まちづくりとはなにか

前置きが長くなっていますが、わたしが
・どんなところに住んでいるのか?
・具体的に何を仕事としてやっているか?
の紹介をしたいと思います。

大分県の安心院町というところ。本来は合併して、宇佐市となっていますが、
活動のフィールドでもあるので、安心院に絞って簡単にご紹介します。
ふるくから農業がメイン産業で、人間関係が濃密です。
過疎化が進んでおり、特徴的な小中高一貫教育が行われています。
観光という切り口では、自然豊かで、ワイナリーがあったり、農家民泊の発祥の地であったり、
スローツーリズムやグリーンツーリズムとして可能性を秘めている地域だと思っています。

観光の課題としては、短期滞在のかたが非常に目立つということです。
日帰りや、日中は安心院に訪れても宿泊は別府や由布院というお客さんが非常に多い。
つまり安心院を訪れる観光客のかたは、地域にお金を落としていないのです。
もちろん、観光ぶどう園だったり、料亭だったり、「上客」を抱えているかたは多いのですが、
市町村単位の観光施策の結果というよりも、事業者さんの自助努力によるところがおおきいように思われます。
このことから、観光自体はまだ地域の「産業」になりきっていないといえます。

さて、わたしの仕事は「まちづくり」なのですが、
持っている予算ぐあいでも、建物をたてたり...といったハード的な動きはできないので、
「いまあるもの」を使ったソフト方面に集中しています。

そもそも過疎化が進むとなにが起こるのでしょうか。
福祉や介護の観点からみてみると、
ひとが減るから商店がなくなる→地域のひとの交流の場/機会がなくなる→家にこもる→健康寿命減少し→医療費や介護費の負担がおおきくなる
自治体としては、たいへんな事態です。
この例は総務省のかたに聞いたのですが、そのかたによれば「データが乏しいので、感覚的なものだけれども」と前置きされ、
交流の機会をうまくつくることができれば、「1市町村あたり年間7億円の医療費・介護費の節約につながる」とのこと。

われら「まちづくり組織」の存在のよりどころとなる理念です。
では現場では何が行われているか。
正解は地域のひとを家から呼び出すためのイベントです。目標値は「ひとがどれくらい集まったか」。一見、理にかなっているようですが、年々、ひとが集まらなくなっており、マンネリ化も叫ばれています。多大な予算と労力によって成り立っており、市からの交付金が削減されれば継続できないものもあります。
さらに観光、つまり外に意識を向けたイベントに変容していっているのも問題だと考えております。本来の意味とはかけ離れた悪い意味での「観光まちづくり」。
ここのあたりを本日のトピックとして議論できればと思っております。


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