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「心の痛み」と「世界の生きづらさ」を取り除く

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この世界の真理は常に「理不尽」で「矛盾」に満ちており、「公平かつ公正な世界」も我々人類の身勝手な妄想にすぎない。 例えばイタリアのデザイン集団『アーキズーム』の共同創設者マッシモ… もっと読む
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記事一覧

「成功体験」よりも「失敗を楽しむ」

「成功体験を積ませよう」とよく言われる。それは否定しないけれど、もっと大切なことがあるように思う。失敗を楽しむこと。失敗したら何が起きたのかを観察し、それを楽しむこと。

成功体験、成功体験などと言っていたら、成功体験があら「ねば」ならない、ある「べき」である、という、「ねば」「べき」論になりかねない。でも私は、成功体験をそんなにも追究する姿は、失敗を恐怖する裏返しのように見えてしまう。もし失敗を

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「あなたのためを思って」は、空想を見て相手を見ていない

「関係から考えるものの見方」(社会構成主義)たぶん第23弾。
「お前のためを思って言っている」「あなたのためを思って言っているのよ」という言葉は大概、「いや、自分にとって都合がいいから言ってるんでしょ」と感じるのはなぜだろう?

これはこいつにとっていいことに違いない、と「決めつけている」ことが、やられる側からしたら迷惑でしかない、ということが多い。ただ、本人は本気で「お前のためを思って」言ってい

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鬱になって学んだ「行動しやすくなる考え方」

鬱になって学んだ「行動しやすくなる考え方」

僕は、行動するのが下手だったと思います。今でもそうです。体力や健康の状況も関与するはずですが、鬱になる前も、新しいことを始めたり、継続したりするのが下手でした。

「下手だった」というのは、そもそも行動に移せない、行動するまでに時間がかかる、「とにかく先に手を動かす」ができない、ということです。頭の中で、「こんな風にしたいな」という考えはありますが、フットワークが重たいです。怖くて、行動できません

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ウガンダからの留学高校生に教えられたこと

ウガンダからの留学高校生に教えられたこと

テレ東でやってる「YOUは何しに日本へ?」をたまたま見たのですが、そこで密着取材されてたウガンダからの留学高校生ニコラスくん。

高校から留学してきたのに、日本語も堪能で、しかもちゃんと敬語も使い分けるし、日本人が書けないような漢字まで習得している。謙虚で礼儀正しくて、決してオラオラもせず、かといってウェーイでもなく、物静かでとても冷静。
高校では生徒会長もやるくらいだから、同級生からの人気もある

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「欠点」と「弱点」の違いと、それぞれの向き合い方

「欠点」と「弱点」の違いと、それぞれの向き合い方

世の中には、似たような意味合いだが、実は使い方がずいぶん違う言葉がある。

そのひとつが、先週のnote『子どもに“委ねる“覚悟と、子離れの難しさについて』で触れた「任せる」と「委ねる」だ。前者は信用が背景に、後者は信頼が背景にあり、相手への向き合い方が全く違う。

他の例で言えば、「修行」と「修業」という言葉もそうだ。

多くの人は「修行」という言葉を使う時、何かしらのスキルを獲得するために鍛錬

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自分を救ってあげてください

こんにちは、末吉です。

すごいことになっています。

新宿紀伊國屋ビジネスランキング3位!!

仲間が動画を撮ってくれたのですが、書影が出た瞬間、鳥肌が立ちました。

読んでくださった方のお役に立てますように。

さて、本題です。

私たちは、思っているよりも過去から影響を受けながら、生きています。

ある時、こんなことがありました。

スタバにお母さんと5歳くらいの子どもがいて、こんな会話が聞

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好きな人の嫌いなところは好きにならなきゃいけないのか?

好きな人の嫌いなところは好きにならなきゃいけないのか?

私の思春期の頃の考え方として、相手のことを好きになって付き合い始めると、今まで見えていなかったことも見えてきて、「嫌だなー」と思うところが見つかったりしても「いや、嫌いなところも好きにならなきゃ!だって彼女のことが好きなんだから!」みたいな脅迫観念みたいなものがあったことを記憶しています。
そんな時タイトルのような質問が浮かんでくるのです。

「好きな人の嫌いなところは好きにならなきゃいけないのか

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「怖い」「ヤバい」に感じる日本人の弱さ

「怖い」「ヤバい」に感じる日本人の弱さ

先日、ライターの和田靜香さん(著書「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。」など)のツイートに、こんなのがあった。

これね、今どき、っていうか、もうここ何年も続いてる状態。しかも近年さらにひどくなってる。

政治の話をする。社会の問題を会話に取り上げる。それに対して自分はこうだと表明する。選挙に行こうと呼びかける。
ごく普通。あたりまえ。これだけ。

だけど物わか

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同質性を求めることの危険性

東京に住みたくない理由の一つ。公立で何が悪いねん?と私は思っている。京大にもおかしな人はいたし、東大にも変な人はいて、どんなところにも妙な人はいるものだと考えている。だから、私立中学とかにもきっと奇妙な先生はいるものと考えている。 https://dot.asahi.com/articles/-/211028?page=1&fbclid=IwAR2Dlw2AtYb-aPLirG8YD46nlN1V

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人はなぜ年をとると怒りやすくなるのか

人はなぜ年をとると怒りやすくなるのか

「性格は生まれつきのもの」とよく言われますが、本当でしょうか。実は、性格は中年期からほとんど変わらないという研究結果があります。これは、私たちにとってどのような意味があるのでしょうか。

この研究結果は、私たちが自分の性格を受け入れ、自分らしく生きていくことを可能にしてくれるものです。また、高齢者のメンタルヘルスを維持するためにも、この研究結果は重要な役割を果たすと考えられます。

人格は中年期か

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低賃金だと結婚は難しい

低賃金だと結婚は難しくなる。これは歴史的にも実際に起きている。
戦前、まだ重工業がなかった時代、工業と言えば紡績などの軽工業しかない時代は、勤め人をしても非常に低賃金だった。結婚できるのは長男だけで、次男以下は実家に仕送りするだけの生き方しか選択できなかったらしい。

日清戦争で賠償金を得た日本は、重工業を開始。このときから勤め人でも高給取りが増え、次男以下でも結婚し、家族をもつことができるように

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「それは一部しか改善できない」と指摘することのナンセンスさ

私はツイッターで「こうしたら改善できるのではないか」という考えをつぶやく。すると、「それで改善できるのは一部だ」と指摘する人が時々いる。私は、こうした指摘はナンセンスだと考えている。どんな病気も治せる万能薬なんてないのだから。どんなクスリだって一部の病気しか治せないのだから。

オプジーボというクスリは、ノーベル医学生理学賞を受賞した。では万能薬かといえばさにあらず。病気の一部であるガンの、そのま

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イジりを肯定する意見に対する反駁

「イジられキャラはいじられることでコミュニティの仲間入りができるのだから恩恵であり、いじり芸は肯定されるべきでは」という意見が複数。
この主張、私から見るといくつもの点で粗雑に過ぎるように思う。その点を考えてみたい。

まず、最大の過ちは「いじり」という屈辱的な形でしかコミュニティに入れないと前提しているその発想の貧困さ。
私の教え子で長年不登校状態だった引きこもりの子が。その子は当然、人の輪に入

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