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ただただ、おなかを壊しているだけの話。

きのうの夜からどうも、おなかを壊している。

帰りしなに食べたラーメンが悪かったのだろうか。深夜に目を覚まし、あわててトイレに駆け込むほど見事に、おなかを壊している。今朝になっても腹の虫は収まらず、それ用の薬を飲み、出社後の駅で再びトイレに駆け込み、いまもなお不安なおなかを抱えながらこれを書いている。


風邪を引いて薬局に行くと、まことに風邪薬というやつは日進月歩だなあ、と思う。毎年のように新商品が発売され、チェーン店ごとにプライベートブランドまで登場し、鼻のひとにはこれ、喉のひとにはこれ、眠くならないのはこれ、一日二回で済むのはこれ、などと症状や用途にあわせて多彩な商品が取りそろえられ、その姿はどこかコンビニエンスストアの即席ラーメン棚を思わせるものがある。

これは風邪薬にかぎった話ではなく、解熱鎮痛剤だって、胃薬だって、目薬だって、あるいは湿布の類いだって、なんでもそうだ。製薬会社のひとびとよ、ありがとう。ありとあらゆる医薬品は、彼らの不断の努力によって日々進化を続けている。


が、しかし。

ぼくの不見識・不勉強だったらごめんなさいなのだけど、おなかを壊したときに飲む止瀉薬って、ずーーーっと昔から正露丸の一択ではないだろうか。いやいや、ぼくだってドラッグストアめぐりを愛好する現代人のひとりとして、新興勢力であるストッパ下痢止めのことは知っている。試しているし、その緊急避難的な効果も実感している。けれども糖衣錠となり、あの独特の臭気を閉じ込めることに成功した正露丸の汎用性と優位性は、まるで揺るがない。なんだかこれは、とんでもない話だと思うのだ。医薬品界のビートルズか、きみは。


……と、おなかの不安にまかせて書いていると、こんなどうでもいい話にしか着地せず、かといってここからおもしろい話に急旋回するには相当のドライビングテクニックが必要で、腹を痛めたぼくにその力はない。

こういうことしか書けないときにほんと、有料の定期購読日記とかにしていなくてよかったなあ、と思いますね。「金返せ!」って責められるおぼえのない場所、ほんとうにありがたいです。