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落語がいて、音楽がいて。

ぼくが尊敬する方々のなかには、落語ファンが多い気がする。

そして落語が好きな方々は、たいてい好きな落語家のレコード(CD)を聴くのだという。あるいは、むかしはラジオで落語を聴くことが多かったとも、おっしゃる。うーむ、そうかあ、と思う。ぼくもいくつか落語のDVDは買ってみたけど、CDで聴くというのは少しハードルが高そうだなあ。映像があったほうがわかりやすそうな気もするし、集中して聴かなきゃいけない気がして、ちょっと腰が引けちゃうなあ。

と、そんなことを思っているときに、はたと気づいた。


これって音楽とおんなじじゃん。

音楽大好きっ子だった10代のぼくは、少しでもお金ができると中古レコード屋に走り、投げ売りされてる名盤たちを片っぱしから聴いていった。大好きなミュージシャンであればスピーカーの前で正座をするようにして聴き、そうでないミュージシャンの場合でも、本やマンガを読みながらそれぞれのアルバムを聴き、部屋のなかには一日中、音楽かラジオが流れていた。出かけるときも学校の休み時間も、パチモンのウォークマンでずっと音楽を聴いていた。

たぶん、いまの10代に「レコードやCDを買ってきては、スピーカーの前で正座をするようにして聴いたものだよ」みたいな話をしても、ぜんぜん通じないんじゃないかと思う。「1時間もじっと音楽聴くなんて、退屈しそう」とか「無理ゲー」とかいわれるんだと思う。聴くんだったらYouTubeの映像付きじゃないといやだし、せいぜい1〜2曲しか耐えられない、そんなことをいわれるんだと思う。


いやー、ビーチ・ボーイズのスタジオライブ盤『PARTY!』が、1965年の昨日(11/8)に発売されたというツイートを見て、このアルバムはたくさんのひとに聴いてほしいなあ、と思ったんだけど、音楽の聴き方もいろいろ変わってるんでしょうね。

落語でも音楽でも、変わらないのはライブの魅力だけ。

という理屈はわかりやすいんだけど、なーんかね。「アルバム」というか、「音盤」ならではのおもしろさも絶対あるんだけどなあ、と思うのです。

まずはぼく自身が落語のCD買ってみよう。