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幡野広志さんの新刊によせて。

たいせつな本が、刷りあがってきた。

写真家の幡野広志さんによる『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』だ。糸井重里さんからご紹介を受け、幡野さんとはじめて会ったのが去年の7月。そこからともに、たくさんの方々のご協力を得ながら本づくりをすすめ、一年近くかかってようやく来週の5月28日、店頭に並ぶ。

幡野さんの思い、幡野さんの問い、そして幡野さんの答えが、たくさんの人たちに届いていく。

この本についてぼくは、ぼくの立場であまり多くを語る必要はないと思っている。これから手に取るであろう人たちに、よけいな先入観を与えたくないと思っている。なのでここではひとつだけ、タイトルについて語りたい。

今回の『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』というタイトルは、幡野さんの手によるものだ。「選ぶ」とは、なにか。「ぼくたちが選べなかったこと」とは、なにを指すのか。「選びなおす」とは、どういうことなのか。道標のように立てられたこのタイトルが、しずかなこころの旅に誘ってくれる本だと、ぼくは思っている。


きのう見本用の本が刷り上がってきて、まわりにいる幾人かの人たちに読んでもらった。読了後、みんな自分の話を語りはじめ、この本を読ませたい人たちの話を語りはじめてくれた。


幡野さんは、日々進化している。去年の幡野さんより今年の幡野さんのほうが何倍もおおきく、何倍もつよい。ご本人にプレッシャーをかけるつもりはないけれど、投げるたびに大会新記録を更新する砲丸投げ選手のような凄みが、いまの幡野さんにはある。そんな幡野さんの変化を追っていくのに、「本」という媒体はいかにも鈍重で、じれったい。

じゃあ、「本」はいらないのか。

今回の本では、「本にしかできないこと」がかたちにできたんじゃないかと思っている。ひとりの読者として「これが、本だ」と思えるような一冊が、いまぼくの机に置かれている。そんな本の制作に関わることができて、ほんとうにうれしい。

そしてはやく来週になって、たくさんの人たちに届くことを願うばかりだ。

昨年公開されたこの対談の第5回(下リンク)のなかで、幡野さんが本作にかける思い、その経緯などを語られています。ぜひご一読ください。


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鬼にカネボウ。
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古賀史健

ライター。バトンズ代表。著書・共著「嫌われる勇気」「古賀史健がまとめた糸井重里のこと。」「20歳の自分に受けさせたい文章講義」など。週日更新しています。http://www.batons.jp

古賀史健(2018)

古賀史健の note、2018年分です。
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