ケース(3)幸せについて 〜more tourists = more happiness? 〜

次の例も地域から学んだことですが、わたしの立場は批判的です。
安心院では定期的な地域活動として「美化活動」が行われます。
年に4回。ゴミ袋や参加者への飲み物、告知などまちづくり組織の負担もありますが、
ボランティアのかたも毎回、多く参加されます。
それほどの労力をつかって、どんなときに清掃を行うのでしょうか?
答えとしては、年4回のうち2回を「観光客が多く訪れるイベント」の「開催前」に清掃を行います。
さて、これはどういう意図があってのものでしょうか?

(学生さんからの答え)
はい、おっしゃるとおり、ばっちり正解です。
「訪れるかたにきれいなまちを見てもらいたい」という思いからです。
観光の波及効果のひとつとして「市民の地域への誇り」が喚起される、
というたしかにプラスの側面もあります。
さらにこちらの地方には「お接待」、旅人をもてなすという美しい習慣もあります。
ただし、わたし自身が批判的な立場を取っている理由として、
まちづくり活動として「公的に」かつ「なかば義務的に」行っていることに問題があると考えているからです。
「市民の地域への誇り」、これは言い換えると、ある「思い込み」につながっているのではないでしょうか?
すなわち「観光客が増えるとわたしたちは幸せになる」と。

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