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旅立った推しが尊すぎる件。

この記事は、小林裕紀選手が名古屋に来てからのことを振り返り、推しの尊さ(と、私の面倒くさい思いや気持ち悪い愛情)を私自身が再認識するものです。たぶん長い。絶対に長い。

私は、名古屋グランパスが大好きだ。

そして、小林裕紀選手が大好きだ。

2019年8月、小林さんは、大分トリニータに移籍した。小林さんが在籍していた約2年半は、そんなに長くないけどとにかく濃厚で、私の人生になくてはならない宝物になった。

ちょっと前から覚悟はしていたはずなのに、「納得のいく選手人生を送ってくれればいい」「ピッチで戦う推しが見られるなら幸せだ」と、以前から思っていたのに、噂が出てから2日間「公式出るまで信じない」という呪文を唱え続けた。

公式からのリリースを見て、とてつもない寂しさと、小林さんが新たなスタート切ったことへのワクワクと…ポジティブとネガティブが混在して。

推しには輝いてほしい。できることなら、自分の大好きなチームで。

この願いは、半分叶って、半分叶わなかった。

Twitterを開いて、関連の呟きをちょっと読んでは目が潤み、公式リリースへのコメントをちょっと読んでは涙が流れ。ちゃんと読めるようになったのは、夜になってからだった。

気持ちがだいぶ落ち着いてから、INSIDE GRAMPUSの小林さんのインタビューを読んだ。かなり気持ちが落ち着いていたのと、たくさんのファミリーのコメントを読んで心を慣らしておいたのとで冷静に読むことができた…のは、途中まで。最後の方は、寂しい気持ちが込み上げてきた。写真の1枚1枚で、この2年半がどんどん蘇ってきて涙が止まらなかった。

そして、この人を推してきて本当によかったと思った。これからも推すのだけど。


小林さんとの出会い

2016年11月3日、名古屋グランパスのJ2降格が決まった。たくさんの別れがあり、まるで焼け野原のようになっていた名古屋。そんな名古屋に、名古屋のエンブレムを胸に戦うことを決断してくれた選手たちがやってきた。残留のライバルチームであり、残留を決めたチームのキャプテンであった彼も、その1人だった。

新体制発表会でのこと。「サポーターに何と呼んでほしいか」の問いに、新加入選手たちがそれぞれ回答し、客席からコールされるという、画面越しでは少しむず痒いやりとりがあった(現地組の感覚は違うかも)。

彼は客席からのコールを「せーのとか、いらないんで」と断っていた。その次の番のクッシーは欲しがった。客席も、画面越しの私も、大笑いした。


彼のファン対応が、ちょくちょくTLで話題になっていた。「塩」だと。時には、彼の対応について批判的な内容も目にすることもあった。わからなくもない意見もあったけど、「サッカー選手はサッカーで魅せてくれればいいのにな」と、なんとなく思っていた。

知らないうちに、そういう批判的な内容は目に入らなくなった。「らしさ」として受け入れられたのかな。彼のプレーや仲間との関係、ちびっ子へ向ける「デレ」を知っているから、それらの情報や笑顔の瞬間を見つけては喜んでたな、私。


楽なシーズンなんてないよね

2017シーズン第2節。彼は前半の途中で交代となった。それからしばらく、ベンチ外の日々を過ごすことになった。ピッチに戻ってきたと思ったら、彼はCBをやっていた。サッカーよくわからん民の私もポカーンとしたが、サッカー大好き民の旦那はその何倍もポカーンとした。

そんな貴重な(?)経験を経て、小林×田口という浪漫に辿り着いた。なかなかのジェットコースターなシーズンだったけど、なんとか昇格ミッションはクリアした。

2018年もかなりのジェットコースターなシーズンだったけど、残留ミッションもクリア。

どちらのミッションも、もちろん全員頑張ったからなんだけど、でも絶対に彼の献身的なプレーがなかったらダメだったんじゃないかと思ってる。

2019シーズンはなかなかピッチに立てず、時にベンチ外になっていた彼について、ファミリーは「不死鳥」と呼ぶことがあるけど、それはあの日々を見てきたからこそかな。


ちなみに、私が小林さんを推し始めた時期はハッキリとは覚えていないのだけど、とある素敵なファミリーさんが彼の横断幕を作るにあたってのTL上のやりとりを目にしてから、彼に注目するようになったことだけは覚えてる。あの横断幕をもう見られないことが、本当に寂しい。


お母さん…って呼んでもいいかな

彼は、とにかく走り回っていた。どこかでよくない状況になっていたら、とにかく駆けつけていた。子の様子を常に気にして、ピンチになったら駆けつけて助けてくれる母のようだった。「もう少しお母さんを楽させてあげて」と思わず口にしたことも何度かあった。

彼は、仲間たちにとても慕われていた。我々ファミリー(ちびっ子を除く)には見せてくれない笑顔を、仲間たちに向けていた。さらに、各所で彼の面倒見の良さについてのコメントが見られるようになり、プレー以外でも本当に名古屋に欠かせない選手になっているのだと嬉しかった。

