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【取材】純粋に「楽しんだ」シーズン/青森ワッツ#91寺嶋恭之介 選手


FUN'RISE協力者のウエダサヤカです。
今回は青森ワッツ#91 寺嶋恭之介 選手にお話を聞いてきました。
「キョウノスケらしさ」が溢れるインタビュー記事となりました。
どうぞよろしくお願い致します!
(取材日5月2日)



(寺嶋)ついに私の出番が来ましたね。


(ウエダ)ほんとにそうですよ。
改めましてプレーオフ出場おめでとうございます。


(寺嶋)ありがとうございます!やりましたね。


(ウエダ)やりました本当に!!!メッッチャ嬉しい。

(寺嶋)ほんとっすよめっちゃ嬉しい。ギリギリでしたけど。

(ウエダ)ほんまに嬉しいです。これしか言えない。

(寺嶋)ねー。でもおもろくなかったっすか?最後まで分からんかったの。山形で決まるっていう、直接対決。

(ウエダ)や、本当に。私急に仕事になってホーム最終節行けなくて泣き崩れたんですが山形で決まるんだ、と。
…計算上ではもう少し前に決まってても良かったじゃないですか?笑

(寺嶋)確かに。笑

(ウエダ)けど勝てると思ったところに負けて、負けると思った所に勝って。最後の最後まで分からないという。

(寺嶋)やってて楽しかったですよ。正直。

(ウエダ)本当に良かった。
……で、ここからちゃんと聞きますね?笑

(寺嶋)笑
はい。



今シーズンの見どころのひとつ試合直前の儀式

(ウエダ)寺嶋選手、Bリーグ2シーズン目じゃないですか。
で、前回の青森ワッツ所属の時と今回って全然違うじゃないですが。状況も勝率も。その辺踏まえて今シーズンいかがでしたか?


(寺嶋)そうですね。
単刀直入にいうと、バランスがすごく良かった、っていうところですね。
何が良かったかというと個々の能力もそうなんですけど人としてみんなフォローし合える、っていうのがあると思います。
そのフォローする部分も各々で違う良さがあって、ADとかは体張ってくれるんですけど、コート内外で声掛けれる人間だし。ベテラン勢はコートのオフの時でも若手が多いんで気にしてるし。
僕だって自分より若くてBリーグの経験が長くて、B1の経験をしていたりする選手もいるけど、そこは人としてカバー出来た部分もあったし。

僕もまだ(Bリーグが)2年目できた時に、チームとしてもいつ崩れてもおかしくなかったと思うんですよ。試合に負けた時に落ち込むし。
でもみんなで声をかけ合って次の試合の時は切り替えて出来たし、全チームに1勝はしてるし。修正出来てるんですよ。だからバランスが良かったですね。
これが若手だけだったりしたら崩れやすくなってただろうし。ほんと若手とベテランのミックスが凄くバランスよくて。
僕は本当に楽しかったですよ。「これがプロチームなんだ」って思いましたね。



(ウエダ)こちらとしても割と初めの段階でそれが見えて、お互い何でも声かけあって言いあえる環境なんだなって試合中なんかも見ていました。

そんな中で、寺嶋選手自身はそんなにプレイタイムが長い訳じゃないじゃないですか。初めの方は怪我もあったし。
でも寺嶋選手はいつもスカッとした顔で出てきて短い時間でも出たらすぐ仕事するよなーってブースター同士でも話すことが多くて。
どういう準備をいつもしているんですか?

(寺嶋)あー。笑
ついに聞かれましたね。
めっちゃ聞かれるんですよねそれ。あんまりちゃんと言ってこなかったんですけど。


(ウエダ)だって凄いですよ。そんないきなり出てピャッと決められへんと思うんですよ。


(寺嶋)歳と真逆でいつもフレッシュな気持ちで出れるんですよ。(現在32歳)


(ウエダ)うん、それは溢れてるよ!!!笑


(寺嶋)楽しんでるんですよ。あの場面を。


(ウエダ)素晴らしい!


(寺嶋)「いつ純平さんから呼ばれるんやろ」と思いながら。いつでも出れるようにしてて。呼ばれたら(よしきた!)みたいな。
ゲームの状況もゲーム前ミーティングで相手の映像とか全部見て
(あー、この場面で自分が出た時に出来ること探そう)っていう所から
ADの動きとかピックかけてくれる、そこからのビックマンの動き、とか色んなイメージをして。
なので「Ready」なんですよ。いつでも。そういう準備をしているんですよね。
絶対自分が出たらガードがこう使うし、ミスマッチを狙われるから。
まずそこを狙われないようにするには、とかイメージして準備して
いざ出たら「はい、このシーンきた!」っていう。自分の中の準備。あとは決めるだけ、とか。
俺が持ったらなんかしてくれる、決めてくれるっていうベンチの期待に応えるっていうその時間を楽しんでたんで。



(ウエダ)…それって凄い事だと思うんですよ。
そりゃみんな準備してる、めちゃめちゃしてると思うんです誰しもが。
でもそれを本番中の本番ではいドン!で普段そこまでプレイタイムも多くない中、なかなかすぐに出せないと思うんです。それがすごいなと思って。

