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気忙しい月末の、気忙しい木曜日。

来週にはもう、12月である。センセイもどたばた走る、師走である。

師走ということばをはじめて知ったのは、小学3年生のときだった。一応は「センセイ」であるところの担任教師がその意味を語ることの滑稽さに首をかしげつつも、むかしのひとはおもしろいことばをつくるものだなあ、と感心したのを憶えている。……と、本来ならここで師走ということばについてのくわしい感想や、睦月、如月、弥生に卯月といったことばのおもしろみを味わう文章が続くといいのだろうけど、それぞれ書いてみたくもあるのだけど、そうとも言ってられない事情がある。

やたらやることの多い今月、ぼくはさまざまな些事を「月末までにやろう」と放置していたのだ。そしてどうやら、労働カレンダー上の月末は、明日にせまっているのだ。

たとえば、オフィス引越に向けた荷物の整理。お掃除。書類の記入。コピーやスキャンや提出作業。役所や郵便局、電力会社や通信事業者、その他もろもろなる業者への連絡・問い合わせ。引越先であらたに使用する家具・雑貨の検索、比較検討、そして購入。さらには失念した手続きがありはしないかというハラハラ。その不安を静めるための確認作業。

もともと引越は好きで、今後も何度となくオフィスを越していくだろうと思われるにもかかわらず、この類いの手続きはほんとうに苦手で、どうにかなんとか「気がついたら引越が終わっていた。若い人たちがみんな手配してくれた」くらいの規模の会社に成長したいなあ、と思う。


しかしたぶん、仮にこれから10倍、20倍、30倍規模の会社に育ったとしても、ぼくの性格からして社員にすべて丸投げすることはできず、なんだかんだで自分が先頭に立って、大変だとか面倒くさいとか言いながらも雑務をこなし、重い荷物を運ぶのだろう。

そしてまあ、そういう「まかせられない」社長の率いる組織は10倍、20倍、30倍規模の会社に育つことが敵わず、結果これもいらぬ心配なのだろう。


遅くとも来月のいまごろには、ぼくは新オフィスで原稿を書き、この note を書いているはずだ。なんだかちっとも想像がつかないし、それは一年がかりの大事業のように思えてしまう。