減農薬の向こう側は無農薬にはつながってない

うちの農場では野菜の生産に農薬は一切使用していないのだけど、そのことをお話すると、無農薬と減農薬はどう違うんですか?とよく聞かれる。

もちろん文字通りには、農薬の使用がゼロか、減らしているなりにゼロではないかという差なんだけど、もうちょっと考えてみると実は難しい。

野菜の品質だけ考えたなら、そもそも農薬の使用が(定められた方法、量が守られている限り)味や安全性に影響するということは考えにくいから、何も違いはない、っていうのも正解かもしれない。これは農薬を普通に使用している場合でも同じ。

一方、栽培技術の面から見たら、これが全く違う。よく農薬の量を減らしていってゼロを目指す、というお話を聞くけど、実はそれは筋が良くない。

通常のやり方から農薬の使用回数を減らしていくときには「いかに効率の良い、効果的なタイミングで使用するか」というのが非常に大事なポイントになる。つまり、農薬の効果には期待しつつ使用回数を減らしていく。

それに対して無農薬栽培を行おうと思うと、最初から農薬を使用しないでも病虫害の被害が許容できる範囲に収まるように栽培を行わなければならず、土壌改良と施肥に重要なポイントが移るとともに、栽培計画も全く違ったものになる。同じ作物ばかりを量産するとなると、全滅のリスクが過大になる、とかだ。

だから一般的な栽培スタイルから減農薬まではスムーズに移行できたとしても、そこから先ゼロにするには少なくとも半年、大抵は1年間栽培をやめて移行の準備をしないといけなくなる。やることもガラッと変わる。だから難しい。

もちろんネットを張ったり手で虫を捕まえたりなどで無理やり無農薬で収穫まで持っていくことは可能だけれど、作業のコストが割に合うかどうか。


トップの写真は収穫がスタートしたゴボウです、すごく香りがいいので是非一度食べてみてください!


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古荘貴司

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