それであの山形の2秒です。

(寺嶋)うん。


(ウエダ)(うわぁこの人、ワンシーズンかけてどえらいことしてるやん!!)って思って。
エンドの席で見ていたので目の前で起こった事だったから特に印象に残っているんですけど。映像で見たらそこまでじゃなくて「恭之介からのパスでモネのバスカン!」って感じだったかもしれないけど、いや、完全にいつもならそこから自分で打つでしょ、のとこパスを選択!!その時間わずか2秒。(この日の出場時間はこの2秒のみ)


(寺嶋)そこの凄さを評価してくれるこのリーグのお客さん達の目が肥えてるというか。
なかなかあそこを、このシーズンの自分の動きがあって相手も僕がシューターだとスカウティングしていて。シューターだっていうイメージのディフェンスの付き方だったのがあのシーンを生んだっていう。あれ考えたコーチすごいなって思いますけど。


(ウエダ)だって私あれ見て「今日勝ったわ」って思ったもん。「いけるわ。」って。それくらい強烈な印象がありました。


(寺嶋)笑。


(ウエダ)だから今日はその辺の話が聞きたかったんです。
ここだ!って言う時、確実に仕留めにかかってくるなと。


(寺嶋)「チーム」っていうものを凄く実感できたシーズンでした僕は。
バスケットボールシーンの中でも「チームのために」とか「チームで戦おう」って口には出してきたんですけど、なんかこう上手く発信しきれないところがあったんですが。このシーズンは本当に「チームのために戦う」というのが体感出来ましたね。
僕が出るのはだいたい2分半くらい。長くて9分とかもありましたけど、だいたい2分3分くらいのプレイタイムの中でシーズン迎えたんですけど、その場面で自分の役割が良かったら評価もらえるし、チームも「シューター入れた方がいいな」って時に自分を使ってもらえたし。
どうしても身長が低いんでミスマッチになってしまうこともあって。
でもプレイタイムを勝ち取るためにこの場面を頑張らないといけないなって思う所はあるので、もちろん理解はしているんですけど自分は自信あるんでそこは。シュート力は。
使ってもらった時に結果は出さないと、とは思ってます。
…怪我した時に1日目はすんごい落ち込みましたよ。めちゃくちゃ。
でもちがうな。今できることしよう。ワンサイズ身体でかくしよ。みたいな。笑
めちゃくちゃフォーカスしてウエイトして。で、怪我明けですぐ結果が出せたんで。



(ウエダ)自身の準備も気持ちもあったと思うんですが周りとの関係性も凄く良かったんですね。チームが勝てなかったりしたら全体のモチベーションも変わっていたかもしれないし。自分の力を出し切れる関係性があったんだろうなって思ってます。


(寺嶋)はい。凄い良いシーズンでしたね。


(ウエダ)よかった。でもまだ終わってないんで!


(寺嶋)ここまで長いシーズン凄いっすよね。


(ウエダ)本当に!
このシーズンに青森ワッツと出会えて本当に良かったと思っています。なので私もやれることやり切らせていただこうと思ってこんな直前だけどまた来させていただきました。


(寺嶋)嬉しいっすね。プレーオフ前の。生の声を。


(ウエダ)はい。こちらこそです。
もう終わったらすぐ帰って編集します。笑
では最後にプレーオフの意気込み聞かせていただけますか。


(寺嶋)そうですね。もう包み隠さず言いますが
俺ら(B1)ライセンスないじゃないですか。
他からしたら相当邪魔だと思うんですよ。
だからとことん邪魔してやろうと思います。
多分、誰しもが僕らの優勝を期待してる所もちょっとあると思うんですよ。
なので邪魔します。笑
あとは、千葉ホームは完っ全にめちゃくちゃ相当、断然にアウェーだと思うので
そこで縮こまったら相手はhighインテンシティでくるんで一発でやられると思うんでそこはちゃんと準備して。絶対(ブースターの人数も)ヤバいと思うんですよ。
なのでそこはみんなで準備して行こうと思います。ここで2勝出来たらあとは最後まで出来るんで。(三位決定戦がある為)
長いっすよーシーズン!がんばります!


(ウエダ)1日でも長いシーズンになることを祈っています!お時間いただきありがとうございました!

取材後記
___________________________
ファンにも割とフランクなイメージの寺嶋選手。
ストリートの「キョウノスケ」の顔を私は知らず、青森に初めて行った時に
「なんでこの子こんなに人気あるんや?出てきた時の声援すごいやん」と思っていました。その後彼を知るためにインタビュー記事をあさって読んで少しづつ状況が分かってきました。
以前少しお話した時に「ストリートからBリーグに挑戦中です!」と言っていた寺嶋選手。少ないプレイタイムの中でも存在感がすごい。
そして最終節の、たった2秒の出場時間でやってのけた大仕事。
なぜそんなに高確率で期待に応えられるのか?シーズンを通しての疑問でした。
インタビューを通してみてもフランクな兄ちゃん感からの選手モード、そして最後の少年のような意気込み。寺嶋選手の「切り替え力」と「楽しむ気持ち」が垣間見えました。
冒頭の「やりましたね。」の一言で、ファンも一緒に戦っていると思ってくださっているのが伝わってきて、終始「らしさ」が表れたインタビューでした。
初めての大舞台、最後の最後まで楽しんできて欲しいなと思います!


(文・写真:ウエダサヤカ)


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