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8月9日~8月12日 第24巻 『ふたり五郎蔵』

8月9日

今日も若干仕事が暇な日。ちょこちょこと来る案件を打ち返してぼんやり過ごす。

帰宅後、溜まっていた日記を書いて更新。その後、鬼平読破で日記を書き終えたら着手しようかなと思っている、群像一年分を読んで気付いた文芸誌通読に関するあれこれ、みたいな記事の前書き的な記事を書いてこれも更新。

8月10日

ポケモンスリープ、イーブイの色違いをゲット!

夏休み直前なので、今日も仕事はほとんどなくあれこれネットサーフィンしたり、短歌作ったりもした。fuzkueさんが原材料費や光熱費の上昇により値上げとのこと。飲食業界はどこも厳しい状況なんだろうな、コロナを経た上に物価上昇だもんな、夏休み中にfuzkue行きたいな、と思う。

真山さんとまほぴさんが初めてXというかTwitter上でやりとりしたらしく、仲いいフォロワーさんの誰と誰が面識があって誰が知り合いではないのかの相関図が欲しくなった。たまにフォロワーさんと話しているときに知っている前提で別のフォロワーさんの名前を出したら、全く知らなかったということが起こるので。それにしても、散々イーロンによる横暴が続いても、代替SNSが現れても、結局みんなXというかTwitterにいるな。

8月11日

夏休みは今日から15日まで。午前中は再配達を頼んでいる群像最新号を待ちながら、その時間で溜まっていた『VIVANT』の録画を消化。そんな展開かよ。昼前に9月号到着。分厚い上に、評論・批評が多い号で読むの大変そう。

昼から渋谷らくご。青森さんの阿武松、ネタ下ろしから間がなくてアレンジを詰め込んだバージョンとはいえ、さすがに固有名詞があやふやすぎるのでは、と思ったが、橘屋善兵衛が相撲にかける想いを長吉に語る部分はとてもいい。単純に相撲取り・タニマチ関係というのでなく、自分が諦めた夢を託す展開のほうが、現代のお客さんには説得力あるのかも。青森さんの古典での口調は、人情噺を聴かせるのにも適していていいな。本題と全然関係なさそうだった入国審査ゲームの枕が実は、「資格を与える側には、しっかり相手を見抜く目が必要である」という点で、しっかり阿武松の本編と結びついている。小せん師匠が新作だったのも意表を突かれた。演歌のテーマパークということで、たくさん歌ってゴキゲンな高座。

新宿で本屋を眺めてから帰宅。夜も録画した「VIVANT」の続き。急に落語のCDが登場する場面があってビックリした。落語のCDパッケージをカモフラージュに使って、中にハッキングデータを隠してあったのだ。

8月12日

午前中は録画しっぱなしだった『魔女見習いをさがして』を観た。おジャ魔女どれみのコミカルなタッチなのに、ツラいところの描写はきっちり重い雰囲気になっていて、バランスがちょっと異様で面白い。同じコンテンツきっかけで知り合う女性たちの友情ということで『日曜の夜ぐらいは…』を想起してたら、物語の着地も『日曜の夜ぐらいは…』だった。ダメ男描写の解像度が高く、「人当たりが良くてコミュニケーション能力も高いが、人と長期的に関係を続けられず、デリカシーの無さやSNSリテラシーの欠如からネットで炎上したこともあり、そのことに自己嫌悪も覚えている男」なんてキャラをおジャ魔女文脈のアニメで出されると思わなかった。

昼から渋谷らくご。さん花師匠の「三方一両損」が面白かった。喧嘩するシーンで笑いながら殴る描写を一瞬入れていて、たまにシブラク関連で見かけた「さん花師匠に狂気を感じる」旨の感想ツイートの意味がよく分かった。寸志さんが喋り倒す鰻の幇間も楽しい。

吉祥寺へ移動し、立川談笑一門会。柿内さん夫妻が先に武蔵野公会堂に来ていて合流。以前飲み会で吉笑さんの「八五郎救世」のあらすじを話したら、柿内さんが面白がってくれて「観たい!」と言っていたので、ネタ出しがあったこの会にお誘いしたのだった。吉笑さんの「八五郎救世」は期待通りで、吉祥寺を舞台にしたアレンジも可笑しく笑う。落語を聴いてお客さんひとりひとりが思い浮かべる想像の世界それぞれがマルチバースなのだ、という説明がいい。僕たちは噺を聴きながら、自分の中に想像力でユニバースを立ち上げているのだ。談洲さんは「羽織の遊び」。同じ動きとセリフを繰り返すくすぐりで、動作のキレが良いの面白いな。笑二さんの「かぼちゃや」は可笑しみ抜群でゲラゲラ笑う。「真ん中に出まーす」「不思議なことをするな」ってくだりが、そんなに会場的にはウケてなかったんだけど謎にツボに入ってしまった。談笑師匠の「佃祭」は圧巻。主人公が船に乗ってしまう展開から、予想だにしない展開が繰り広げられて胸を打つ。後で他の人の佃祭の音源を聴いてみたら、主人公の名前や設定が違ったので、あれは改作というより、同じ祭に行った別の人の物語的な、アナザーサイドみたいな作りなんだな。通常版は「情けは人のためならず」的な噺なんだが、談笑版佃祭は災害や事故で誰かを亡くした悲しみ、それでも時に助け合いながら生きていくのだという、残された者たちの物語になっていて、ものすごい創作力(改作力)と、それを聴かせる口演の説得力だな。8月12日は1985年に日航ジャンボ機墜落事故が起きた日でもあり、最後は被災者への鎮魂の言葉も添えられた。「その日その場でその人が何を語るか」を落語のライブ性において重視したのが談志だったはずで、そういう意味ではしっかり立川流のポリシーが引き継がれた高座だったな。

吉祥寺駅で柿内さん夫妻とは解散。家の最寄りのバスに乗ろうと思ってバス停に向かったが、既に自宅方面へ向かうバスは最終が出た後だったので、駅に引き返して電車で帰った。

電車内で鬼平を読み進める。五郎蔵という髪結いの男が、役宅を出入りするようになった。実直そうな雰囲気の男だが、ある日を境に何か悩んでいるかのような様子を見せるようになった。気になった平蔵がおまざに聞き込みをさせると、五郎蔵の妻が行方不明になっていることが分かり…という話。伊佐次が死んだ「五月闇」のエピソードまで絡んでくるのだけど、14巻のエピソードを24巻で出されてももう記憶が薄れている。善良な一市民なのに、脅されて犯罪の片棒を担がされた上、妻まで寝取られてしまう髪結い五郎蔵が可哀そうすぎる。最後に髪結い五郎蔵は密偵・五郎蔵と混同するからと、平蔵から新たに平太郎と名前をもらうので、もしかしたらこの後にも出てくる予定だったのかもしれないが、あとの英ソードは池波の急逝により未完となった「誘拐」を残すのみだ。鬼平犯科帳全24巻読破も大詰めを迎えている。

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