ロールモデルになる 〜大人は何ができるか〜

最後に、地方における大人の役割についてお話したいと思います。
まちづくり活動を通して感じます。トップダウン型の命令系統がうまく機能しなくなっているのではないか、と。
もう、ひとは「こうしてくれ」といっても基本的には「動いてくれない」と念頭においていたほうがよいのではないかと思うのです。
それぞれの立場も生活もあります。そうなると、よほどの「何か」がなければ、
まちづくり活動に参画したくないというのも理解できるのです。
その「何か」を模索するのが、わたしたちの最初の仕事です。
教育においても、「ああしろ、こうしろ」という押し付けは、
やはり可能性とやる気を奪ってしまうものなのではないでしょうか。
ましてや、わたしなぞプロの教育者ではありません。
こどもたち自身で「気づき」を得るサポートがどれくらいできるか。
それには古い言い回しですが、「背中を見せる」ことが最善かと思います。
いま心がけていることは、
「いつも楽しそうにしていること」。

結構、こどもたちは見ています。
なんで彼は東京からやってきたのか?
いつもヒマそうだけど、仕事はどんなことをやっているのか?
(あるいは仕事をしていないと思っているのかも)

そういう視線の先でわたしがつまらなそうにしていたらどうでしょう?
反対に、いつもなんだか楽しそうにしていたら?

このまちには何かあるんじゃないか?

そういう目で、安心院のまちを見て欲しいな、と思っています。
まちづくりに関して、若い人からの意見は大歓迎ですし。

中国には「反面教員」なる言葉があります。
日本語の「反面教師」とは使われかたに少し異なるニュアンスがあるようです。
いわく「反面教員は人生において必須のもの」

こう考えると、ロールモデルだ、と肩ヒジはらずともよいのかもしれません。
こどもたちにとってのまだ見ぬ世界に多少なりとも興味をひかせる
サンプルになれるのであれば。

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