Article of the Day! 米国に学べ!強いアスリートを育てるPCA法

自称スーパージェネラリストのライターが選んだ国内外の記事やブログから今日の一本を紹介するThe Article of the Day!。

大リーグで活躍するダルヴィッシュ選手のコメントが、最近話題だ。日本の高校野球で起きた大船渡の采配に否定的な発言をした、野球評論家で元プロ野球選手の張本勲氏と真っ向対立する彼の発言に対して、賛否両論が吹き荒れているのだ。

下記リンクにあるように、米国のリトルリーグでは、子どもたちの一日あたりの投球数が規定されている。小学校3、4年生(9−10歳)だと75球。13−16歳の中学生でも、90球と決められている。

ちなみに、実際こちらのリトルリーグにお子さんを入れている友人の話しによれば、練習や試合に同行する「保護者」が、その投球数をカウントし、監督・コーチに数を伝えるらしい。

「小学生の子どものピッチングなど、大したものでもないのだけれど、試合時にはコーチが<あと何球投げられる?>と真面目に毎回保護者に確認しながら、選手をかっちり変えていく」と話していたことが印象的だった。

日本では、昨年の日大アメフトの悪質タックル事件といい、今回の甲子園をめぐる議論といい、「気合い」、「根性」、「指導者が全て」でスポーツを語っていた時代に実力をつけた指導者世代と、「スマート」を追求する現代社会に置いて、貴重な子どもたちの選手育成や指導を巡って、世論を真っ二つに分ける大議論に発展している。

「今の子どもたちは根性が足りない」と思う大人たちもいるのだろう。でもその根性は本当に必要なのだろうか。

日本のスポーツ選手育成のやり方については、野球だけに限らず、おそらく今あらゆるスポーツ界で見直されなくてはいけない局面にやってきていることは確かだ。ちなみ、米国も20年前は鬼コーチや鬼監督の、肉体的、精神的に無理を強要する指導が行われてきたという。その結果、ポテンシャルあるアスリートが消えきた過去がある。

そのような状況の米国で、立ち上がった人がいる。スタンフォード大学のMBAでコーチングの専門家として教壇に立っていた「ジム・トンプソン」だ。「ポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)」という組織を立ち上げ、特にユース世代のアスリート指導に、PCA法を徹底させるという活動を行なっている。

ちなみに、PCAの内容については、

ここをぜひ参考にしてほしい。「Betther Athlete, Better People(良いアスリートを育て、良い人間を育てる」、「勝つこと」と「良い人になること」を目指すというダブルゴールを設定し、米国スポーツ界を変革していた。

PCAの指導方法で米国のスポーツ界は確実に効果をあげ、認められてきている。MLBやNBAも採用している上(つまりプロスポーツでも受け入れられている!)、PCAの指導者講習を受けないと、リーグの監督やコーチの登録もできないサッカーのユースリーグやバスケットリーグもあるほどの浸透ぶりだ。

とはいえ、いくらスポーツの世界で米国が進んでいると言っても、全てそのやり方が正しいと言っている訳ではないし、それが日本の風土に100%合うと言ってもいない。今まさに、こうした「議論」を世代や環境の違い人間たちが、けんけんガクガクしながら行い、形作っていくしかない。

さらに、子どもを守れるのはやはり「親」だけ。自分の子どもと、スポーツと、そしてその指導者や上級生との関わり方を、しっかりと見守り、さらに必要に応じて「声を上げる」ことも改めて必要だと感じている。

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