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季節の変わり目を感じる場所。

いやはや、9月です。まいった、です。

ここ数年、ぼくがいちばん「季節の変わり目なんだなあ」を実感させられるのは、コンビニエンスストアの陳列棚かもしれません。おにぎり・弁当コーナーにはきのこ類を使ったごはんが増え、お菓子コーナーには栗を使った期間限定味が増え、飲みものコーナーにも紅葉をあしらったパッケージの商品が増え、おでんコーナーが充実していく。陳列棚全体が、暖色系の紅葉カラーに染まっていく。お店に入った瞬間、「ああ、もはや世間は秋へと動き出したのだな、いつまでも夏の冷やし中華気分ではいられないのだな、栗やきのこをほおばる季節なのだな」と思い知らされます。

一葉のみどりもないコンビニに季節を教えられるとは皮肉なものだな、という気もしますが、よくよく考えればコンビニとは日本でいちばん「人とモノ」の出入りが激しい場所でもあり、そこに季節の移り変わりを感じるのは当然のことのようにも思えます。

あと、季節の移り変わりを教えてくれる意外な存在に、流行歌というものがありますよね。たぶん10月あたりからクリスマス系ラブソングの新曲がいくつも発売されるでしょうし、年が明ければ卒業ソングが流行り出す。夏が近づけばビーチソングがたくさん出回るし、秋はなんとなく別れの歌、というイメージがあります。


海や山の自然を愛するのはすてきなことだけど、「秋の歌は好きだなあ」とか「冬のお菓子は好きだなあ」とか、消費のなかの季節をたのしむのも大切なことじゃないかと思うんですよね。これ、栗ごはんを食べるような直接的なことばかりでなく、たとえば「秋味」というよく意味のわかんないビールに、野暮なツッコミを入れることなく乾杯する、みたいな。