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ブランドの洋服やバッグなど、買ったお店に修理に出すと流れはこんな感じです

せっかく買ったバッグの縫い目が早くもほつれてきたり、お財布のファスナーの調子が悪くなったり、お気に入りのコートのフロントボタンが取れて行方不明になったり、

このまま使うにはちょっと…というとき、皆さんどうしていますか?直しますか?新しいものを買いますか?

販売の仕事をしていると、ブランド差はあるものの、諦めずに修理のご相談をいただくことが意外と多いです。

しかし、お客様ひとりひとりで考えたら、お修理出しを一生のうちに数多く経験する人もそういないと思います。

不慣れなことって不安ですよね。

というわけで、参考になりそうな修理の流れを書いておきます。予備知識としてお役立てください!

無料?有料?いくらくらいかかるの?

①無料のとき
時計やバッグなど、購入時に一定期間の保証がついている場合があります。
期間中に起きた、保証内容の不具合は無料(無料と規定があれば)で修理がきくはずです。
もしくは購入当日や翌日などすぐに発覚した場合には交換対応も考えられます(ブランドや状況によるので、交換にならない=悪ではありません)。

安く売っているショップなど、保証書の記入を省き、レシートを保証書の補完にするところもありますから、そういう場合はレシートを取っておきましょう。

どうしても購入したそのときはテンションが上がっていて、保証についての店員さんの説明をあまり聞いていないお客さんがいますが、今後のためにも条件などはきちんと把握しておいた方がいいです。

プレゼントでもらったものの場合でも、販売時の店員さんの説明の趣旨は保証書に記載されている内容と同じはずなので、開封後にご一読の上、保証書は保管してください。

ブランドによって対応の幅は変わりますが、購入店舗に持ち込むのが基本です。購入店舗が閉店したりお引越しで遠くなったりした場合は、近くの店舗やカスタマーセンターに相談してみてください。

②有料のとき
保証書が無く、購入店舗や購入日時、決済方法が特定出来ない場合、記憶では保証期間内でも有料になると思った方がいいです。もし状態や状況判断で無料対応してくれるブランドやショップがあったら、それは当たり前ではなく、良心的な対応です。

なぜ購入履歴等を確認されるかというと、修理には送料や工賃などの費用がかかっているからです。

無料修理というのはとにかくタダでできるのではなく、修理にかかる費用をお店やブランドが負担しています。お客様が支払わないというだけです。なので、そのお店負担で修理する責任があるかどうかの確認をせずに引き受けるわけにはいかないのです。

たまに「買ったお客さんがまだ使いたいって言ってるんだからありがたいでしょ?なんでも無料で直すの当たり前じゃない」という人がいますが、なんぼありがたくても気持ちでモノは直りません。

また、保証期間中であっても、製品の仕上がりと関係のない事故や、使用方法や環境に特異性があった場合は有料になるのが一般的です。

③いくらくらいかかるの?
一番気になる料金ですが、これはもう、本当に、見積もりに出してみないとわかりません。
持ち込んだ時に店頭の販売員から即答してもらいたい気持ちはよく分かりますが、販売員はものづくりのプロではありません。
お修理一覧表にまとめられるくらいによくある単純な内容以外は、見積もりの判断が出来ません。
トラブルの元になるので、安易に答えないよう指導されていたりもします。だから「最近あった同じような修理はいくらだったの?」とか、気持ちは分かるけど聞かないであげてください…

しかし、やっぱり気になりますよね。
出されたお見積もりをお客様にお伝えした際に「そんなにかかるの?」と言われることの方が多いので、そういう感覚(思ったより高い)で合っていると思います。

直る?直らない?

④直るの定義
直るかどうかはまず、直せる状態であることが条件です。
そして、ここで言う「直る」は、元の状態に極力近くなるように直すことを指します。「ブランド」に修理を依頼しているからです(ブランド品買取に通用する状態、といえばわかりやすいでしょうか。目的は違いますが)。
これは、ブランドの格が上がれば上がるほど、厳格な判断になります。

全く同じ仕様で直せない場合には、ブランドやメーカー側から「似寄りのものでの対応になりますが」という返答が来ます。

直せるけど、違和感が出るもの(例:10年使用した本革のバッグの持ち手を片方だけ新品に交換)などについては、違う方法での提案が来たりします。

⑤直らないもの
すでに廃盤商品になっていて同じパーツや適切な代替パーツがないとか、生地が裂けていて縫えない(縫いしろがない)とかを理由に、修理不可となることがあります。

「なんでもいいから、穴をふさいで使えるようにしてくれればいいんだけど」というお客様は、ブランドではなくまちの修理屋さんに相談した方が早いです。ブランドは、ブランドで認めている方法以外での修理をしません。

そんなにかかるの?

⑥見積もり期間と修理期間について
道具さえあれば20〜30分もあれば直せそうなイメージのものでも、二週間とかそれ以上の預かり期間を言われることが多いと思います。例えで二週間と書きましたが、修理で二週間は短い方だと思ってください。
その理由は、作業時間以外の部分にかかる時間があるからです。

お修理依頼品を預かったら、まず見積もりを取るため本社またはメーカーに送るか、契約している業者さんがルーティンで週に何度か店頭にやってくるのを待ちます。

送る場合、例えばお客様の持ち込みが金曜日の夕方だったとき、土日は本社などが休みですので、最短で3日後の月曜日着です。年末年始やGW、お盆休みのタイミングではさらに到着に日数がかかりますし、相手先に連絡を入れてから発送する取り決めの場合などはさらに先になります。そこに相手先の営業日都合や、修理担当者の都合も絡んできます。

店頭に業者さんが来てくれる場合、だいたい毎日は来ません。週2回の巡回だった場合は、次のタイミングまで待つことになります。

こうして直せるかどうかの判断をして、直せるとなった場合、そこからパーツの手配や順番待ちが始まります。パーツがあって、立て込んでいなければ早いし、パーツが無くて、立て込んでいれば仕上がりは遅くなります(修理持ち込みが増える時期があります。季節の変わり目とか)。こういうことがあるので、店頭の販売員は迂闊に見積もりについてのコメントができないのです。

⑦修理の料金について
一例として、ラウンドファスナータイプの長財布のファスナー交換が2〜3千円で済むところもあれば、1万円近くかかるところもあります。
高いと感じますか?
内訳の詳細な説明は控えますが、流れを見て携わっている者としては、1万円でもぼったくっていることはないですし、2千円だと安すぎるというか、ちょっとボランティア感があります(もちろん仕上がりはプロですが)。

洋服の場合、簡単な縫い方であっても、10センチいくらのように、縫う長さに比例しますのでタイトスカートの丈詰めよりプリーツスカートの丈詰めの方が高くなります。裏地も直す必要があればさらにかかります。

まだもう少し付随する話はあるのですが、十分長くなったのでこの辺で終わりたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございます。

繰り返しになりますが、ここに書いたことは事実に基づいた参考例です。まずは購入先に相談をしてみてください。ブランドの拠点、商品特徴、製造工程等々で内容は変わってきます。
予備知識として、お客様の不安の解消につながればうれしいです。

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