方言女子はかわいいか

いつのころからか、「方言女子」というジャンルができあがった。

かつては垢抜けない田舎者の象徴でしかなかった方言が、時代を経て、むしろ純真無垢なイノセンスの象徴のようにとらえられているのだろう。

これはなかなかむずかしい問題で、たとえば福岡出身のぼくなどからすると、東京のひとが「博多弁女子ってかわいいよね」と喜ぶ感覚がまるっきり理解できない。実際、福岡的なイントネーションを頑なに守り続ける女性といえば、ヤワラちゃんこと谷亮子さんなのだと思うけど、彼女の朗々と語る福岡訛りを聞いていると、やはり気恥ずかしくなってしまう自分がいる。

ところが、むかし取材依頼だったか掲載依頼だったかで任天堂にお電話したときのこと。対応した広報の女性がはんなりした京都弁で、もーれつにかわいいと思ったのを覚えている。つまりは、ぼくにも方言女子をかわいいと思う素養はあるのだろう。

では、「方言男子」はかわいいのだろうか。

たぶん、かわいい。

むかしでいうならチェッカーズ。もう少し新しいところでKinKi Kids。いまでいうなら関ジャニ∞。こうしたひとたちが、かわいい方言男子の代表になるのだろう。

ただし、ここで方言が象徴しているものは、純真無垢なイノセンスというだけではない「不良的なやんちゃさ」のニュアンスが強い。考えてみれば、中上健次さんや吉田修一さんの小説に出てくる方言男子も、みんな不良でやんちゃでイノセントである。

やんちゃな方言男子と、無垢な方言女子。

どっちも嘘だよなー、と思いつつも、そのイメージに抗えない自分もいる。ぼくも日常会話に少し博多弁をまぜてみようかな。

毒を食らわばサラダで。
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古賀史健

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