フルタジュン

劇団フルタ丸代表(https://furutajun.com/)/脚本家・演出家/エン…

フルタジュン

劇団フルタ丸代表(https://furutajun.com/)/脚本家・演出家/エンピツという物語書いたり演出したりマネージメントしたりの会社やっています(https://furutajun.com/) ◎生活に物語をしのびこませたい。

マガジン

  • 演劇やってる場合じゃない。

    2010年から、劇団フルタ丸のDMに同封していた『底辺育児コラム』。この度、noteにて『演劇やってる場合じゃない。』と改題して配信をスタートしました。まずは過去のバックナンバーから。やがて、現在へと。

最近の記事

役者が漫才に挑んだ『芸人温泉』の記憶と記録

ひらさわ&フルタ プロジェクトによる第8弾公演『芸人温泉』が終幕しました。2020年7月24日~26日の3日間、下北沢小劇場B1にご来場下さった皆様、ありがとうございました。4月からの延期公演。7月になってみても世の中も演劇界もこのような状況の中で、公演として無事に完走できたことは奇跡です。出演者、スタッフの皆さん、ありがとうございました。今後も何か一緒にやりたいと思える良い出会いも沢山ありました。 公演が終わった翌日は終わったばかりの公演が頭にも身体にもまだまだ残っていて

    • あの日、虎の画と対峙した小坊主よ

      横浜公演に向けての稽古全日程が終わった。皆と稽古場を掃除しながら荷物を車に積み込んだ。全部がキャラバンに収まる。これは目指していたところだった。最終的に一つの車に過不足なく全部が収まる。車一台でどこへでも行ける作品。そういう演劇を創りたかったのだ。初演の時に向けた動き出しを考えると、足かけ4年近く掛かったことになる。ずいぶん掛かったなぁ。 明日、無事に会場に着いて、準備したら、作り込んで来たものをシンプルにやろうと思っている。今日、最後の通し稽古前に、気分が荒ぶった瞬間があ

      • 虎、絶頂へ。

        公演が近づいて来てザワザワが止まらない。どうも、フルタです。 年中、何かしらの演劇に携わっているが、今回の心境、心の高鳴りはいつもとも違う。こういう勝負を、もっと早く仕掛ければ良かったなという毎度ながらの後悔といよいよ挑めるという幸せと。その両方がないまぜでザワザワしているのかもしれない。 伊久磨さん、清水さんとは年甲斐もなく「虎の館」で夢を語り合ったりもしている。思えば、年を取るについて夢なんて語らなくなっていた。若い時分はもっと語っていたはずだ。けど、気付けば夢を語っ

        • 中年ではなく年中

          【2015年4月15日】娘は4歳8か月 この春から、4歳の娘は保育園で青組に進級した。青組っていうのは「年中」に当たる。僕は着実に中年となりつつある中、娘は年中になった。同じ漢字を逆さにしただけで、こんなにも意味が変わるものなのか。 年中になったことで、次なるステージである「小学校」が射程圏内に入って来てしまった。まだ2年と考えるか、もう2年と考えるか。僕は後者のようだ。時の流れが油断できないような速さで動いているので、気を抜いたら一気に持っていかれる。小学生になってしまう

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        • 演劇やってる場合じゃない。
          20本

        記事

          虎、この旅行を合宿と称してみる。

          1泊2日で箱根へ合宿に行こうと言い出したのは11月だった。箱根の某所にでたらめでオススメの旅館があるのだとニヤつく伊久磨さんが教えてくれた。すぐに旅館を予約し、いよいよ年末を迎えた。 都内で集まって行くのではなく箱根湯本に現地集合。薄々予感はしていたが、13時集合のはずが清水さん必殺「今、起きた」により14時過ぎに現れた。蕎麦を食い、特に湯本を見物することもなく、登山鉄道に乗り込む。山間を鉄道が進む。こんな凪の時間を過ごすのもずいぶん久しぶりだった。 旅館に着いた。その異

          虎、この旅行を合宿と称してみる。

          相葉雅紀カッコいい問題

          【2014年10月26日】娘は4歳2か月 過去のコラムを読み返すこともないので、これまでどんなことを書いて来たのか、あまり憶えてない。ネタがダブってたらすいません。でも、ツイッターとかフェイスブックもそうか。その時に感じたことが全てであって。だから、今から書くことも、おそらく書いたことを書いたそばから忘れていくはずで。娘の成長も刹那であるし、このコラムも刹那である。 ハイ、相葉雅紀。 言わずと知れた、大人気アイドルグループ嵐のメンバーだが、奥さんが嵐好きな影響をモロに受

          相葉雅紀カッコいい問題

          トイレが怖すぎるんだよネ

          【2014年9月24日】娘は4歳1か月 このコラムを書くのも半年ぶりぐらい。その間に、娘は着々と4歳になった。4歳。3歳でもなく、未だ5歳でもない。4歳というのは、ある意味で中途半端な時期に思えて、言うなれば子供としてのモラトリアムなのかもしれない。確かに、3歳の頃よりも色んな知識が増えた、口も達者になった。しかし、まだまだ出来ないこともある。だよね?娘よ。 娘にとっては、その代表格がトイレ。家と保育園以外のトイレで用を足すことができないでいる。理由は、自動センサーの付い

          トイレが怖すぎるんだよネ

          鬼との交信

          【2014年5月15日】娘は3歳9か月 今回の育児コラムを書くにあたり、ネタを思い付けないでいる。ネタの宝庫であるはずの娘だが、今、目前に迫った公演のことで頭がいっぱいいっぱいであり、ネタを吟味する心の余裕がない。娘よ、許してくれ。なので、思い切って奥さんに育児コラムの代筆を頼んでみた。が、もちろん断られてしまったので、結局はフルタが書いている。奥さんから「鬼のこと、書いたら」とアドバイスをもらったので、鬼のことを書くことにする。 前に娘が鬼を怖がっているということを書い

