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10年前のパスポート。

きょうの午前中、パスポート更新のため、都庁まで出かけました。

前回パスポートをつくったのが10年前。あのときもそうだったけど、今回もまた犯罪者みたいな顔で写ってしまった自分、写真を撮るときにだけ犯罪者然とした表情になるわけではなく、いつもそんな顔をしているのでしょう。

ぼくはいつも、つくる本の対象読者が見えなくなったら「10年前の自分」を想像することにしています。10年前の自分に向けて書く。あんぽんたんな彼でもわかるように書く。20代〜30代の男性ビジネスマンではなく、2006年の自分に向けて書く。もしも「彼」が喜んでくれたら、凡庸たる「彼」と同じ悩みや問題意識を抱えた人間はたくさんいるはずなので、結果としてたくさんの人に届くはずだ。そう思って書いています。

でもきょう、あらためて旧パスポートの写真を眺めながら、前回パスポートを取得した有楽町・東京交通会館の映像、その前に足を運んだ無印良品の映像も込みで10年前の自分を思い出したんですが、いやぁー驚きました。

なんというか、とてつもなく「むかし」ですよね、10年前って。

自分が食っていくこと以外、なんにも考えてなかったし、10年後の自分なんて想像したことさえなかったんじゃないかなあ、あのころ。ギリ想像して1年後、ほんとはたぶん半年後くらいまでしか考えてなかったような気がします。

じゃあいまはどうなのかっていうと、いちおう口先では50代になったときのこととかしゃべってみてるけど、本気で「取り組んでいること」って話になると、せいぜい2年か3年後までだろうなあ。10年後の自分、10年後の世界、わかりっこないですよ。


人間って、半年先や1年先が不安なときほど、10年とか20年のおおきな時間でものを語りたがるものなんだと思います。

でも、そうなんだけど、わかるけど。

少なくとも30代前半までは、半年先までに集中してればいいと思いますよ。どっちにしろ、思ったとおりにはならないんだから。