見出し画像

そのジョーク笑えない。

【注意】
●要らないお笑いに対するNOの意思表示
●自分自身の思考整理
などのために、こちらのnoteを書いています。

私が不快感を抱いた場面についての
描写がありますので、
読まれる際は その旨、ご了承ください。

✻ ✻ ✻ ✻ ✻


TVで何となくヒルナンデスを見ていたら、
久本雅美さんが街ブラロケをやっていた。


久本さんはすごかった。
人を傷つけない言葉選びをして、
その上笑いまで取るんだよ。

「この人すごい頭の回転早いんだろうなあ」
なんて、視聴者感まるだしで、
のほほんとした昼下がり。


それが急に、
ひとりのお婆さんによって奪われた。

街ブラロケだから、商店街のような場所を
ぷらぷら歩く久本さん。

2人のお婆さん'sとすれ違う。
そのとき。

お婆さん'sの片割れが久本さんの胸を
唐突に触ったのだ。

まず  「えっ?警察案件じゃん…」  と思った。
自分が触られた訳じゃないのに
ほんとうにビックリして、言葉が出なかった。



自身の未婚ネタで笑いを取ったり、
場面によって下ネタを言うキャラクターの
芸人さんだとしても

久本さんの身体は通りすがりの人に
勝手に触られていいわけないだろう。

女同士だからいい?
芸人さんだからいい?

そんな訳ない。


久本さんも驚いただろうけれど、
仕事だからと切り替えて
なんとか使える映像にすべく
笑いに変えようとする。

久本さんの気持ちもプロ意識も分かる。
ほんとうに凄い。尊敬する。

でも私はなんか悔しかった。



更に、そのお婆さん'sは
「久々に触って貰えて良かったね」
「何年振り?」
みたいなクソみたいな言葉を吐いた。

クソすぎる。
ほんとに最悪。



お婆さんが、通りすがりのタレントさんの
胸を触って、悪びれもせずに相手をいじる。

それを楽しい映像として、TVが昼間に流す。


そんな国に私は生きているんだなあ、と
うっすらとした絶望が体をおおっていく。


勿論このお婆さんたちも悪いけれど、
きっとその背景には社会がある。
彼女たちだけのせいじゃないはずだ。

同じように肉体を消費されてきた過去。
同じように人格を無視されてきた過去。

お婆さんがこの行動をOKと見なした背景には
お婆さん's が生きた時代の苦しさが
あるのだろう。


でもさ、自分がそんな風に扱われた時
嫌じゃなかったのかな?
嫌だったことも忘れちゃったのかな?

同じことを自分も誰かにしてしまったと
気付いてないのかな?

あまりにも衝撃的すぎて
腹が立ちすぎて、

個人と社会に 理由を分散させないと
気持ちの持って行き場が無い。

こんなにも個人の人権についてや
様々な生き方について、
踏みにじるような映像を流せるものだと
判断したテレビ局もヤバい。


私が悔しい、と思ったのは
きっとそういうところ。

久本さんがセクハラを受け入れて
何も言い返さないことには、
プロ意識があったかもしれないし
ロケを止めさせないテレビ局の圧力があったかもしれない。

はたまた、私ほど気にしていなくて
体を触られることに慣れっこになって、
本当に何も思わなかったとか。

そしてテレビ局も
何かしらの圧力やしがらみから、
放送せざるを得なかったのかもしれない。


何より、このことについて
どんなに私が嘆いたり悲しんだりしたって、
当事者が平気なんだから
良いじゃんっていう意見もあるだろう。

私がなにか出来るわけでもないから。


となると、
諦めて分断を受け入れるしかないんだろうか?

「そういう人もいるよね」
「分かり合えないから放っておこう」
と、見て見ぬふりをしたらいいんだろうか?


私がここに書いたって、何にもならないのは
わかっているけれど、放っておけなかった。

こんな風に誰かの人格を無視して
消費する笑いなら、要らないよ。



そんな振る舞いが「ジョーク」と
名乗ることが許されているなら

そのジョーク 私は笑えないし、
ひとかけらも要らないのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?