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ワイルドサイドは歩きたくない。

へんなタイプの夢を見た。

ちょっとだけ親しい、という間柄の方々と一緒にカラオケに行く。なんとなくの流れからトップバッターを引き受けることになったぼくは、どういうわけだかルー・リードの「ワイルドサイドを歩け」を入れている。印象的なベースラインの流れる中、マイクを手に取る。低い音程に声がつぶれ、しかも暗く、歌詞もしっかり憶えきれていない歌。ちっとも盛り上がらないまま、ああ、おれはなんでこんな歌をセレクトしたんだろう、なんでこんないたたまれない空気の中、最後まで歌おうとしてるんだろう、誰か止めてくれないかな。と思いつつ懸命に歌詞の字幕を追いかけている、そんな夢だった。

できもしない仕事を安請け合いする自分への戒めなのだろうか。

そういえば糸井重里さんは、よく似たタイプの夢として「舞台に上がって浪曲を歌うことになっちゃった夢」を見るのだとおっしゃっていた。


糸井 浪曲のさ、出だしの「妻は夫をいたわりつ……」なんかは知ってるんですよ。それで知ってるつもりで引き受けちゃったんだけど、「そのあとなに?」って(笑)。

加藤 うわー。

糸井
 これからぼくがやる失敗って、たぶんこればっかりだと思うんです。だから、引き受けないようにしています、極力。そりゃね、専門じゃないところでいい気になってしゃべってた時代も、みなさんと同じようにあるんですけど(笑)。

加藤 ははは、痛てててて(笑)。

糸井 だから、ぼくはいってあげます。「お前、それは浪曲だぞ」と(笑)。


cakes「糸井さん、ぜんぶ聞いてもいいですか?」より

ああ、そうか。

ここまで書いて思い出した。

たしかに先週末、あからさまな浪曲というか、もう「ワイルドサイドを歩け」そのまんまなお仕事を引き受けちゃったんだ。


立場上やらざるをえないとはいえ、苦手なタイプの仕事ってありますよねえ。