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ついつい子持ち女性ばかり採ったら大変なことになった。

 時系列を気にせず、思いついたことから書いていくことにしたのであしからず。

 事業開始から2年目、帯広市からガイド育成の委託を受けた。雇用対策事業だったため、予算の半分以上は人件費に使わなければならなかった。人を採用するという人生で初めての経験をさせて頂いたことに、感謝しかない。兼ねてからの願いであった、子どものいる女性にとって働きやすい職場にしたいという想いを実現させるべく、どんどん子育て中の女性を採用した。

 みんな、素晴らしく優秀な人たちだった。でもある時、職場の雰囲気が少し悪くなっていることに気が付いた。

 子育て中の女性のフォローが、子どものいない人に偏っていた。

 そしてそのフォローをしようと、私もまた苦しくなっていった。自分が子育てと仕事を両立したくて始めたのに、本末転倒になりかけていた。
 そして私は気がついていった。子どもがいるからと、当然のように権利を振りかざしていたから、前の職場で気持ちよく過ごせなくなっていったのだと。私にとって大切なものを、あなたも理解すべきと、価値観を押し付けていたのだ。

 それから、私が心に決めたのは次のふたつだ。

子育て中の女性1人に対して、そうでない人2名以上の割合にする

 根拠はない。肌感覚だ。フォローが必要だということを認めることが大切だと思っている。その前提で、みんなが無理なく過ごせる割合が、この1:2なのだと考えた。だから、以降は私(子どものいる女性)に対して2名のスタッフ、それ以上の規模になるまでは子どものいる人を採用しないと決めた。

 始めたばかりの小さな会社で、子育てママに限らず、全ての人が気持ちよく働ける環境を整えるためには、どちらかに偏ってはいけないのだ。本来は子育てしてようがしてまいが同じように働けるのが理想なのだが、残念ながら現状がそうでないから仕方ない。誰かの犠牲の上に成り立つ仕組みは気持ちが悪いから、今できるのは、良いバランスを見極めていくことだと思っている。

 今ではスタッフも増え、子育て仲間が2名になった。一人はママ友だった。参観日で出会い、仕事に対する姿勢に感激してリクルートした。彼女は週2回半日程度の勤務だけれど、想像通り、働くことの喜びを社内に拡散してくれている。
 もう一人は、大学時代の同級生の牛女子だ。専門性家がうちの賃金で働いてくれるなんて申し訳ないくらいだけれど、二人のやんちゃな息子を抱える彼女は働ける事が嬉しいと喜んでくれている。

 立場や背景の異なる人が気持ちよく働ける環境については、日々模索中だ。大切なのは、それぞれの立場に立って考えることだと思っている。

子育て中の人にとって大切なのは子どもや家庭。だったら子育てしてない人にとって大切なこともみんなで大切にする。

 私の右腕ユミちゃんにとって仕事と同じくらい大切なのがライブだ。私は音楽はわからないので理解できないけれど、大切な彼女が大切にしているものは、私も大切にしたいと思った。

 そしてできたのが、ライジングサン休暇。

 その名の通り、彼女が例年8月に石狩市で開催されるライジングサンロックフェスティバルに参加する権利を、社員一度応援するという制度だ。夏休みが売上の中心のいただきますカンパニーにとって、それは本当に大変なことなのだけれど、子どもが熱を出した、学校行事だと言っても何一つ嫌な顔をせずに送り出してくれる彼女に、私がしてあげられるせめてものお礼だと思っている。

 カヌーが好きな左腕のキョーコさんにはカヌー休暇をあげたいし、山登りが好きな新人には山岳休暇をあげたい。年休という権利はあるものの、なかなかきちんと取らせてあげられないのが現実。お給料も少ないからなおのこと、できる限りのことはしたいと思っている。二人の特別休暇、早く設定しないとね。

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 さて、あと10分で石垣空港に到着。
 機内は、ファミリーやカップルなどウキウキした人たちで満席だ。
 今晩はやっぱり八重山そばかな。

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