味噌づくりのスピードで生きるのが好きなのかもしれない

久々の移住記事。先日、長野県で味噌づくりをしてきました。いわゆる「手前味噌」ってやつです。


味噌って、なかなか改めて「味噌の話なんだけど」ってしないですよね。日本人のベース食材のひとつなのに、いまひとつ地味? 

醤油なんかは、一昔前の「卵掛けご飯(TKG)専用醤油」の登場とか、各地域のこだわり醤油ブーム的なのもあって、まあまあ話題に出ることもあるような気がするのですが。

とか語っているふみぐら家も、これまでほとんど「味噌」について、ちゃんと学んだことがありませんでした。

過去形なのは、今回はじめて味噌づくりをやってみて「これは、面白い!」と思ったので、今後いろいろ体験と知識がアップデートされていく予定だからです。

シンプルなのにit's a new world

とはいえ、いきなり初心者がゼロから味噌の仕込みをするのは無謀すぎるので、お世話になっている工務店さんの「味噌づくりの会」に混じって教えてもらってきましたよ。

味噌づくりに必要な材料は「麹」「大豆」「塩」「水」の4つ。ザ・シンプル! これだけで、あの複雑な風味が醸し出されるのだから発酵食品の世界は奥深いです。

今回は工務店スタッフさんが事前に大豆を何度も洗ってから、しっかり水に浸したり、米麹(自家採取した麹菌をムロで寝かせてつくる昔ながらの製法のもの)を調達したりという準備をしてくれたので、かなり楽をさせてもらってます (-ω-)/

大釜で大豆をぐつぐつ煮るところからスタート。3時間ぐらい煮て、大豆が手でむにゅっと潰せるぐらいまでやわらかく。

この大豆の煮汁を勧められるまま飲んでみると「なにこれ、おいしい!」。何も味付けなしですよ。なのに甘くておいしい。大豆の品種を聞いたのに忘れてしまったのですが、無農薬自然栽培のめっちゃうまい大豆です。


味噌づくりに使う大豆は、基本的に糖質が多く、脂質は少な目の品種がいいみたいなので、それだけ甘味が強いんですよね。

で、煮上がった大豆をこれまた大昔から旧家で使われていたという豆ミンサーで挽いていきます。モンブランみたい! と誰かが言うのはお約束。

その作業と並行して、塩と米麹を手で混ぜていくのですが、ここで僕が痛恨のミス! うっかり朝ごはんに禁断の納豆を食べてしまっていたんですよ!!

味噌づくりの前に納豆を食べちゃダメな理由

麹菌にとって納豆菌は超がつく天敵。納豆菌は麹菌より強力なので、うっかり手や服に付いた納豆菌を米麹に混入させてしまったら味噌の風味は大惨事に……。

いや、これほんと冗談じゃなく、酒蔵なんかでは麹を扱う期間は納豆は一切食べない「納豆断ち」するぐらいなのは、これまでにも杜氏さんの取材とかで知ってたのに。何やってんだ自分。

まあ、他の参加者さんにも自分からカミングアウトして笑われましたが。おかげで実質ほとんどの作業を妻に担当してもらい、熟成が進むまで別のドキドキを自分で追加してしまいました。納豆菌テロ起こしてませんように。

塩をしっかり米麹にすりこんだものを、挽いた大豆と合わせてひたすら混ぜこねます。このとき、しっかりこねるのがポイント。こねると固くなってくるので、先ほどの大豆の煮汁を加えて、さらに混ぜこねます。

実は、この煮汁に結構な大豆の旨みが出ているので、むしろ入れたほうが味噌の味わいが豊かになります。とはいえ、あまりベチャベチャにやわらかくならないように。熟成が進むにつれて自然に塩の浸透圧で水分が出てくるので。

いい感じにこねたら、テニスボール大に丸くしたのを容器にぶつけるように投げ入れます。そうすると空気が抜けるので、味噌を発酵させる嫌気性の酵母や乳酸菌には好都合。


菌とゆるゆる付き合う日々のはじまり

ボール状の味噌をならしながら隙間なく積み重ね、最後に塩で蓋をしてひとまず仕込みは終了。あとは、ときどき天地返しなんかをしてカビさせないように面倒を見ながら秋から冬ぐらいまで熟成させます。

とにかく、味噌の中の麹菌やら酵母やらをちゃんと生かすことが大事。市販の味噌だと、だいたいアルコール処理なんかで発酵を止めてるので、何も気にせず使ってましたが、本来の味噌は「菌が生きてる」のがふつうなんですね。

材料はシンプルだけど、付き合う手間はそれなりにかかる。これを面倒くさいと感じるか、付き合い方でどんなふうに出来上がるか楽しみと捉えるか。

ふみぐら家は後者のほう。時短とは真逆ですが、味噌づくりのスピードで生きると、いろいろ見えなかったものが見えてきて面白い。そんな感じで、移住記事も書いています。

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ふみぐら社

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