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がらくたのように生きてます。誰かにとっての宝物になれますように。−−日常のおすそわけ−−

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最近の記事

大学の図書室で特に何もなかった1日。世界で一番穏やかな幸福がありそうな感じが、でも実は平凡なだけで何もない虚無感が、私は好きです。虚無感が在るという屁理屈すら空気に馴染む、そんな土曜の午前中でした。私に幸あれ。

    • [超短編小説]美味しくない、べっ甲飴。

      人は性質的に、人の痛みより、喜びに対する共感能力が低く出来ているらしい。人の悲劇は蜜に変わり、人の喜びはあくまで人の喜びのまま。全然、甘くない。 _____ワタシは、甘い蜜だった。 高校時代の記憶は、クレヨンの黒で塗りつぶされたまま。光に透かしてみても、その光景を見ることはできない。残酷で、悲惨な、乙女の社会。 卑劣で、圧倒的な、オナゴの世界。 スカートの裾は刃物の形に撫でられたまま、リボンは4つ目まで買い直して諦めた。 イジメたアノコが死んだ日に、ワタシはその味を

      • 腐った私のイメチェンで恋に落ちた可愛そうな君へ

        #あの夏に乾杯 インスタ映えするけど糞不味い料理と、地味だけど美味しい料理どっちがいい? きっと貴方は「インスタ映え」を選ぶのよね。だから私を選ぶのよね。でも、残念でした。本当の私はインスタ映えしない糞不味い料理なのよ。 蝉時雨の中、やたらと静かな公園で2人、出会いたくはなかった。白いティーシャツにジーンズのハーフパンツ。汗で少しだけ体に張り付いて、貴方の筋肉質な体の線を、自然と誇張する。その一方、このぼんくらは、ピンクの花柄ワンピースを着て早く貴方が話し出すのを

        • 見残しの君 [小説]

           初めて煙草を吸ったのは、二十一歳の誕生日のことでした。十九歳の頃から付き合っていた彼氏は、私の誕生日のたの字も思い出さないご様子でありましたし、こちらとしてもわざわざ「今日誕生日なんだけど、まさか忘れてないわよね」などと面倒な女みたいなことをする気にもなれなかったので、なんとなく彼氏の煙草に手を伸ばしてみたというだけのことでことでございます。何となく痛い女の、文字通り苦い思い出の一つなのです。  私は煙草に詳しくありませんから、それがなんという銘柄であったのか思い出すこと

        大学の図書室で特に何もなかった1日。世界で一番穏やかな幸福がありそうな感じが、でも実は平凡なだけで何もない虚無感が、私は好きです。虚無感が在るという屁理屈すら空気に馴染む、そんな土曜の午前中でした。私に幸あれ。