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学びて習う、学びて富む ―悠久の賢者たちとの終わりなき対話―

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机を挟んで賢者と交わす一回の対話は、 一ヶ月かけて本を読むのと同じ価値がある。  ――古代中国の格言   文明開化の時代、福沢諭吉は世界人の素養たる実学の重要性を説き「学びて富… もっと読む
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記事一覧

「驚く」文献

驚くこと、そして、驚き続けること。それが「介護民俗学」を支えるいちばんのエネルギーになるのだ。
六車由実「驚きの介護民俗学」p.202

驚けないというより、最初は「驚かない」ようにしていた。業務を滞りなくこなすには、驚いている時間がなかったからである。
六車由実「驚きの介護民俗学」p.209

「けだし、驚異することによって人間は、今日でもそうであるがあの最初の場合にもあのように、知恵を愛求

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本を所有することって子どもの人生を変えるくらいすごいらしい

本を所有することって子どもの人生を変えるくらいすごいらしい

本の思い出子どもが本を所有するということに大きな意味があると今日の授業の長文で読んだ。小さい頃、カセット伝票で何冊でも本屋から持ち出せるようにしてくれた親に感謝。でも、家にあった古典文学は全然読まなかったな。。。笑

児童書なら一度に多い時で7冊。小学校低学年では、青い鳥文庫や岩波少年文庫が多かったな。普通の子どもより読むのが早かったから、自宅の本棚は本屋さんみたいになっていた。ちなみに自分の子ど

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自己成長の旅:継続的な学びの重要性

自己成長の旅:継続的な学びの重要性

自己成長とは、自分自身を理解し、限界を超えていく過程です。これは人生において絶えず求められるテーマの一つであり、特に今日のように変化が激しい社会では、自分自身を磨き続け、能力を向上させることが重要視されています。この記事では、ある友人の実体験を基に、「継続的な学びの重要性」とそれがどのように自己成長に寄与するかを詳細に掘り下げていきます。

導入:自己成長の重要性多くの人が人生のある時点で立ち止ま

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【ニッポンの世界史】#32 少女漫画がひろげた世界史の担い手:『ベルサイユのばら』を中心に

【ニッポンの世界史】#32 少女漫画がひろげた世界史の担い手:『ベルサイユのばら』を中心に

 はじめに結論から。

 少女漫画『ベルサイユのばら』が、世界史をコンテンツとして楽しむことのできる広汎な読み手を育て、歴史の関わり手を男性だけでなく女性にひろげる役割を果たした。

 今回ここで述べるのは、たったそれだけです。

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歴史を物語として楽しむカルチャー
 歴史を物語として楽しむ行為自体には、口伝えの伝承や軍記物語など、それこそ長い長い歴史があるわけですが、日本ではとりわけ近世

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読書が「経験」になる

読書が「経験」になる

2024年3月16日
 木曜日、三歳の孫が一人で泊まりにやってきた。一人で過ごしても平気なようだ。笑い始めると止まらない。生きていることが楽しくて仕方ないように見える。
 私の息子も子どもの頃よく笑った。
「君は人から嫌われることがそんなに怖いか」
 いつかこんなことをいっていたことをふと思い出した。大学生の時だったと思う。私のどんなところを見てこんなことをいったのかは思い出せない。この話を原稿に

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スキルアップは、「興味」+「計画」+「集中」+「継続」+「反芻」+「実践」で完璧だ。

スキルアップは、「興味」+「計画」+「集中」+「継続」+「反芻」+「実践」で完璧だ。

 自己改革、自己研鑽をしたくても、なかなか思い通りにできない人がいると聞いたことがある。そこには、標題に挙げた、シンプルな足し算ができてないだけの話である。

 以下の通り。

1)興味を持つこと
 興味のないものが身につくはずがない。好きになればなるほど、スキルアップは加速する。
2)計画を立てること
 途中で飽きがきたり、気が散るようであれば、最初から着手するものではない。
3)集中すること

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教育テクノロジーを活用しよう!代表的な4種類とおすすめツール紹介

教育テクノロジーを活用しよう!代表的な4種類とおすすめツール紹介


📖 文献情報 と 抄録和訳現代の効果的な教育のために教育テクノロジーを活用する

[レビュー概要] ここ数十年の間に、教育テクノロジーは、黒板の上のチョークの金切り声から、スライドプロジェクターのチカチカ音、コンピュータープレゼンテーション中のマウスのクリック音へと進化してきた。現在では、あらゆる学習レベルの医学教育に、聴衆応答システム、高度なシミュレーションマネキン、手術シミュレーターなどの

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2割を読んで8割の重要な情報を理解する

2割を読んで8割の重要な情報を理解する

コラムニストの尾藤克之です。
ご訪問ありがとうございます!

