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日本再興戦略 第4章〜 レビュー

前記事の続きを書いていきます。

日本再興戦略
第4章からです。

ここからは今の日本の現状はどういうものでこれから日本がどういう戦略を取っていけばいいのかが具体的に書かれています。

多くの人は
今の日本の人口減少、高齢化は社会的に深刻な問題だと考えている方が多いと思いますが、落合さんはこれを大チャンスだと言っています。

その理由を3つあげています。

1つ目は、
自由化、省人化に対する、「打ち壊し運動」が起きない事

2つ目は、
輸出戦略

3つ目は、
教育投資だと言っています。

簡単に説明すると、
1つ目については、
日本は今労働力も著しく減ってきていて、労働力が足りない状況だから、その足りないところをAIが補完してくれる。
労働力が圧倒的に足りない状況だと、誰かの仕事を奪うとかいうネガティブな発想にはなりにくく、テクノロジーが受け入れられやすい。
ということを言っています。

バリバリ人口が増えていて、労働力も有り余っている時に、
ロボットが仕事出来るようになったから代わって
となったら、多くの人は反発しますよね。

1つ目は人口減少によりテクノロジーを導入しやすいよね。
ということです。

2つ目は、そうやってテクノロジーを導入していき
人口減少、少子高齢化へのソリューションが確立されると、そのノウハウを他国に輸出出来るよね。ということです。
この観点から見ると、世界で一番初めに人口減少、少子高齢化社会がくるのは大きなチャンスであるということになりますよね。

3つ目は、教育投資。
僕はここが一番大事だと思っています。
人口が減少しているということは、相対的に大人の数が多くなり、子供の数が少なくなる。

→社会全体として子供の価値が高くなり、子供に投資をしても、不平が出にくくなる。
それ故子供に対して多くの教育コストをかけることが出来る。

このチャンスを生かすも殺すも日本人一人一人の意識次第です。
子供への教育投資が一番リターンが大きいという事を理解できるかどうか。
僕はこれから日本人のこの理解度が大事になってくると思います。

また地方創生については、
「もし自動運転を過疎の地方でうまく活用することができれば、人間の運搬と輸送の問題を解決して、地方は生き返ります。働けなくなった高齢者が動くことができるようになるだけで、高齢化社会における問題の半分は片付きます。」

と本書で言っています。

なるほど。具体的でわかりやすい。

テクノロジー嫌いの人、いわゆるテクノフォビアにはこのように具体的な例を示し、機械導入の利点を説明するという姿勢は重要ですよね。

次にトークンエコノミーについて

「今の財政の仕組みは、産業を誘致したり、育成したりして、それがうまくいったら、税収が増えるという順序です。後手でしか動けないモデルです。」

そのモデルを変えることが出来るのがトークンエコノミーなのです。
トークンエコノミーによって先行投資型になるのです。

具体的には
トークンエコノミーによって、
先にお金をもらって、そこから産業を興していくという今までとは逆のサイクルになるということです。

これは沖縄とか北海道が非常に相性がよさそうですよね。

こうやって地方が自立していけば、国家としても地方交付税をあまり払わなくてもよくなるので、誰も損しません。

ブロックチェーン技術含め仮想通貨がこれからどうなっていくかはとても楽しみです。

またこういう技術が普及するとAppleやgoogleなどのカリフォルニア帝国の覇権が崩れていく事にもなる。

なぜなら、トークンエコノミーつまりブロックチェーン技術とは究極の中抜きであり、プラットフォームというものが必要ないからです。

現在アプリを課金してインストールするとAppleが3割取っていっています。これはいわば仲介手数料です。
Appleがプラットフォーマーだからこんなにも法外な割合をとっていっているのです。

この現状を変え得るブロックチェーン技術には今後要注目です。

「ブロックチェーンの本質は、非中央集権であり、コードによるガバナンスであり、受益者負担です。」

簡潔で痛快な言葉ですね。

今後の仮想通貨の行方にはこういう観点も含めて見ていくとおもしろいと思います。

まとめると
第4章は、
人口減少、少子高齢化にどう対応していくべきか。
トークンエコノミーによって日本はどう変わりうるのか。
ブロックチェーンの技術で実現する世界はどういったものなのか。

といったことが書かれています。

続いて
第5章にいきましょう。
第5章のテーマは政治です。

この章では僕が特に印象に残ったことについて書いていきます。

それは自衛について

まずは時代背景から。

日本は明治以降から昭和の70年間しか国防軍をもっていなかった。

つまり黒船が来航する明治以前は海に、戦後はアメリカによって、日本は守られていたのです。

この予備知識を、もっておくことは重要だと思います。
日本は国防という概念が歴史的にうすいのです。

ここらへんの話は、
猪瀬直樹さんと田原総一郎さんの共著

「戦争・天皇・国家 近代化150年を問いなおす」 

http://amzn.to/2E5ochd


に書いてあるので、興味があったら読んでみてください。

落合さんは、
日本は自衛軍は必要だという考えなのですが、

「これから日本では、明治維新の前の日本のように、国家よりも地方への帰属感が増し、国という意識が薄れていきます。その上、日本は新しいテクノロジーを世界に先駆けて取り入れることで、人口減少、高齢化時代の理想的な国にどんどん近づいていきます。すると、隣の国は日本がうらやましくなり、日本を占領したいと思いかねません。」
という理由からそのような考え方をしています。

