見出し画像

東京タワーが見えない部屋

はじめての借りたあの部屋は、はじめての一人暮らしのワンルーム。当日の職場に近いことだけで決めた部屋だった。6万5千円のワンルーム。

私の自立のスタート地点でもある。
国道沿いで、東京タワーに近いのだけど、前にそびえ立つビル群で部屋からは東京タワーは見ることができない。

とにかく、全てがコンパクトな部屋。
お風呂もトイレももちろん、一緒。
キッチンも電気コンロが1台だけ。
洗濯機も置けない。テレビもなし、冷蔵庫だけは、同僚から貰って持っていた。

でも、私の城であり、自由を享受できる。


洗濯は、週末にコインランドリーを利用したが、普段の下着の洗濯などは、お風呂に入って行った。
お料理も、意外と頑張ってチャレンジもしてみた。効率よく料理するために、パスタを茹でながら、ゆで卵を茹でたり、ごはんも土鍋で炊いて炊飯器を使わずに過ごした。とにかく、段取りや道具の工夫はいろいろ試した。

国道沿いなので、自動車の音がうるさいのと、ベランダは、排気ガスで真っ黒になる。
でも、慣れとは恐ろしいもので、騒音にも慣れて、夜もぐっすり。ベランダには出ることは無かったが、近くに緑の多い公園もあったので、休日はお散歩ができた。

繁華街で飲みすぎたら、徒歩で20分も歩けば我が家に着く。そんな時の夜空もとても素敵だった。

通勤時間が無駄と思えたので、その短縮は自分にとってとても有意義だった。

あの、部屋の経験があるから、どんなところでも住んでいける自信がある。自宅での生活の幸福を再認識もできる。

結婚して、家庭を持つ前に、ぜひ、一人暮らしをお勧めしたい。
自分と向き合う時間も持てて、その後の自分の人生にとってもとても役立つ。
ただ、一人暮らしはあまり公言はしない方が良い。やはり、つきまとわれたり、狙われてしまうこともある。ルームメートがいるくらいにしておいたらいいかも。

知らない街に住んで、そこで新しい人間関係ができるのも、とても楽しい。
さあ、どこに住んでみようか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?