見出し画像

とっととプライドを捨てろの話。

皆さんは、他の人に誇れるものはありますか?

私にはありません。

そりゃ他人と比べて多少は得意なことだったり、世間一般的には大分マシな状況のことがあったりとか、そういう微々たる差みたいなものはあるかもしれませんけど、「胸を張って誇れることは?」とか「誰にも負けない強みや、勝負できる土俵は?」とか訊かれると、途端にダメですね。

そういうのは全く無いです。別に他の誰にも勝てるような強い点は持ち合わせていないのです。

先日、大黒柱の話を記事にしました。


これは端的に言うと、私は今まで自分のことを家庭内の大黒柱だと思ってましたけど、実は妻の方が収入も多くて子供たちからの信頼も厚くて、自分は全然大黒柱じゃなかったというお話でした。

これに通じる(かは分からないですけど)話で、先日こんな出来事がありました。

妻のお母さん(以降は「お義母さん」とします)と一緒に、家族で食事に行った時のこと。ちょっとお高めの焼肉屋さんで、みんなでランチを食べたのですが、そこでこんな会話がありました。

子供「このご飯、美味しいね」

妻 「美味しいよね。
   ここは昔からお気に入りの店でね」

子供「そうなんだ。でもこのお店高そうだね」

義母「気にしなくていいのよ。
   だって、お父さんお母さんよりも、
   私たち(祖父母)のほうが
   お金を持ってるんだから。
   だから使わせてちょうだい」


とのこと。

お義母さんは全く悪気も無いし、嫌味な人というわけでもないのですが、結構この「私たちの方がお金を持ってる」みたいなことを言うのです。

それは事実です。実際、義母も義父も、安定して尚且つ高収入の職業に就き、定年まで長年勤め上げています。貯蓄もそして年金だってあるであろう状況なので、そりゃ私や妻よりも、お金はあるのでしょう。

でも、何だろう。ちょっとだけ、モヤるのです。

「わざわざ言わなくても良くね…?」みたいな。

プライドがあるという自覚は別に無いつもりですけど、そんな「アンタたちよりお金持ってます」みたいなことを言われると、ちょっと卑屈な気分になるんですよね。「ああ、その通りでございます。どうせ私は安月給ですから…」みたいな。

いや、いいんですけどね。実際その通りですから。私の稼ぎが悪いのは。

妻との収入格差(そして今後それはどんどん広がる可能性が高い)のこともありますし、結局、私が経済力に関して誇れるものは何も無いのは事実です。そして、この勤め先で働き続けて、同じようなパフォーマンスを上げ続ける限り、その状況や構図も変わらないでしょう。

ですから、私は、そこで義母の言葉にもムッとすることもなく、ヘラヘラしながら特上カルビ定食をお腹いっぱい食べさせていただきました。ありがとうございます。ご馳走様です。

ただ、なんだろう。ちょっとやっぱりモヤる感じがして、あんまりお肉の味が分からなかったけれど。

ところで、そういうことがあると、色んなことにプライドを捨てられる人というのは、ある意味で最強なんだろうと改めて思うのです。

妻より収入が低くても、義実家からマウント取られても、それを子供の前で露呈されても、「そうなんです。すみませんねえ!」みたいに認められること。

そしてそれは、家族内だけでなく、仕事でもそうできるのが一番良い。

何を完璧主義にしているのだ。何を自分のパフォーマンスを過信しているのだ。お前なんか、会社の売上から見たらゴミクズ程度の貢献度しか無いし、掃いて捨てるほどの駒の一つだよと。思い上がるのもいい加減にしなさいと。

今の私は、仕事のことを気にしすぎるし、そのことで思い悩み、ちょっと思い詰めていることもあります。たぶん精神がちょっとどうかしている部分があると思います。診断はしてもらってないですけど、鬱に近い症状にも思えます。(経験があるので、ちょっと怪しいと思っている)

ですが、そうやって仕事を気にして、どうしたものかと思い悩んでいる一因として、そういう「プライド」もあるような気がするんですよね。

「自分はもっと出来るんじゃないか」と。

そういう思いを何処かで持ってしまっているからこそ、仕事で上手くいかなかったり、トラブルがあったりすると、なぜか自分を責めてしまう。「俺の力が至らず、すみません…」みたいな。

でもそんなの、よく考えたらおかしな話で。

別に私は経営者でもなければ、部門の責任者でもない。もっと言えばマネージャーでもリーダーでもない。ただのペーペーの平社員、下っ端です。

そんな奴の責任って、何ですか?と。

たとえミスがあってそれがそいつに責任があったとしても、一人が負うべき責任なんてあるはずが無い。

会社という組織の中では、部署があり、チームがあり、その中で責任者だったり上司が仕事をコントロールして、部下に割り振って担当させているわけです。たとえ部下のミスがあったとしても、全体でそれをカバーなりチェックなりする体制でなければならないはずです。

もっと言うと、「お前一人が何全責任を負ったつもりになっちゃってんの?」という話です。それこそが、思い上がるんじゃないよと。お前一人の力なんて、たかが知れているよと。

つまるところ、そういう思い上がりを生むようなプライドは捨てるべきなんだと私は思います。

そして、今すぐそれをしなきゃいけない人は、そう、私です。

もういいよ、仕事で悩むのはやめなよ。どうせ君に責任なんて取れないし、取る必要もない。ちっぽけな存在が出来ることはそんなに無いから。どうでもいいことだよ。プライド捨てて、見栄も捨てて、「自分はそんなに出来るヤツじゃありません、ごめんなさーい」と開き直った方がいい。

開き直ったら、あとは忘れましょう。未来の何かまだ起きていないことを今のうちから不安に思ってもしょうがない。起きたら起きたでその時に考えればいい。そんなことで貴重な一日を無駄にしてはいけないです。

とにかく、そのガチガチに凝り固まったプライドを解きほぐして、早く捨てられるようにしなければ。そうでもしないと、そろそろちょっと身が持たない。そして人生がつまらない。早くこんな状況を抜け出そう。おわり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?