国民一人一人の国という意識が薄くなってくると、中央政府の求心力が弱くなって、国防が弱くなりかねないと危惧しているのです。

そこで
「自動化」という手段によって
自衛軍強化をしようという提言をしています。

もちろん日本自ら攻撃することはなく、あくまでも自衛のためでのロボットの使用なのでそれは倫理的に許容されると主張しています。

僕は自衛軍までも自動化するという発想は全くなかったので、この主張を聞いたとき、ただただ驚きでした。
と同時にこの案はいいものなのではないかとおもいました。

自衛に対しては、人によってそれぞれ意見があるので、ここらへんは日本人一人一人が考えていきたい問題ですね。

続いて第6章のテーマは教育

教育は今僕がとても興味を持っている分野です。

新しい日本で必要な2つの能力を
ポートフォリオマネジメント、金融的投資能力だと落合さんは述べています。

これからの時代は、同じ仕事を定年までやって老後は年金で暮らしていくという時代ではありません。

「あらゆる人が、職業のポートフォリオを組みながら、暮らしていく」時代です。

具体的に言うと、
「複数の職業を持った上で、どの職業をコストがかさむ部門とするか、どの職業を利益を多く生む部門とするかをマネジメントしないといけない」時代です。

今の教育スタイルには、ポートフォリオマネジメントの観点が抜け落ちていると指摘しています。

これからは1つのことを専門家として活動する人は少なくなってくるので、
このポートフォリオマネジメント能力が必要であるというのです。

これは非常に納得です。

つぎに金融的投資能力についてです。

まず定義から。
「金融的投資能力とは、「何に張るべきか」を予測する能力です」

日本人は時代を読むのが苦手だが、この原因は1つのことしかやっていないためタコつぼでしかものを見られないからと指摘しています。

ではタコつぼにならないためにはどうしたらいいのか?
それは
「横に展開すること」

ただしこの時に注意すべきことは、まず一個の専門性を掘り下げて名を上げるほうがいいという点です。
そうすると、他の分野のトップオブトップに会えるようになるということです。

んーーーー。
理屈はわかるが、これは実践するのがとても難しいですよね。

まあでも
意識する事は誰にでも出来るので、僕は少なくとも意識だけでもしていきたいと思います。

落合さんは、この2つを教えるのは、高校が一番いいと考えています。

なぜなら、まだ判断基準の少ない高校生が、大学入試1つで自分の専門性が決まってしまっているのが現状ですが、この価値観を変えさせるためです。

「高校生で将来の進路を選ぶのは早すぎます。ポートフォリオ教育をして転職可能性を意識させるべきです。」

いやー、おもしろいし本当に的を射ているなと思います。

次に
英語力よりも日本語力という話。

「よく考えて、意味がわかる言葉でしゃべることは、英語を勉強することよりも重要になります。」
「複数の意味に取れる単語はなるべく使わない、文章を長くしすぎない」

なぜこれらのことが言えるかというと、
自動翻訳機能が格段に向上している現在、正しい日本語を使えさえすれば、正しい外国語になるからです。

日本語力をつけるための訓練として1つ具体的な方法が記されていたので紹介します。
「100字くらいの短文で、うまくまとめる訓練が必要です。Twitterは140字以内で書かないといけませんので、いい訓練になる。」

これは今から誰でも出来る訓練ですね。

日本語を正確に使う意識。これは非常に大切になってくると僕も思います。
言葉によってしか人生は創られないと僕は考えています。

第7章は
会社、仕事、コミュニティについて

ここはもう最後の落合さんの名言で締めたいと思います。

「ポジションを取れ.批評家になるな.フェアに向き合え.手を動かせ.金を稼げ.画一的な基準を持つな.複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ.あらゆることにトキメキながら,あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ.明日と明後日で考える基準を変え続けろ.」

本書の中の数えきれないほどの至言を生かすかどうかは自分次第です。
‘この本を読んで、何か1つでも意識や行動が変わるといいですよね。

僕もこれからブログを定期的に更新するというポジションを取っていきます。

日本語力を高めるという目的もあります。

このブログを読んで興味を持った方はぜひ買って読んでみてください。

日本再興戦略

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またweekly ochiaiもぜひ皆さんに見て頂きたいです。

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