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麻雀プロとしての致命傷

「もっとSNSやった方がいいよ」

この言葉を今や4000人近くいると言われている麻雀プロの中で1番言われてきた自信がある。
3年前、麻雀プロになってすぐの静岡支部会議で前支部長の望月雅継プロが言ってた、「これからはSNSの時代だから、力を入れていかないと生き残れないよ。」
麻雀強くなりたい、強い人とやってみたいという思いで連盟に入会した当時の僕はポカーンとしていた。その時やっていたSNSはLINEだけだった。3月の支部長の言葉もむなしく、僕がTwitterを始めたのは8ヶ月後の11月だった。

11月といえば?そう、王位戦だ。コロナ禍の影響でオープンなタイトル戦だが、プロのみが参加できたはずだ。最下層の地方プロ予選である王位戦静岡予選を僅差で勝って本戦出場を決めたタイミングでようやくSNSを始めた次第である。我ながらすごく小心者な気がする。
歴史の通り僕はその勢いのまま、決勝まで勝ち進み、鳳凰位であり、麻雀界最強の呼び声高い佐々木寿人プロを倒して王位戦で優勝してしまった。快挙である。そのすごさに分かっているようで分かっていなかったかもしれない。今後数百年塗り替えられない偉業を達したと今は本気で思っているけれど、当時盛り上がりを見せたのは日本プロ麻雀連盟静岡支部と僕の働いていた麻雀店と実家だけだった気がする。

あれから2年、今はどうだ?麻雀が強くなった、弱くなったという話じゃない。プロ1年目でG1タイトルをとったすごいやつの影すら感じられない。麻雀ファンの方はもちろん、僕の後から入った後輩の連盟員ですら、第46期王位渡辺史哉のことを知らない人の方が多い気すらする。王位戦の後にグランプリMAXの決勝もいってる、チャレンジマッチで下剋上を果たしてモンド杯にも出演してる、放送対局で役満もアガってる。誰もが羨む麻雀プロに俺はなってるのか?残念ながら答えはNOだ。



こんなはずじゃないんだ。悔しい。麻雀で負けることも悔しいけど、自分の存在が世間に広まっていないのが悔しいし、このままでいいのか?いいわけない。

でも、原因は当の本人である自分が1番分かってる。自己発信が圧倒的に弱い。セルフプロデュースの力が絶望的に弱いのは麻雀プロとして致命傷だと最近は身に染みて感じる。虫歯の歯に氷水くらい染みてる。痛い。

悪いのは自分のことを知ってもらう努力をしていない自分自身で、麻雀プロやってるんですねと言ってくる人でも、得点記録用紙をG1タイトルホルダーに書かせる連盟の後輩でもない。自分がこれまでサボってきたのが悪い、自業自得だ。人見知り?関係ないね。売れてない言い訳がしたいだけだ。

それでも先週くらいまでは、また新しいタイトルを取れば注目されるだろうと思っていたが、その考えは辞めようと思う。自分の実力じゃもう優勝できないと思ってるから?違う。若獅子戦で負けて戦意喪失したから?違う。『優勝したとて、注目されるのは一瞬だけだから』だ。僕がその事実を1番間近で体験したからこそ、怖い。もし仮に何かのタイトル戦で優勝したとして、今と変わらない態度で生活していたら、間違いなく何も変わらないと確信している。

長くなりましたが要点をまとめると、これからSNSがんばるということです。自分のことをもっと多くの方に知っていただけるように努力します。口だけではなんとでも言えるので、目標を明確に。あ、そういえばフォロワー数は戦闘力だって中支部長が言ってたな。まず、最初の目標はライバルであり、先輩であり、友達でもある岡崎涼太プロのXのフォロワー数を超えることを目標に頑張ってみようと思います。

僕にSNSをもっと活用した方がいいとアドバイスしてくれた100人の先輩方、大変遅くなりましたが、そのアドバイス実践させていただきます。

みんなが応援したくなる麻雀プロを目指して、麻雀も自己プロデュースも頑張っていこうと思います。よろしくお願いします。

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