奇跡のレッスン__ボクシング_

【まとめ】NHK奇跡のレッスン ~ボクシング編~(10/21放送,10/27再放送)

NHKで不定期にやっている「奇跡のレッスン~世界の最高コーチと子供たち」という番組をご存知でしょうか。2014年から放映されている番組です。番組のコンセプトは、『日本の小中高の部活やクラブ活動チームに、1週間限定で世界的に著名かつ実績のあるコーチが指導者になったら子供はどんな成長/変化をするか?』という内容です。

私は大好きな番組で、いつも番組見終わった後「このコーチがやっていたこと/使っていた言葉にどんな特徴があるのかまとめてみたいな」と思っており、今回noteでまとめてみようと思います。時間があれば「野球編」「サッカー編」「テニス編」など過去のものもやろうかなと考えていますが、まずは最近(今日再放送がやってた)の「ボクシング編」をやってみます。番組をご覧になった方はその振り返りに、見ていない方は雰囲気を掴んでいただけたらと思います。今回もコーチのコーチングに特徴的な部分を見つけました。

10/21(日)PM10:00~11:50 NHK BS1 「奇跡のレッスン▽全力と冷静 そこに勝利はある ボクシング ウラジーミル・シン」

【今回の最強コーチは誰?】
元ウズベキスタン代表ヘッドコーチのウラジーミル・シン(元ミドル級チャンプ)さん。2016年リオ五輪ではウズベキスタンのヘッドコーチとして、出場国最多の7個のメダルをもたらした。そして、今年5月には日本代表の専任コーチに就任。

【対象となる部活動はどこの学校?そしてどんなレベル?】
香川県高松工芸高校のボクシング部。部員の中にはインターハイ出場者や国体出場者もいる。女子部員もいる。顧問が思う部員の課題は、3ラウンド目(終盤)の粘りが足りないということ。1週間後に岡山県選抜との練習試合があり、今回の1週間は試合前という位置づけ。

【最強コーチとの1週間】
初日

・まず普段やっている練習を見て、その後フィードバックする。普段やっている練習は、ウォーミングアップとして縄跳び。その後、シャドーボクシングをやりマスボクシングをやる。
・シンコーチは、一通り練習を見た後みんなの前で練習内容についてフィードバック。その内容は以下。
『試合の準備という意味では、負荷が足りない。明日はチャンピオンになれるぐらいの練習をしてもらうからな!』と、やや脅しと励ましが入った言葉を内容。

2日目
<朝練>
・まず、学校の周りを1週ゆっくりと走らせる。朝練の目的は「体を目覚めさせ気持ちを起こしてあげること。朝は動きが体によく染み込むので」とのこと。
・フットワークの練習では、「攻めや守りのときの距離を考える練習」だと伝えるという練習の意図を部員に伝える。
・そして、練習後も「相手のどんな動きにも対応する必要がある」「アマチュアでは試直前まで誰と戦うか分からない」と今行った練習の意図を伝えている
<午後の練習>
・開口一番「この練習では達成感を持って欲しい」と意図を伝える。
・練習で指導者、生徒たちが驚いていたポイントは3つ。
①軽量級と重量級で完全に練習時間をずらす。(軽量級が練習している時は重量級は完全に見学)
②すべての練習は2分刻みで行われる。バンテージは巻けていない人がいても即座にやる。2分練習してインターバル(休憩)1分のサイクルを続けて行う。
③最後はサンドバックの練習。2分/1Rとして3R分動く。
1R(45秒通常打ち15秒スパート×2回=2分)
※1分休憩
2R(20秒通常打ち10秒スパート×4回=2分)
※1分休憩
3R(10秒通常打ち5秒スパート×8回=2分)

その後は10秒の脈をとり、全部の練習時間は52分。いつもの半分ぐらいとのこと。
・ここで毎回、全力を出すことの重要性を伝える。顧問曰く、「これまで試合前は調整メインで大きな負荷をかけないようにしていた。怖かったのは怪我なので。時間が短いからこういう練習ができるのかな」という感想を持つ。重量級も同様の練習をこなす
・その後、なぜこの練習を行ったのかというと、「試合より少し強い負荷をかけて練習する。そうすることで本番さながらの状況をつくり全力を出させることで少しずつ自信をつけていくことを狙った」とみんなの前で意図を話す。
・その後は筋トレを行い瞑想(マインドフルネス)を行う。
締めの言葉として、『子供たちはコーチが自分をどのように見守っているか常にみている。コーチの言動にどんな感情があるか常に感じている。コーチはこのスポーツを愛しているか自分たちに愛情あるか。スポーツ以外のことも考えてくれているか、指導者の姿勢や愛情が伝われば子供たちにスポーツへの愛が生まれる。そして子供たち自身が夢中に取り組む用意なれば結果はおのずとついてくる。』という言葉を残す。

3日目
<通常練習>
練習の条件として、前の手(利き手じゃない方)のみを使うという条件を設定。距離を制するために大事なのは「前の手」「フットワークの使い方」と説明。そして、なぜ前の手は大事か?というと、「一番相手に近いから。反撃も防御も前の手でできる」という意図を伝える。

<親御さんとの質問会>
シンコーチの考えとして、「子供に教える時はまず前面的に子供を信頼すること。そして自分が持っている全ての知識や技術を惜しみなく差し出すこと、子供は安心してスポーツに取り組める」という

話は進んで試合当日・・・
岡山関西高校との試合団体戦を行い、4勝3敗で香川県高松工芸高校の勝利!!!。最後、生徒にコーチとして一週間心挙げていたのは、「試合で自分の可能性をすべて出し切れるようにすること」とのこと。

【私が思う今回の最強コーチの指導法の特徴】
上記で太字にしているのですが、何と言っても練習の意図を明確にして生徒に言葉で伝えていること!練習前に言う時もあれば練習後に言う時もありました。
また、練習の意図が明確なので、1つ1つの練習時間も最初から決まっていました。指導者が1つ1つの練習の意図を持ちそれを部員に言葉として伝えること、当たり前のことかもしれませんが、大切なことだなと改めて感じる内容でした。

指導者が『伝わったことが伝えたこと』と思えるかどうかはとても大切なポイントだなと感じました。ではでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?