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八百屋の日

私は古着屋なのにお店はGREEN GROCERY STOREと言って日本語訳は八百屋。大嘘つきである。非常にわかりずらい。お店を始めるときに自分がやる意味は何か。今自分がお店を作る意味は何かを考えたときに商店街が消え大型商業施設に変わり店主との会話で成り立っていた商売が減少し暖かい昭和の雰囲気の買い物が途絶え始めていると気づいた。八百屋に行けばおじちゃんが、「今日は良い大根が入ってるからこれでぶり大根なんかうめぇーぞー」って教えてくれてお母さんが買っていく。そんな光景があった。今は大きなスーパーでそれを体験することはない。それって大きな付加価値だし、普通に買うより確実に良い買い物である。

そんな事を思って今自分がやるならあんなお店を残したい。そう思って僕にとっての商店街の象徴だった八百屋という名前で古着を売っている。八百屋について調べたところ、元々はなんでも売っているとかヤオロズという日本独特の習わしから来た言葉でもあり、古着屋だけどゆくゆくは自分が良いと思ったものは何でも置いていきたいという気持ちもあったので、なんかしっくり来たわけである。

市場で撮影

八百屋の日、すなわち8月8日。毎年この日を当店の特別な日と捉えイベントを開催していたがコロナでここ2年何もやれていなかった。僕のお店はいわゆる初売りや周年のイベントはやらないので年間通して唯一この日が特別な日。初売りは自分がお正月は休みたいし、周年は何だかやる意味を感じなくてそんな風になっていった。そこで今年はコロナも落ち着いたようでまだ乱高下を繰り返している中でいろんな方々を呼んでどうこうというのはリスクがあったので一人でやる事に。

なのでしっかりロケをして撮影をし宣伝をかけようと思い、八百屋の日にちなんで八百屋さんの前での撮影をと思ったが流石に迷惑極まりないので、どうしたものかと考えていたら友人に市場とかどうだろうと案を頂きそのまま市場に電話。祖父との思い出の場所でもある。小さい頃興味津々でよくついて行った。その市場。話していてもこいつは何を言っているんだろうと思われ続けたが熱く自分の想いを熱弁。誰であろうと気持ちは伝わるだろうと電話口のおばあちゃんに長々と想いをぶつける。上に聞いて折り返します。との事で数時間後責任者の方から折り返しを頂き快く快諾して下さった。

このロケーション

どうでしょうかこの圧巻のロケーション。素晴らしいです。八百屋として当店の古着たちが非常にマッチするのは容易に想像できました。ちょうど市場も波があるようでお願いした時期は少し落ち着いている時期で今なら12時からならいいよとの事で日中撮影に挑んだが着用するのは秋冬もので着れたものじゃなく兎に角暑い。何パターンか着用を頑張った末、物撮りに切り替えて何とか時間内に撮影を終える。

ネギの箱

撮影は一人で三脚を立てていつもの様に自撮りスタイルで行った為、様々なカットが撮れず、たとえば全身を撮ったら全てその距離でしか撮影が出来ないため、着用した寄りの写真など撮れる余裕はなく撃沈。そこが一人だと本当に大変。でもいつもお店ではそうやって一人でやっている。でも良い写真が撮れたしやっぱり背景は本当に大事だなといつも思う。お店で撮り続けていても新鮮さに欠けるし、今やSNSのみが集客装置になっている以上ここに時間を費やさない手はないわけで、とは思いながらもなかなか出来ない事である。

こんな感じの物撮り

そうこうして開催の三日前から連投を開始。延べ30枚位投稿した。逆に見られないやつです笑 でも創業以来初の開店前の並びが出来て駐車場は満車からのスタート、8月6,7,8日の三日間での開催としたんですが連日ともオープン前に待っていてくれるお客様がいらっしゃいました。今までこんな事なかったので本当に感謝です。しかもこんな田舎町の何もないところに目掛けて来て下さるという事が本当に嬉しいです。こんなご時世の中、こちらとしては本当に不安な日々で趣向品である古着を買って着てくれる人がどれくらいいるだろうかと、自分がやっている商売は成り立つのだろうかと、このコロナ禍になってずっと考えています。

そんな悩みも吹き飛ばすかのようなお客様の熱を受けて三日間無事に終えることが出来ました。でもこうして何か開催するといつもその前後がすごい暇になるんです。お店には良い商品も残っているし入荷もしているんですが何だかいつも下火になる。そこの設計がいつも出来ていません。どうしてもこうなってしまう。そこがいつも難しいなぁと思っています。お盆だしな。今日もゆっくりいきたいと思います。

いつも遠くまでありがとうございます。

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