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変化は突然にの話。

急遽、上司と面談があった。

何事かと思えば、「近いうちに、在宅ワークが主流である今の体制が変わるかもしれない」とのことだった。

私は普段、家で仕事をしている。社内的にも、そういった働き方をしている従業員も多く居る。このパンデミックの状況になり「可能なら出社しないように」というのが原則となっていた。もちろん業務の内容としてオフィスに出てこないと仕事にならない従業員も居るが、その辺りは例外的に出社するという捉え方であった。したがって、自宅で働くことが許容というか推奨すらされていた。

それが、どうやら近々、全社的に「リモートワーク」から「オフィス出社」への流れになるという話が急浮上してきているらしい。

我が家には小さい子供(小学校低学年・未就学児)がおり、家で仕事ができることは大変に助かっていた。保育園の送り迎えに行けること。小学校の登下校時に、家で見送ったり出迎えることができること。仕事の合間で家の用事も済ませることができるし、夕食も家族みんなでとれる。好きなものに囲まれて仕事に取り組むことができるし、そして何より通勤時間がゼロというのが有難かった。私の勤める会社は都内にあって、自宅からドアツードアでも1時間以上は余裕で掛かる。それが家で仕事をするなら、満員電車にも乗らずに済むから本当に助かっていた。

でも、そういう時代でもないらしい。そしてよく考えると、全ての人がその恩恵を受けることができているわけではないということも、簡単に想像がついた。

それは、エッセンシャルワーカー(という呼び名も個人的には正直どうかと思うけれど・・)のみならず、同じ会社に勤める人の中でも、そのライフスタイルによってその有難みは全く異なる。たとえば、私は所帯を持っていて子供も小さいために今のこの状況が助かっているが、独身者だったり、自宅の居心地が悪かったり、外に出歩くことが仕事の気分転換になる人にとっては、「家で仕事ができること」が必ずしも「嬉しいこと」に結びつくわけではない。

もちろん世の中には、家で働けることを羨ましく思う人も居れば、家で働かなければならない状況に苦痛を感じる人も居る。色々な事情はあれど、それぞれが基本的には自身の職を選んで就いてきているはずだ。自営業やフリーランスならまだしも、勤め人であれば基本的には会社という、目には見えない大きな存在に守られ、そして、それによって個人も動かされている。どこで働くのかも、誰と働くのかも、働く上でどこまでやるのかも、個人の意思もあるかもしれないが、結局は所属する集団のルールに沿う必要がある。個人の論理の前に、集団の論理がある。非情だが、それこそが集団として働くということだと私は考えている。

そのため、会社として、部署として、一律に「こっちのほうがみんな喜ぶでしょ」という選択肢を選ぶことはできない。というか、全員が全員満足できる決定は行い得ない。個人の事情はそこには関係のない話だからだ。会社は従業員一人一人に合った配慮ができるわけではない。その決め方とかには会社やチームのカラーの違いはあるとは思うけれど、基本的には上が「えいや」で方針を決めて、従業員はそれに従わざるを得ない。それに対して「合わないな」と個人が思うのであれば、会社を移るか、会社そのものの仕組みを自分で変えていくしか、基本的に方法は無い。

とはいえ。
個人的には、今の状況はなかなか変えにくい。

今の会社では、それなりにやりがいもあるし、待遇もそこまで悪くない。もしかしたら今まで自分が経験してきた環境が悪すぎて、ここが余計に良く見えているだけなのかもしれないが、少なくとも、まだ長く続けていきたいと思っていた。

けれど、もし会社の方針変更によって、家庭の運営面に支障が出るようなら、きちんと考え直さないといけない。

私が家を出発する時間、そして帰宅する時間。妻の勤務時間。子供が家を出発する時間とその見送り。子供が家に帰ってくる時間とその出迎え。子供を保育園に登園させる際の送りと、その迎え。子供の習い事や学童保育、保育園や小学校の行事。仕事でトラブルが発生した場合に子供を迎えに行く方法や体制。

パンデミックになる前はたしかにオフィスに出社して働いていたわけだけれど、今や家に居るのが前提で家庭内のアレコレが回っていることも多い。

では、今後自分としてはどうするか。
それを、ざっくりと現実的に考えるなら、

  • それでも何とかこの会社で働き続ける

  • フルリモートの会社に転職する

このいずれかになるだろう。

もし転職するなら、どうなるだろうか。考えてみる。転職したとしても、次の職場で上手く働くことができるだろうか。少し前の自分ならいざ知らず、これだけ転職経験を重ねて履歴書の汚れた私にとって、働きやすく、そして働き続けたくなる環境を手放すというのは、やはり勿体ないのだ。今の職場環境や条件を全てを投げうってまで、守らなければならないものであればそうするのだけれど。あ、それと、住宅ローンを組んでしまっているからその返済計画の見直しも検討リストに加える必要が出てくる。

むちゃくちゃ偏った検討項目で、ちょっと比較表を作ってみるなら、こんな感じだろう。

なかなかの先行き不安感・・


これ見ると、残るも去るも、いずれもイバラの道感があるけれど。

たしかに、在宅で仕事したいけれども、じゃあ家でやれれば何でもいいかというと、そうもいかないのが難しいところ。結局、幾ら面接とか下調べしても、職場環境とか業務の合う/合わないは、いざ働いてみないと何とも分からないという、割とガチャ要素が強いものだと考えている。経験上。下手したら、フルリモートだって言われても会社が急遽方針転換して「やっぱ会社に来てね」となることもあり得るし、前評判と異なって職場の雰囲気や仕事内容が実際は残念だったりする可能性だってある。つまり、表に記載した「?」の部分が、最悪の場合すべて「×」となっても不思議ではない。

しかし、見方によっては、家で働くメリットの多くは子供が小さい今のうちだけということも言える。子供が大きくなれば、送り迎えだって要らなくなるし、あんまり家にずっと親が居ても、子供はそれはそれで困ることもあろう。家のことで大変なのは、まだ子供が手のかかる今だけのような気もする。

そうだとするなら、逆に、今の会社は勝手知ったるわけだから、今のところは仕事の中身のほうを優先して、我慢して同じ会社で働き続けるのも一つの手かな、とか。実際、上の表では「○」と記載した現状の項目も、以前働いていた職場に比べれば本当に恵まれていて、もう「◎」を付けても足りないくらい。仕事内容もさることながら、同僚・上司なども人格者揃いで文句なしに働きやすい。

ただ、これらは今のところの情報なので、今後またどうなっていくかは分からない。働きやすさとかやりがいとか。人間関係も、今はいいがこの先は見えない。なんとも難しいが。

ひとまずは、様子見、静観という感じ。どうなることか。

とにかく。変化は常に突然やってくる。待ち受けていたとしても、いざ現実のものとなると、やはりそう簡単に受け止めることは難しいな。

出来る限りの準備と想定をしておいて、その変化に対して柔軟に対応するしかない。そうするしか、私のような平凡サラリーマンが生き残っていく道は、無いのだ。

もし本当にオフィス出社がメインになったとしたら、きっとこの note の更新頻度もガクッと下がってしまうだろうなぁと思うと、何だか寂しい。自己表現と現状記録の場と割り切って始めたこの場所も、素敵な記事たちに触れ、せっかく色んな方と交流ができるようになって、居心地が良くなってきたところではあるけれど・・。

仕方ない。来るべき時に備え、やれることをやっておくしかないかな。おわり。

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