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【株式会社funakuのはじめの一歩#5】地域の「温かさ」と「リアル」に触れた住民インタビュー

〈登場人物紹介〉

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funakuの初めての地方創生事業。
塩竃プロジェクトのリサーチを任されたインターン生2人。
前回、塩竃に訪れたことでリサーチへの思いが変わりつつあった。
そして、塩竈のリアルを知るために、実際に塩竈へ向かい、地域の方々のお話を聞くことにした。

楽しみな気持ちはありつつも、正直、怖さや不安もあった。

「嫌な顔されないかな?」
「これで何も得られなかったらどうしよう」

しかし、このプロジェクトを前進させるためには失敗しても良いからやるしかない!
と覚悟を決めてヒアリング当日を迎えたのだった。


8月下旬の暑い暑い日、本塩釜駅に2人は降り立つ。

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インタビューの目的は、塩竈という地域のリアルを知ること。
そして馴染むこと。
ただ事前に決めた質問を投げかけるのではなく、会話形式で進めることにした。

なぜなら、直接話すことで感じられる「何か」を得たかったから。
だから、多少効率が悪くても、地域住民としっかり会話することが1番だと思った。

まずは、古くからの歴史がある「本町商店街」へ。
いざ話しかけようとするが、思っていた以上に緊張する。
なんて声をかけよう...?
15分くらい、誰にも話しかけられずに、ただ商店街をうろうろしていた。

勇気を出し、前回のフィールドワークでお会いした駄菓子屋を営むお母さんに話しかけてみる。

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受け入れてもらえないのではないかという最初の心配なんてまったく要らなかった。
駄菓子屋を受け継ぐまでのお話や塩竈への想い、お孫さんのことまで、本当に沢山お話をしてくれた。

その中で、お母さんは「商店街の役割」を教えてくれた。
駄菓子屋など商店街のお店は、子供たちがお金を払う練習をする場になっていたりと、教育の側面を持つらしい。
自分でお会計を計算することや、お金を払うかわりに商品を受け取るという経験。
もし間違えてしまっても、お店の人がゆっくり教えてあげられる。
チェーン展開のスーパーでは難しい、商店街ならではの、子供の成長を見守るような学校と家の間のような役割を教えてもらった。

お話の途中、駄菓子屋にはエアコンがないことに気付く。
お母さんはタオルで汗をぬぐいながら話をしてくれていたのだ。
地域で生きる人の姿を見て、話を聞き、改めてこのプロジェクトを行う実感というものが湧いた瞬間だった。

最後に、お礼として懐かしい駄菓子を買わせてもらった。
マーブルチョコと飴玉とガム。
「ありがとう。」と声をかけられてお店を出る。
なんだか温かい気持ちになったと同時に、机上では知りえないリアルを感じられた。

引き続き、商店街で、昔からある商店や魚屋、酒屋、おもちゃ屋さんなどを訪問する。
「若い人が来てくれるのが嬉しい。」と言ってくれて、
気付けば1人1人と40分くらいお話聞かせてもらっていた。

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大森商店の主人からは、帰りに、おみやげとしてジュースやお菓子も頂いた。
温かく受け入れてくれたのが本当に嬉しい。

商店街の方々には、ここには書ききれないほど、たくさんのことを教えていただいた。
そうして感じたのは、全員が本当に商店街のことを大事に思っているということ。

同時に、後継者問題の話も印象に残った。
「後継者が見つからないのではなく、継いでほしいと言えないことが悩み」という声があったのだ。
この先の安定を保証できないため、お店を残したいけれど「継いでほしい」と言い出しにくいらしい。
自分が主観的に抱く地域の価値と、客観的に見た価値が一致していなくて苦しんでいるように思えた。
話を聞いていて、すごくハッとさせられたし、もどかしさも感じた。

その後も、商店街だけでなく、本塩釜駅や鹽竈神社周辺でもお話を聞いてきた。

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1日中様々な場所でインタビューをさせてもらい、夕方頃、無事に終えることができた。

帰りの電車の中で、インタビュー前後でプロジェクトに対する想いが変わっていることに気づく。
”課題解決よりも、塩竃の人が大事にしているモノを同じように大事にしたい。”
インターン生の2人は、当事者意識が前より芽生えていることを感じていた。


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