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087 メロウな時間

「秋はメロウな時間」と言ったのは、アイルランドの詩人William Allinghamだったと思います。朝起きたときのやわらかな光、空は澄んでいながらどこかかすんだような風景。音楽は元気なものよりも、ゆったりとしたメロディを聴きたくなります。

すいすいとさむくなってきて、もう季節はすっかり冬。窓の外は、きっと冷たい風が闊歩していることでしょう。でも、このあたたかな日差しを感じるうちは、もう少しだけ秋だと思っていたい。そんなことを朝のベッドの中で思っていました。

あ、今日もスープを作らなくちゃ。

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健康診断で、昨年よりも体重がすこし増えたことを知って、人生初のかるいダイエットをはじめました。私は、中学生のころから身長も体重もほとんど変わったことがなくて、太りにくい体質なのかな?なんて自惚れていましたが、そんなことはありませんでした。会社の近くにあるおいしいパン屋さんに通ったのがよくなかったのかしら(ポイントカードはたまりました)。休憩時間にミルクティーを飲んでいたのがよくなかったのかしら。会社で出会う人たちにいただくお菓子をもりもり食べていたのがよくなかったのかしら(みなさん、私がチョコレート好きと知っていて、おいしくて魅力的なチョコレートをくださいます)…。

思い当たるふしがありすぎて、健康診断の後は一人反省会をしました。
健康診断の日は朝食をとってはいけないと言われていましたので、健康診断後に食べようとKALDIで売っている「ふところもち」を持参していましたが、食欲激減、会社の人にあげました。(渡したときに「なんで餅を持ち歩いてんの?侍?」と言われました)

これも全部秋がわるいんだわ、と思いました。
おいしいものがたくさんあって、さわやかな風が食欲をそそります。
気持ちのいい空が広がっていたら、オープンカフェに入りたくなります。
からりとした冷たい空気は、あたたかい飲み物(あまいもの)が飲みたくなります。
実りの秋。食欲の秋。そりゃあ太ります。

ですが、そんな甘えたことを言っている場合ではありません。

健康診断翌日から、とりあえず毎日のお夕飯をスープとサラダにしてみることにしました。

スープのレシピ本とサラダのレシピ本をひっぱりだしてきて、ぱらぱらと見てみました。私が購入したレシピ本のはずなのに、初めて見る(気がする)メニューがずらり。お野菜たっぷりのコンソメスープにトマトスープ、和風カレースープ、帆立の缶詰とレタスの中華風にきのことわかめの醤油スープ、白菜と鮭の塩麹スープ、ごちそう味噌汁…。なんともおいしそうです。個人的にはクリームスープが大好きなのですが、ダイエット館店から今はぐっとがまん。しかしバリエーション豊かで飽きない気がします。
サラダはもともと大好きで、チョップドサラダをよく作っていたので、そちらをメインで作ることにしました。

スープとサラダ、どちらも朝作っておいて、夜に食べます。
ゆるゆるとした明るい時間に音楽をかけながら頭の中をからっぽにして、とんとんと具材を切っていくのはなかなか楽しいものです。

スープは、出来立ての朝と寝かせた夜でにおいが少しちがいます。
朝はフレッシュなにおい、夜は豊かなにおい。
時間がにおいと味を熟成させてくれます。

プチダイエットを始めて十日ほど過ぎました。
心なしか、朝起きたときの体が軽くなったような気がします。
もしかして順調なのでは?とうれしくなり、体重計に乗ろうかと思いましたが、うちには体重計はありませんでした。次に実家に帰るまでおあずけですが、なかなか良い感じだと思います。

ほっこりスープにさっぱりサラダはまだまだ飽きていません。それどころかまだ作ってみたいレシピがたくさんあります。

ことこととスープを煮込みながら、野菜をきざむ。
ときどき窓をあけて外の空気を吸う。一年のおしまいに向かうメロウな季節。
しみじみといい季節だなぁと感じる時間です。

そして、プチダイエット、楽しんでつづけてみようと思います。

今回も、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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