あたりまえの日常を。

うちの犬がわが家にやってきて、もうすぐ1年が経つ。

これは、その日最初に撮影された写真である。いちおうは「ぺだる」という名前をつけてみたものの、そう呼ぶことにどこか照れを感じ、こんなにちいさくてふわふわの生きものがここにいる事実を、ぜんぜん受け止められずにいた。

その後わんぱくのかぎりを尽くしながら、ふわふわの生きものはたくましく成長し、いまや家主のようにしてリビングルームのいちばんいい場所に居座っている。ひとの靴下を強奪して。

とげとげの乳歯は犬らしい永久歯に生えかわり、くんくんの鳴き声はばうばうの咆哮に成りかわり、こころは子どもでありながら、立派な体躯の成犬になってきた。

でもなあ。朝起きたとき、夜に帰宅したとき、もの欲しげな彼と目が合ったとき、そして足元にぴとっとくっついて丸くなったとき。いまでもぼくは、いちいち「わあっ!」と思うんだ。

この犬というふしぎな生きものがここにいること、同じ空間で寝起きしていること、こちらをじっと見つめてくること、しっぽをぶんぶん振ってくること、ぜんぶについて、ちっとも慣れないんだ。日常でありながら、どこか非日常な「プレイ」のなかに生きているような、そんなふしぎに毎日はっとしてしまうんだ。

ぼくがそう思っているあいだは、きっと彼も落ち着かないんだろうな。


よく先輩たちから「どんなわんぱくな犬も2〜3歳になったら落ち着くよ」とアドバイスを受けるけれど、それは犬側の問題じゃなく、一緒に暮らす人間側の慣れが、2年や3年の月日を要するのかもしれない。

はやく、あたりまえの日常を一緒に暮らせるようになりたいね。


壁に耳ありジョージとメアリー。
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古賀史健

好きな世界観

心の琴線に響いたノートをまとめ。なんかすごく変なものが好きな私が超好きになる世界観。