見出し画像

#アマチュアクインテット

8月25日、東京武道館にて行われたアマチュアクインテットというグラップリングの勝ち抜き団体戦にアウトサイダー卒業生というチームを結成して出場してきました。

元々は私がツイッターでアウトサイダー選手に呼びかけたのがきっかけでした。元65kg級チャンピオン 幕大輔、現65kg級チャンピオン 樋口武大、元70kg級チャンピオン吉永啓之輔、元75級チャンピオン佐野哲也。自分だけアウトサイダーでなんの実績もないくせにチャンピオンクラスに声をかけたのでした。
幕君、樋口君、吉永君からはすぐ快諾の返事が来ました。しかし佐野君は以前出た佐野クルチャというチームで出るという理由で断られました。後にこれが大きな因縁となります。そして一度は快諾した吉永君は同日にMMAでの試合が決まってしまい断念となりました。そこで地下出身で寝技といえばこの男だろうと思いコンバ王子こと新居卓君を誘いました。スグルはすぐにOKしてくれ、4人まではあっという間に決まったものの最後の1人が中々決まりませんでした。アウトサイダーで寝技といえば堀弁護士だろうと声をかけましたがその日は海外にいるとの事でさすがのセレブ…。他にも多数の候補者の名前が上がりましたが中々全員一致で賛同とはならず。ついには「アウトサイダーにセコンドでよくいた枠」というこじつけでマッハ道場の岡野裕城君を誘ってしまいました。岡野君も快諾してくれ、これでやっと5人決まったと安堵したのもつかの間、岡野君は来週行われるROAD TO ONEで試合が決まってしまいまたまた断念。いよいよ暗礁に乗り上げたかと思ったところで一人の男が浮かんだ。アウトサイダーよりは益荒男チャンピオンとしてのイメージが強いけどたしかアウトサイダーにも出ていた。しかも今は東京にいると聞いている。それが今回大活躍してくれた5人目の男、飯田タテオ君だ。タテオ君とコンタクトを取り出場の了承を得てついにチームアウトサイダー卒業生は発足した。

それから約2ヶ月の間、合同練習会を開いたりラッシュガードのデザインや制作で準備をしてきてついに迎えた試合当日。

エントリーチームは自分たちを入れて4チーム。
頂柔術トップチーム、ナチュラル9、そして因縁の佐野クルチャである。

どのチームにも柔術黒帯茶帯やMMAのプロ、チャンピオンクラスの強者が集まっておりどこと当たっても厳しい戦いになることは間違いなかった。
抽選の結果、一回戦は
アウトサイダー卒業生vsナチュラル9
佐野クルチャvs頂柔術トップチームとなった。

一回戦
先鋒 幕君はZSTやパンクラスに出場している平山学選手とドロー。
次鋒 タテオはアームロックで一本勝ち!しかし相手の中堅で登場した「マンモス谷部」こと谷部翔太郎選手にチョークで敗れる。ここで1勝1敗1分でのイーブンで私に順番が回ってきた。
相手チームの戦略はキーマンであるマンモス君を中堅に置き、決勝では大将に据えて温存する戦法だったのだろう。こっちのチームでもっとも軽い私(68キロ)と向こうで一番デカイマンモス(84キロ)の勝負。ここをもし引き分けでしのげば大きく勝ちに近付ける。試合開始。
開始早々怪力で頭を下げられガブられる。その後後ろに回られチョークを狙われるが足のフックは許さず首に回した腕をこちらは両手で掴んでいるというのにそれでもパワーで無理矢理極めようとしてくるマンモス君。まさにマンモスパワー。練習なら即タップしてるであろうマンモスチョークを何とか凌ぐも今度はチョークではなくフェイスロック気味に首をひねりながらこれまた無理矢理極めてこようとしてきたがこれも全力で頸動脈を死守して4分何とか耐え切ってドローをもぎ取る。マンモス君、これでも今回94キロから10キロ減量してきたんだってよ。。相手チームはキーマンを失ったが副将に伏兵が残っていた。飯嶋選手だ。過去にはうちのチームの幕君にもMMAで勝ってる猛者。しかしこちらの副将樋口君が粘り強くドローに持ち込み、大将スグルが必殺洗濯バサミで一本勝ち!決勝に駒を進めることが出来た。

今回自分の役割を往年の巨人の選手に例えて名前を付けてたんだけど、結果本当にその選手達みたいな役割を果たしたというね。(だから幕君は送りバントのポーズ)


反対側の山の戦いは指導一つの差で佐野クルチャが上がってきた。頂柔術の黒茶だらけの恐ろしいメンツを僅差ながら破るのはさすが。奇しくも私の誘いを蹴った佐野君と決勝で戦う運命になってしまった。

裏切り者を許すな!

