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本日は晴天なり。

昼食のため、いつもより少し遠くまで歩いた。

どうしても食べたい料理があったわけではない。あのお店このお店をめざして歩いたのではない。ただ天気がよく、あたたかかったから、ついつい坂道を登った先、汗ばむ距離の大衆中華まで歩いていったのだ。念のため天気図を見たところ、沖縄はあいにく雨が降っているようだけれど、それ以外は全国的に晴れているみたいだ。

雨といって思い出すのはロンドンだ。むかしからロンドンは、「霧の都」と呼ばれている。濃霧に包まれた、幻想的な都市。その霧に身を隠すようにして、探偵やら、スパイやら、幽霊やらが行き交う、ミステリー小説的な舞台。ぼくはむかし、それを嘘だと思っていた。かっこつけているのだと、勝手に決めつけていた。なんといっても国際都市。そんな霧や雨ばかりのはずがなかろう、ふつうに晴れの日もたくさんあるのだと思っていた。

ところが以前、ロンドン在住の日本人にその邪推を振ったところ、ほんとうにロンドンは霧の都なのだという。霧に包まれているというより、いつだってどんより曇り空で、ほとほと気が滅入ってくるのだという。彼は言う。ロンドンに住みついて数年経ったのち、鬱的な症状を自覚するようになった。最初は慣れない海外生活のせいだと思っていたのだが、最終的にはそれが曇天によるものなのだと思い至った。これは同席していた別のロンドン在住日本人も「そうそう、おれもだよ」と同意していた話なので、あながち気のせいとはいえないのだろう。そして彼ら(というかロンドン人の多く)は、晴天の日が訪れると用もないのに外に出て、うろうろ歩いて陽の光を浴びるのだそうだ。あたかも太陽光を充電するかのように。

最近東京では雨が続いていたし、この週末もまた雨が降るみたいだけど、もうコンビニとか自販機まで行くだけでもいいから、きょうのうちにおひさまを浴びておきたいですねー。おれも歩けば陽にあたる、ですよ。