生長と生殖成長を同時にするやつもあるけどね)

栄養生長のフェーズではいろんな養分が必要なので、よほど毒でなければ吸い取ってもらえる。note書いてたら知らないところでピックアップされたり、仕事が来たみたいな話もよく見聞きしたのも理屈は同じなんじゃないか。

         ***

いまもないわけじゃない。コミックエッセイとかマンガ系はnoteではちょうど成長期だと思う。とくに何かバックグラウンドのないライター系はもう飽和してるけど。

全体的に見れば、いまのnoteは成熟期に入ろうとしている。ウェブサービスのドッグイヤー性で考えたら当然だと思う。

成熟期、生殖成長期には栄養成長期みたいにいろんな養分は必要ない。自分の実をつけるのに必要なものだけでいい。

むしろ、あまり何でも吸い取ると質の高い実が育たないのだ。なので「一定のnoteらしさ」みたいな偏りでもあり特徴でもあるのが出てくるのは自然なことだよなと思う。

成熟期に入って大都会となったnoteは他のメディアとも連携されて、おすすめ記事が拡散されそこからの流入でたくさんのスキがつくこともある。
けど、じゃあそこから勝手にファン形成されるかといえばそれは少ない。一瞬盛り上がってそれだけだ。

老舗メディアのひとつ「デイリーポータルZ」の編集者がどこかで話してたけど、昔はそういうバズがあると、それきっかけでサイトやメディア自体のファンになってくれることがよくあった。ブックマークして巡回してくれるのだ。

だけどこれだけメディアもSNSも増えたいまは、一瞬、そのときだけみんな見るけど波が引くのも速くてブックマークまではしてくれない。noteならフォローまではしない。他の記事やコンテンツにはとくに興味も用もないのだ。

自分でサイトやメディアを運用していてGAでデータ見れるひとなら、ユーザーあたりのセッション数を見れば「参照流入」は集客は多くてもページビューでは「検索流入」の方が多いことからもわかる。

何かきっかけでバズって特定の記事のビューが伸びたとしても、ほぼそれだけで終わる。そういう時代なんだなと思う。もちろん、すごくすごくキャラが立ってる人なんかだと(その人がすごい破壊力発揮してる記事とセットだと)、そこから木星ばりの引力で吸い寄せられてフォローすることもあるけど。

宇宙の原始時代、木星の破壊力はすごくて、そのおかげで太陽系の惑星がことごとく粉砕されて太陽に呑み込まれ、ついには木星自身も外部太陽系に飛んで行って、おかげで地球が太陽系に誕生できた話とかナショジオで読んだけどスケールがすぎる。

煮詰まったときは宇宙の話を読むと、リセット効果がある。ほんとにある。

         ***

で、なんで宇宙の話してるんだ? note毎日更新の話だ。

とりあえず一時期ちょっと離れてたnoteに、浅生鴨さんインタビュー記事をnoteにシリーズで載せさせてもらうきっかけで戻って来て、そこからずっと日々書き続けてきた。

冒頭に書いたように「365日更新」も自分でやってみないと何とも言えないのでやってみた。その結果、どうだったか。

特に何も変わらないが答えだ。すごくいいことも起こってないし、すごく駄目なことも起こってない。猫にモテモテにもならないし。

だけどよく考えたら、僕のnoteは大都会の路面店じゃないんだ。こんな田舎まで2時間もかけて(気持ち的には)僕のnoteを読みに来てくれるひとがいるだけで嬉しい。

すっかり、おすすめとも無縁になった僕のnoteだけど、あの頃よりいまのnoteからゆるく広くつながる日々のほうが豊かだ。ほんとにそう思う。

リアルnoterのあの人やあの人の顔も思い浮かべられて、それだけでも僕の心のやらかい場所の温度が少し上がる。

それでいいんじゃないかと思うんだ。


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