ということで先鋒は幕vs佐野。
いきなりアウトサイダー王者同士の対決だ。
結果は拮抗した内容でドロー。
次鋒タテオvs奥出選手。
ZSTの元フェザー級チャンピオン。
かつてアウトサイダーvsプロ対抗戦の大将としてアウトサイダー70kg級チャンピオン吉永啓之輔と戦い当時アウトサイダーで敵なしだった吉永君から腕十字で勝った選手。その選手をタテオ君がなんとその十字で下した!これは痺れた。タテオ君を最後の一人として誘って本当によかったと思う。
相手の中堅は支部は違うが同じパラエストラの黒帯柔術家・杉本選手。体は小さいが技術が素晴らしく誰に聞いても強いという前評判だった。その杉本選手相手にタテオ君は指導一つ取られるもドローに持ち込む。
中堅不良先輩vs副将小島一朗選手。ZSTの選手でグラップリング専門の選手。ここは私の必殺技不良ロックで一本勝ち。
この時点でこちら三人残しで相手の大将のみという形になった。後で思えばこの時に我々の心には慢心が生まれたのだと思う。そして私は後ろの2人に頼りすぎてしまったと思う。自分が負けても後ろの2人が何とかしてくれるという気持ちになっていた。もちろん負けるつもりはなかったがそんな心構えで止められる相手ではなかった。
相手の大将・石橋佳大選手。
元修斗環太平洋チャンピオン。タイトルマッチで佐藤将光選手との5Rの死闘は記憶に新しい。RIZINファイターでもある。
柔術茶帯。寝技のスペシャリストだ。
まるで自分の心の隙を突かれたように電光石火の飛びつき腕十字で腕を破壊された。両腕巻き込み型の十字だったので手でタップができず口頭でタップを伝えたが遅かった。久々に靭帯が伸ばされた時に鳴るバリバリ!という音が体内に響いた。嫌な音だ。
すまん、後は任せたと2人に告げて下がる。しかし石橋選手の猛攻は止まらない。樋口君も同じく十字で敗れ、残すは大将戦のみとなった。大将戦は一進一退の熱戦であったが勝負は付かず引き分け。結果指導一つの差で惜敗。優勝がこの手から滑り落ちていった。

この大会には半分お祭り気分で参加したし、どこのチームを見ても強豪ばかりで勝てる見込みは低いかな、なんて思っていたが終わってみたら後少しで優勝だったし、悔しくて悔しくて仕方なかった。
終わった後会場の廊下で放心状態の我々。ふと横を見ると悔し涙を流している樋口君。終わった後ずっと何度も何度も「すいません、自分のせいです」と言っていた彼。なんだか一番適当な感じがしていた樋口君(ごめんね樋口君)が号泣してる姿を見てたらなんか自分も改めて悔しさとチームメイトへの申し訳なさが込み上げてきた。そこへSANO登場。「いやーお疲れ様でした。石橋さんのおかげで勝てました」と言いつつも得意げな顔。その通りだ、お前は何もしていない!

もちろん敗因は樋口君のせいではないし誰のせいでもない。幕君の送りバントがなければ、タテオ君の2勝がなければ、樋口君の初戦の引き分けがなければ、もちろん大将の卓がいなければここまでこれなかった。
そう言えば試合後廊下で我々が放心している時、2打数2犠打、「私は川相」を明言していた幕君は一人得意げな顔で売店でアイスを買ってきていましたね、、笑

今回思いました。
約10年前、素人同然だった我々には当時のプロは雲の上の存在に見えた。一生超えられない壁のように思えた。しかし時は経ちそれぞれが地下の枠を飛び出して修行してきた結果、タテオ君はZSTチャンピオンに勝ち黒帯と引き分けたし樋口君は飯嶋選手と引き分けたし卓は修斗チャンピオンと互角に渡り合った。一生届かないと思っていた背中にいつの間にか手が届く場所に来ていた。今回の結果は準優勝で悔しいけどもこのチームでこの結果を出せたことに誇りを持っていいんじゃないかな。

チャンピオンが雲の上だったのはもう昔の話。

その背中はもう手が届くところにある。
今度は自分がチャンピオンになる番だね。

それにしたって僕は何もしていませんと言いながらもツイッターでアマクイ優勝関連のツイートをリツイートしまくるSANO。許すまじ。

今日はお前らの勝ちだ。けど次は同じようにはいかないぜ。

石橋選手に伸ばされた肘とマンモス君にひん曲げられた首が痛いのでちょっとの間練習おやすみ。。

人生においても大一番である11月のタイトルマッチに向けていい経験となりました。

次のクインテットもまたこのメンバーで出ようね。

#アマクイ #アマチュアクインテット #柔術 #グラップリング #mma #総合格闘技 #格闘技 #レスリング #コラム #エッセイ #アウトサイダー #アウトサイダー卒業生

今後の活動の糧とさせて頂きます。よろしくお願いします。