「読書を自分の武器にする技術」 (WAVE出版)
2年振り22冊目の本を2月に出版しました。

読書をするとき、ただ漫然と読みはじめている人はいませんか。もちろん、楽しむときの読書はそれでもいいのですが、限られた時間で本を読まなくてはいけないとき、いくつかの方法を加味することで読書のスピードや吸収力が一気に加速します。

みなさんは、パ

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[雑誌、棚からひとつかみ 大宅壮一文庫所蔵のオカルト雑誌紹介]

『ムー』の一人勝ちとも言われ、他にほぼ存在しないのではとも言われるオカルト雑誌ですが、調べてみるとかつては様々な種類のオカルト雑誌、オカルト特集記事掲載雑誌が刊行されていました。 
なかにはオウム真理教事件で有名な麻原彰晃が登場し、事件当時大いに話題になったものもありました。この事件の影響のためか多様性のあるオカルト雑誌が休刊することになったそうです。その後、精神世界に特化したもの、UFOと宇宙人

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効率的な論文の読み方 -読み解くヒントの狙い読みをしよう-

効率的な論文の読み方 -読み解くヒントの狙い読みをしよう-

論文には難解な内容が詳細まで記載されているため、指針もなく読み進めていくだけではなかなか理解を進めることができません。効率的に読み進めていくには、論文に散りばめられている「読み解くためのヒント」を集めるための「狙い読み」を先に済ませておくことが有効です。この記事では、そもそも何を読み解くべきかを紹介したうえで、どのようなヒントがどこにあり、またそれによって何をどう読み解いていけばよいかを解説します

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心身二元論の起源

「デカルトが心と体を別々なものとして主張したから、現代に至るまでいろんな弊害が起きた」と、デカルトを批判する声を本やテレビ番組でも見聞きする。デカルトが心身二元論を主張したということは欧米でも信じられてるらしく、皆がそう言ってるとつい信じてしまいたくなる。

心と体を別々なものとして理解する心身二元論は弊害が大きいのは確か。私達の心は、体調を崩せば正常に考えられなくなる。何か心に深く思い悩むことが

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【歴史的視点】歴史を日常にどう活かすか?

【歴史的視点】歴史を日常にどう活かすか?

こんにちは、けいごです。

仕事やプライベートを充実させる中で、「視点のストック」をためることは非常に有効です。「視点のストック」というのは、「その経験独自の視点を身につけること」としています。

例えば、警察官を数年続けていれば、警察官的な物事の見方が出来るようになります。その他の仕事や趣味で得た「視点」もストックとしてためていくことで、様々な日常の出来事に応用し、人生をより面白いものにしていき

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モンテーニュによる「内部論理の発見」がルソーによる民主主義、教育学の発明につながった(と思う)

ルソーは、現代社会に非常に大きな影響を与えた2つの「発明」をしている。
一つは民主主義。
もう一つは教育学。
ルソーがこの2つの「発明」をしていなければ、果たして現在の民主主義は生まれ得たかどうか。国民に等しく教育を与える学校制度が生まれたかどうか。人類史にとてつもない影響。

ルソーの発明した民主主義は、フランス革命をきっかけに世界中に波及した。専制主義の国でさえ、どこか民主主義を意識せざるを得

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不本意な生活に価値はあるか

不本意な生活に価値はあるか

2017年に書いたツイートのまとめとして。

確かマンガのセリフの中に「人生の実はただ生きることの中に」というものがあったと思う。そういうことを書いている。
結果というのは設定されたイシューに基づいた、かりそめのものに過ぎない。過去には触れることができず、未来は覗き見ることもできない。つまり今がすべてというのが人が生きるということのサガだよね。いいも悪いもなく。

誰だってそうだが、「私」というの

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