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音で画く、音を編む。

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その日の夜、僕は「音画」を目指しているのだとはっきり解った。数年考え続けていた事への解答だった。 だから何をしても許されるし、現実に何をしても良いのだと思う。 自分の中で制約をつ… もっと読む
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記事一覧

ジョニ・ミッチェルの『BLUE』

ジョニ・ミッチェルの『BLUE』

 『Blue』は地味なアルバムだと思っていた年月が長かった。初めて聴いたジョニ・ミッチェルのアルバムは『Ladies Of The Cannyon』。高校入学したばかりの15歳の時だった。衝撃だった。こんな曲作り、こんな歌い方がこの世にあるのだと思ったし、ローレル・キャニオンの一軒家で暮らすジョニとグラハム・ナッシュに強烈な憧れも抱いた。ジョニのような才気溢れる女性の傍らで、グラハム・ナッシュみた

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Duke Ellington Orchestra @ Kennedy Center in DC with Lisa Fischer

Duke Ellington Orchestra @ Kennedy Center in DC with Lisa Fischer

デューク・エリントンが今年、125歳の年だそうで、それを記念して特別なコンサートがワシントンD.C.のケネディ・センター、Terrace Theater で行われました。
スペシャルゲストシンガーはリサ・フィッシャーさん!
サムネの写真はリハーサル時に舞台袖から撮った私の隠し撮りフォト😅

天才タイプの楽器プレイヤーは

「次の音符が光って見えた」
「名曲の匂いがした」
「コード進行に震えた」

など音を
【五感全てで感じる!】

逆に言うと
ほとんどの人は
表面的な音しか
捉えていない

この感性を
鍛えることこそが
音楽の幸せであり
独自スタイルの源泉!

工場跡×音響×映像 -AMBIENT KYOTO@京都新聞ビル地下1階

工場跡×音響×映像 -AMBIENT KYOTO@京都新聞ビル地下1階

 AMBIENT KYOTO、好評につき12/24まで→12/31までに会期延長。

 そのおかげで、訪ねることができた。

 昨年も訪ねていたのだけど、

 個人的には今回のほうが、より「入って」いかれた気がした。

新聞社の印刷工場跡へ さきに引用した概要にあるように、今年は2会場で展開。

 本稿では、わたしにとってはより印象的だった、坂本龍一 × 高谷史郎@京都新聞ビル地下1階のほうを紹介

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「ものが分かる」とは?

結論は

【全て感謝しかない】

という事実に気づく事

物事を深く見つめると
偶然のような確率で
必然のようなタイミングで
縁が繋がっている事が分かる

日々楽器を奏で
音楽を楽しめる事が
感謝でしかないことに
腹から気づく時
人はミュージシャンになる

8ビットレトロゲームサウンドをAI作曲?する「8bit BGM Generator」を作った

8ビットレトロゲームサウンドをAI作曲?する「8bit BGM Generator」を作った

はじめに各所で脅威的なAIサービスが爆誕する今日このごろですが、「自作ゲームのBGMをAIツールでまかなえないか?」と考える人もけっこういるんじゃないかなと思います。

調べてみるとAI作曲ツールはたしかにいくつか見つかるのですが、たとえば私の場合、Pyxelというレトロゲームエンジンを愛用してまして、PyxelにはPyxelの独自形式があるので、wavやmp3ファイルで出力されても使えなかったり

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音楽理論が楽しい話

音楽理論が楽しい話

音楽理論はとても人工的なものだ。どんな理論でも人間が作ったものなので当たり前の話なのだけど、音楽理論はその扱う対象も人間が恣意的に作ったものだという点で物理学の理論などとは大きく異なる。

物理の場合はまず現実の世界が存在して、そこで起きていることを上手く説明できるものが良い理論とされる。理論は更新されていくが現実は変えられない。音楽理論の場合、まず説明されている音楽そのものが人間の作り出したもの

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『History of Japanese Hardcore Techno』発売決定

『History of Japanese Hardcore Techno』発売決定

『ブレイクコア・ガイドブック 上下巻』『ハードコア・テクノ・ガイドブック オールドスクール編/インダストリアル編』に続く、私の5冊目となる書籍『History of Japanese Hardcore Techno』を11月中旬にMurder Channelから自主出版する。

この『History of Japanese Hardcore Techno』は2年半に渡って日本のハードコア・テクノに

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ジョージ・セル【指揮台のタイラントと呼ばれて】前奏曲

ジョージ・セル【指揮台のタイラントと呼ばれて】前奏曲

「男の夢」を体現したひと指揮者の岩城宏之(1932~2006)は、著書『揮のおけいこ』(文藝春秋、1999年〔文春文庫、2003年〕)でこう記した。

上述の通り、実際の指揮者の仕事で最も重要な部分は客席からは見えないところでなされる。
すなわちオーケストラの前に立つまでにスコアを読み込み、文献資料に目を通し、場合によっては自他の録音を聴き、「指揮計画」を組み立てること。
手の動きは重要だがあくま

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アコギで440hzと432hzの聴き比べをしてみた

動画の中でも言っていますが、以前432hzのことを記事にしたことがありますが、今だにアクセス数が多いんです。

その記事はこちら → 440Hzと432Hzの違い

書いた時にはそんなに反響があるとは想像していなかったので、YouTubeにアップされている海外の動画を貼っておいたのですが、自分の楽器を引きながら解説をしてみようと再度チャレンジしました。

弾き比べた2本のギターは、メーカーも違うの

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440Hzと432Hzの違い

現代ではA=440Hzが基準とされていますが、これは1950年代に国際標準化機構(ISO)が採用し、音響器材や楽器の調律の標準として用いられるようになったとされていますが、昔はいろんなチューニングがあって、モーツアルトやヴェルディは432Hzを採用してたそうです。

このチューニングの話は都市伝説的なものも含めていろんな説がありますが、みなさんは実際に聴いてみてどう感じますか?
僕は個人的に432

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interview Lourenco Rebetez:レチエレスの音楽ではオーケストラの中でリズムが爆発するように多くの音と交わる

interview Lourenco Rebetez:レチエレスの音楽ではオーケストラの中でリズムが爆発するように多くの音と交わる

僕がブラジルの音楽の中でもアフロブラジレイロの音楽へ関心を強く持ったきっかけは、2016年にロウレンソ・ヘベッチスという作曲家でギタリストが発表したアルバム『O Corpo de Dentro』だった。

ギタリストとしてはカート・ローゼンウィンケル以降の現代ジャズのスタイルもあれば、アイザイア・シャーキー的なネオソウルのギターも聴こえていた。つまり、2010年代におけるギタリストの必修科目と言え

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