若気の至りと言いますが。

中学のとき、幾人かの友だちがバンド活動をはじめた。どこかのライブハウスを借りるわけでもなく、文化祭で伝説をつくることだけを目的に結成されたバンドだ。ブルーハーツかBOØWY、ZIGGYあたりがメインだった。そして高校になると、けっこうな数の友人たちがバンド活動に精を出した。まだまだ洋楽が偉かった時代の高校生、なおかつ県内では都会っ子が通う高校だったので、洋楽のコピーがメインだった。やたらTレックスを演るバンドが多かったけど、演奏が簡単だったからなのだろう。

そんな彼らを横目で見ながらぼくは、きみたちもっとまじめに音楽に取り組みたまえよ、と思っていた。きみたちの音楽的ルーツはどこにあるのだ? いまきみが演ってるBOØWYならBOØWYは、誰に影響を受けてあの音にたどり着いたのだ? それをさかのぼって知ろうとすることすらもしないで、表面だけなぞったところで、なにが生まれるというのだ? ただでさえ下手くそなのに音楽的素地の上でも劣化コピーになるだけじゃないか。

しかしそんな小理屈を考える前にギターを持ち、コードを覚え、ステージに立った人間が、青春というその季節においては圧倒的な勝者なのだ。高校を卒業したころ、エアロスミスのカバーを演ってた友だちのライブを観に行って、打ち上げで「もしもおれがバンド組むなら、ぜったいオールマン演るね。ひげでも伸ばしてフィルモア・イースト再現するよ」なんてうそぶいていたぼくは、あの日いちばんかっこわるくてタチのわるい人間だった。


若気の至りって、後先を考えない行動のことだけを指すんじゃなくって、当時のぼくみたいに、頭でっかちになって後先を考えすぎるのも、若気が至りまくってるんですよね。

なつかしいけど、あの場所には戻りたくないなあ。

出る釘は浮かれる。
70

古賀史健

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コメント5件

加藤さん、まじで「モテ OR DIE」の行動原理で生きてますよねw
ぼくの話をしているのではなく真理の話をしているのですよ
なるほど、加藤さんは「モテ OR DIE」で生きてるのですね。記憶に刻みます。
興味深く拝見しました!私はX JAPANに中学時代の情熱をそそいでいましたが、コピバンやってた先輩なんかは無条件にポイントアップしましたね。音楽について価値観が一致するってのは今でもポイント高い気がします。演奏ができなくても・・・
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