薬局のバイトがユルい

実家に出戻ってついにおかねが少なくなってきたので、近所の薬局に応募しました。徒歩2分のところにあるのですが、全然お店が開店していたことを知らなかったんですね。結構おおきめの薬局なんですが、私が知らないくらいだし、まだ町民に全然店の存在に気づかれていないので、めちゃめちゃ空いててサイコ~~~先週の日曜日は雨だったので十時間開けていて70人ほどしか来なかった。そしてたいていの人はオチャだけ買ってテープで済ませていくし、毎日来て社割で買い物を済ませていくパートの人が何人かいる。

ではこの薬局は何で生計を立てているかというと、毎日化粧品を大量に買い付けに来る中国人のバイヤーが一日に100万円単位で免税レジに紙幣をつっこんでSISEIDOの箱を山と積んで帰っていく。かなり怪しすぎて、あの箱に大麻とかが入ってても全然ありえるな~と思っている。

要するに我々アルバイトがつかさどっているチンケなレジはその業者一人の足元にも及ばないのであり、なぜ薬局で謎のスナックを定価割れで販売しているのかわからない。たとえばチキンラーメンは原価355円で希望小売価格500円と少しのところを平然と355円で売っている。ただ、客が来なくて賞味期限が近づくので、すぐに200円くらいになる。たぶん大麻のカモフラージュとして利益もへったくれもない薬局を運営しているんだと思う。別に構わないし、人のいい店長が半分道楽で運営している薬局がつぶれる見込みのないのはいいことだ。できれば少し片棒を担がせてほしい。

アルバイトの仕事は主にレジ打ちと品出しだが、ほとんど人が来ないので仕事が特になく、気が向いたときに暇つぶしに賞味期限をひたすら確認して、切れかかったやつは拝借して帰る。本当に暇で仕方がなく、私はカンペを持ち込んでサンスクリットのお経やシェークスピアを無為に覚えながらぐるぐると店内を歩き回っている。ここは時々、わりかし優しい人が陥るグレードの地獄のような場所だ。レジにネットフリックスをつけてほしい。

どう考えても一人で店が回るが、大体2~3人配置されている。そのうちの一人はバイトリーダーでもあるフィリピン人であり、日本語がちょっと怪しくてよくお釣りを2回渡そうとしてくるし、有能で教え上手だが極端にさぼり癖が強く、大体バックレて家で休んでいる。最近はレジにいても子供の運動会の衣装を作るためにスズランテープをひたすら割いている。フリーダムな彼女がクビにならないのは彼女が薬剤師の妻であり、その薬剤師は店長の弟だからだ。彼女と薬剤師の住む家は薬局の上の階にあるので、トイレに行くといって4時間くらい消えることはザラだ。ただ一人で店が回るのでいなくて困るということはない。私の研修期間中に彼女がバックレて出勤2回目にして一人で店を切り盛りする羽目になったこともある。こんなに雇ってどうするんだろうという感じだが、たぶん税金対策かなんかでできるだけ給料としてペイしたいのかもしれない。ウィンウィンすぎる。この店はおかしい

よく「アイス置いてますか?」と聞かれる。薬局に何を期待しているんだろうか。最近仕入れたあんみつ(80円)は一切売れていない。梅酒ゼリーは売れ行きがいい。

早くやめたいな~と早くも思いながら、一応ちゃんと出勤している。たまに廃棄の段ボールに炭酸が入っているので、二人で誰も来ないレジで突っ立ってタダでぬるいコーラを飲みながらしゃべってシフトをやりすごしている。バイト仲間のおねえさんがレジにおいてある男性用の制汗剤のテスターをきまぐれに試して、「男の人のにおいがするw」とか言ってニコニコしている。夏が来るらしい

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