見出し画像

そんなことしてる場合じゃねえだろ。

15分で書かなきゃいけない。

きょう入っている予定と現在時刻とを睨めっこすると、どう考えても15分で書くしかない。つまりこれは気の焦っている男が、大急ぎで、しかもなにを書くか決めていないままに書きはじめた文章である。

不思議なもので時間がないとかなんとかいいながら、ちゃんとコーヒーを淹れていたりする。いま、パソコンの片隅には淹れたての堀口珈琲が、イッタラのカップにたぷたぷ揺れていたりする。

で、思う。

「そんなこと」をしてるから時間がないのだお前は、と。


笑わずに聞いていただきたい。時間がない、超やべえ、あたふたおろおろ右往左往してる人。そんな人を見たときあなたは、思わないだろうか。「そんなことしてる場合じゃねえだろ」と。ここでの「そんなこと」とは、なぜかスマホで新着メールを確認したり、SNSアプリを起動したり、そんな寒くもないのにマフラー探したり、いつもとは違うスニーカーを探して下駄箱を開けたり、口をすぼめてほとんど熱湯のようなお茶を飲もうとしたり、空のポケットをパンパン叩いたり、なんか、そんなこと全般である。

「そんなこと」をひとつもしなかったら、5分は稼げる。なんなら10分稼げる。けれども人は、焦れば焦るほど「そんなこと」をしてしまうのだ。


冷静な判断が下せないことの厄介さは、ぐずぐずすることよりもむしろ、この「つい余計なことをやっちゃう」にあるのかもしれない。


以上、12分で書きました。これから冷めたコーヒーを飲みます。