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マンガ家とプラモデル

宮崎駿、大友克洋、押井守、庵野秀明、鳥山明。

このへんの「すごい絵のひとたち」って、みんなメカ好きのクルマ好き、そしてなによりミリタリー好きですよね。ハーレーとかキャデラックとかベスパとかはもちろん、大戦中の戦艦とかドイツ軍の戦車とか戦闘機とかも、すらすら描けそう。

そして、宮崎駿さんの世代はどうかわからないけど、きっとみなさんプラモデルが大好きな小学生だったんじゃないかと思うのです。

ちなみに小学生時代のぼくは、マンガ家を夢見る子どもでした。当初はガンダム的な、SFロボットアクションを描いていたのですが、いつの間にかプロレスマンガに移行。アントニオ猪木が世界最強決定トーナメントで優勝する、ただそれだけのマンガを、対戦相手や試合内容を変えながら何度も何度も描いていました。アントニオ猪木対ハーリー・レイスなんて、それはそれはすばらしい名勝負でしたよ。

で、SFマンガからプロレスマンガに移行した理由、そしてマンガ家をあきらめた理由は、「面倒くささ」だったんですよね。もう、背景やら服やら食器やらを描くのが、ただただ面倒くさい。それで「パンツいっちょの男をふたり描けばOK」というプロレスマンガに移行したんです。

そして最近、この「いちいち描くことの面倒くささ」に敗れた自分が、プラモデルも苦手だったことを思い出しました。あれも「いちいちつくること」が面倒くさかったんだよなあ。

ほんとうに絵がうまいマンガ家さんってのは、たぶん属性としてプラモデルとかレゴとかドールハウスとかが好きな人たちだし、プラモデルを「いちいち」組み立てることで三次元としての構造を学び、それを二次元に落とし込む技術を覚えていったんだろうなあ、と思います。

じつは文章も、けっこう「いちいち書く」で成り立ってるんですけどね。そっちだけはサボることのないよう、日々おのれを戒めているところです。