          欲望という名のなんちゃら

          【2014年4月8日】娘は3歳8か月 娘が4月から「みどり組」から「もも組」になった。今、セカイで一番好きな色がピンクらしいので、娘にとっては最高の時を過ごしているかもしれない。来年以降の話になるが「もも組」の次は「あお組」。そして、翌年には年長の「きみどり組」にて保育園が終了。その次は?もう小学生か…。勝手に先まで行ってしまい、勝手に時の早さを受け止め切れずにいます。いやいや、早い。 アンパンマン命だった娘の趣味趣向にも変化が訪れている。うちでは「プリキュア」とか魔法少

          欲望という名のなんちゃら

          何気なく涙をぬぐう

          【2013年11月6日】娘は3歳3か月 先日、なか卯で昼メシを食おうとした時のこと。カウンター席で注文した冷やし担々麺を待っていた。すると、二人組の女子高生がふらっと入って来た。 僕は何気なく目で追う。いかにも普通の感じの二人(クラスで特に目立つでもない普通の感じの子だった)は、注文したうどんをテーブル席で待っていた。二人は楽しそうに何かをひそひそと話していた。なんてことはない、そんな状況であり風景だった。しかし、それを見ていたら、ふいに泣きそうになり、女子高生からゆっくり

          何気なく涙をぬぐう

          プロレスラー、川田利明選手を探訪

          いつだったか、稽古場でプロレスラーの方がやっているお店に行こうという話になった。プロレスをモチーフに扱う「虎の館」において、確かに僕らはプロレスが大好きだけど、もっとプロレスラーの何たるかを知らなければならない…とか能書きを垂れてる内に、話がまとまった。 行くことに決めたのは、全日本プロレスで活躍した川田利明選手のお店「麺ジャラスK」。もちろん、川田選手のニックネーム「デンジャラスK」がモジられている。 川田選手と言えば、かつて「プロレス四天王」と呼ばれ、僕がプロレスを見

          プロレスラー、川田利明選手を探訪

          コダワリのフルコース

          【2013年10月4日】娘は3歳2か月 およそ半年ぶりくらいに筆を執る。やはり、今回も娘の行動を皆さんに報告したいと思う。娘にしてみれば、勝手に報告されて、いつか「あーマジで親父ぶっとばしてー。勝手につまんねーコラムとか書いてんじゃねーし!」とか言われるのかと思うとゾクゾクする。まぁ、それでいいんだ。ぶっとばしてくれ、俺を。8月に誕生日を迎えた娘は3歳になり、年齢と共に自己主張が強くなってきた。色んなことにコダワリを見せ始め、誰に似たのか頑なに意思を曲げようとしない。 そ

          コダワリのフルコース

          ビックダディを見ていた

          【2013年5月10日】2歳9か月 いきなり他人の家族の話だが、僕は『ビックダディ』が好きだった。見てない人も、その存在ぐらいは知っているはずだ。当然、好きも嫌いもあるだろう。これまでの「大家族」ドキュメンタリーの枠では語れない、一つの王国、まるで「ムツゴロウ王国」のような広がりと奥行きのある団体芸が魅力だった林下家。そんな家族には、チビから成人まで、豊富な人材がずらっと揃っていた。成長の段階も様々。僕は自分の娘の年齢を、林下家の誰かに重ねつつ、娘の今後の成長を予測しながら

          ビックダディを見ていた

          小さなダ・ヴィンチあらわる

          【2013年4月10日】2歳8か月 このコラムの前号を書いたのが、去年の8月。しばらくぶりである。もうしばらく過ぎて、あれから娘がどれぐらいの成長を遂げたのかよくわからない。 とりあえず、今、娘がもっとも恐れているのは「鬼」と「オバケ」の存在であることは確かだ。娘はこの4月から保育園児として2年目に突入した。黄色組から緑色組に進級したのである。それに伴い担任が「Y先生」から「M先生」に変わった。保育園生活の影響もあって、娘はよく喋るようになった。 「そうかそうか」 「ごっ

          小さなダ・ヴィンチあらわる

          すべてはマボロシだったの

          【2012年8月29日】いえーい、2歳 保育園のお迎えというものに淡い幻想を抱いていた。保育園から帰って自室で「うまくいかないもんだな…」と独りごち、やるせない気持ちになったのは数日前のことである。 娘が保育園に通い出し4ヶ月、夏のある日。ついに僕は奥さんにお伺いを立てた。 「一人で娘のお迎えに行きたいんだが…」 これまで何度も打診したが、「色々と複雑だから」と言われて叶うことがなかった。どうやら保育園に行くと面倒なルールが多いのは事実のようだった。園の決まりで、布お

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          目の奥の輝きに用がある

          【2012年7月19日】1歳11か月 もうすぐ2歳になる娘。病室で生まれた瞬間「うぎゃー」としか泣けなかった口は、今では「あしい」と言えるようになった。もちろん「足」のことだ。 そして、その「あしい」を使って、トコトコと歩いて行けるようになった。 最近、僕は娘の後ろ姿を見ることが俄然多くなったのである。 まだ追い付ける。行動範囲だって限られているし、走れば当然、僕の方が速い。けど、少しずつ少しずつ、本当に少しずつ娘の行動範囲は広がって行き、やがて追いつけなくなる日が来る。

          目の奥の輝きに用がある