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5年前のきのう、目の前にあった扉。

ひやひやするというのか、なんというのか。

いまアート引越センターのみなさまが荷物を梱包してくださっている横で、これを書いている。そういう契約だし、ぼくが手伝おうにも役立たずなのでこうすることが正しいのだろうけれど、なんとなく申し訳なさが先に立ってしまうのは、ぼくが小者だからなのだろう。

で、ふつうに書くと、きのうときょうは引越の話オンリーになってしまうのだけど、じつはきのう(12月12日)はちょっとした記念日でもあった。

ちょうど5年前の12月12日、『嫌われる勇気』が発売されたのだ。失念してしまっていたのだけど、きのうときょう、この5年を振り返って共著者の岸見一郎先生と対談した記事がアップされている。


(刊行5周年・著者インタビュー 前編)


(刊行5周年・著者インタビュー 後編)


対談のなかでぼくは、『嫌われる勇気』について「自分にとっては40代の扉を開いてくれた本」という言い方をしている。これはほんとうにそうで、たとえばきょう、引越作業に追われているのだって『嫌われる勇気』という本があり、その先に見えてきたやるべきこととして、会社をつくったからだ。

もちろん5年前にはそんなこと、ひとつも考えていなかった。「あんな本がつくりたい」「こんな本がつくりたい」「あの人の本を手掛けてみたい」の気持ちはあったものの、それらはすべてフリーランスの人間として、考えていたことだった。

だから5年後のことを想像しても、たぶんあまり意味がないと思う。当たるはずがないし、飽きっぽいぼくのこと、なんらかの計画を立てたところで、その計画を変更していくたのしみに夢中になると思う。

ただ、間違いなくいえるのは、自分の「これから」の扉を開いてくれるような仕事を、今後数年のうちに手掛けないとどうにもならないだろう、ということだ。

おおきな扉を開くのは「自分」ではなく、自分の「仕事」なのだ。この5年を振り返って、ほんとにつよくそう思う。


あたらしいオフィスで、かっこいい仕事ができるといいな。