そして、結局のところ彼もサッカー小僧なのだと、今やファミリーはみんな知っている。しかも、ヤンチャな部類の。そこがまたよいのである。


2018シーズン最終戦前に、彼のインタビュー動画が配信された。「ファミリーに対してついに彼が!」と、胸熱になったのと同時に、めっちゃ短いんじゃないかと心配にもなった。

途中から、(まだ終わらないのかなー)という心の声が聞こえそうな雰囲気もあったが、腕をポリポリかくなど落ち着かない感じもあったが、彼の残留への気持ちはしっかり伝わった。

試合終了後にぶっ倒れようとも、全力で後押しして、一緒に残留を掴み取りたいと思った。指定席だったけどね。

結果は、スタジアム内の全員が幸せになるという、奇跡の残留劇になった。


彼はとても賢い。

彼はとても努力家だ。

彼はとても責任感が強い。

彼は仲間をとても大切にするし、ファミリーのこともちゃんと考えてくれている。

ちょっと塩なのも、アンケートの無回答が多過ぎるのもご愛嬌。彼はちゃんとあたたかさを持ってるから、心配なんていらない。それに、彼が彼らしくサッカーを続けてくれるのなら、なんでもいい。


小林さんへ。

あの時、焼け野原のような名古屋に来てくれてありがとうございます。名古屋の男として、熱く赤く戦ってくれてありがとうございます。

ファン感の帰りにハイタッチするとき、私のユニが4番だと気付いて、小林さんがうっすら微笑んでくれて、最高に幸せでした。

前日の夜に参戦を決めた2018年11月のA広島戦。アウェイの洗礼(西日)が眩しすぎて、向こう側で何が起こってるかわからなかったけど、絶対に勝たないといけない試合で、きっちり点を取ってくれた小林さんに、涙が止まりませんでした。

ゴールを決めた選手に本当に嬉しそうに蹴りを入れる小林さんが大好きです。ちびっ子とサッカーする時に、大人として社会の厳しさを教える容赦ない小林さんも大好きです。

背番号が4になった理由を、「チームに言われたから」だと淡々と答える小林さんも最高でした。

3分出場したからスリーピースで写真に写った小林さんも、推しメンコンテストの写真で体が正面向いてなくて、目線も合わせてくれなくて、そのくせ満面の笑みでファミリーのハートを盗む小林さんも大好きです。

当初は無表情に見えた写真も、今では「穏やかだ」とか「嬉しそうだ」とかわかるようになってきました。…いえ、妄想なんかじゃないですよ。

いつの日かグラスタに出てくれるんじゃないかと1ミリぐらい願ったこともありました。やっぱりなかったですね(笑

小林さんの献身的なプレーに、我が家のロボット掃除機の動きを重ね合わせて、掃除機を「コバヤシサン」と名付けました。なんとこのコバヤシサン、我が家から移籍しないんですよ。

オリジナルグッズを作りたくなって、平成から令和に変わる瞬間、私はひたすらお裁縫してこれを作りました。…え、気持ち悪いですか…?

名古屋が好きになって、好きが大好きに変わったのは小林さんがいてくれたからです。小林さんのおかげで、こんなに充実した日々を送れています。嫌なことも、なんとか乗り越えて頑張っています。

小林さん、名古屋に来てくれて本当にありがとうございました。次は大分で、思う存分サッカーを楽しんでください。仲間とともに熱く戦って、トリサポさんの胸を熱くしちゃってください。

名古屋との時はお手柔…なんでもありません。

たまには名古屋に遊びにきてください。もし叶うなら、もう一度熱い赤い男になってくれたら嬉しいな。

これからも、ずっとずっと応援しています。怪我には気をつけて、素晴らしいサッカー人生を!!


これからのふみまろ

名古屋に小林さんがいないのは寂しいけど、でも小林さんには自分のサッカー人生を全うしてほしい。大分×鹿島戦をDAZN観戦してて、「やっぱりサッカー選手はピッチで戦ってなんぼだな」と。推しが戦う姿は、やっぱり最高だった。

推しには輝いてほしい。たとえそこが、自分の大好きなチームでなくても。


せっかくこんなにも大好きになったので、私はこれからも小林さんを推していくことにした。名古屋ももちろん大好きなので、そちらとの兼ね合いもあるし、お金や時間や体力とも相談しながらだけど。

「これからもグラファミでいるけど、小林さんのサッカー人生を、自分のペースで追いかけてみようと思うんだ」

ダンナ氏に宣言してみた。最初は驚いていたけど、いろんなバランスを考えて無理しないなら…とオッケーをもらった(はずだ)。

ちなみにダンナ氏は、小林さんの移籍が確定した時、こらからの名古屋を心から心配しつつも、

「門出を祝って今夜はパーティーしよう」

と言ってくれた。泣いた。


グラファミさん、これからも一緒に応援させてください。

トリサポさん、小林さんをよろしくお願いします。私も時々ホームやアウェイに応援に行くので、色々と教えていただけると嬉しいです。



小林さんのこれからのサッカー人生に、幸多からんことを🍀